―パンドラム・アサイラム ラプソディ―
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そのモンスタートラックへ搭乗しているのは稀代の怪人。十三王の一人である偏執王アリギュラらしい。それがどの程度危険極まりない事であるのか分からないシルビは、やはりもう少し真面目にヘルサレムズ・ロッドへ付いて勉強するべきだろう。
「彼女の目的は奪還です。彼女の『作品』。『奴』とその器になっている『彼』。『ブローディ&ハマー』を奪いに来ているのです」
作品、とはまた物騒な物言いだが、育てられたとかそういう意味だろうとシルビは思った。だとすれば怪人へ育てられた故に性根が歪み、多くの犯罪を為したという考えも出来る。
だがソレにしてはブローディ『&』ハマーと呼ぶのはおかしいなとも思う。後は当人達に会って見なければ分からないなと判断して、シルビは交渉をしているエイブラムスの隣へと並んだ。
「ネバーヘイワーズ獄長。僭越ながら申し上げます。今回の騒動鎮静の為にも『彼』を保釈する許可を。万が一『彼』が暴れだした場合の責は、この私が負いましょう」
「……貴様は?」
「申し遅れました。イタリア裏社会組織『復讐者』同志が一人。シルビと申します」
「『復讐者』……!? 何故『復讐者』の方がここへ?」
「世界の均衡を守るも世界の秩序を守るも我ら『復讐者』には変わらぬ事。その理念はアサイラムの獄長であらせられる貴女にもお分かり頂けるのではと」
口八丁であるが一応『復讐者』の理念である事は変わりない。というか獄長はやはり『復讐者』を知っていたようである。
「……バミューダ殿はご壮健ですかな?」
「バミューダなら相変わらずですよ。俺が話す外の世界を毎回楽しげに聞いてくれる」
無言で何かを考えるようにシルビを見つめていたが、不意に動き出したかと思うとその身に機械の鎧を纏い始めた。思わず身構えながらシルビは機械の鎧を纏った獄長を見上げる。
元の獄長の全身の、何倍もの大きさであるそれは彼女がこのアサイラムで獄長を名乗る実力を示すものだろう。
「私はパンドラム・アサイラム獄長。アリス・ネバーヘイワーズなるぞ。職務はこの施設とその規律の死守。いくら『復讐者』が相手とて一切の例外は認められぬ!」
つまり、どうしても『彼』を連れて行きたければ自分を倒して行けということだ。昔こんな感じで義兄を追いかけて脱獄した知り合いがいたなぁと思い出していると、クラウスが武器を構えながら進み出た。
「ブレングリード流血闘術。――推して参る」
「あれ、ここ俺が行く流れじゃねぇ?」
「黙っていろシルビ君! これはライブラの話だ! だからクラウスが行かねばならない」
そう言われたらそうなので何とも言えないが、解せぬ。
「彼女の目的は奪還です。彼女の『作品』。『奴』とその器になっている『彼』。『ブローディ&ハマー』を奪いに来ているのです」
作品、とはまた物騒な物言いだが、育てられたとかそういう意味だろうとシルビは思った。だとすれば怪人へ育てられた故に性根が歪み、多くの犯罪を為したという考えも出来る。
だがソレにしてはブローディ『&』ハマーと呼ぶのはおかしいなとも思う。後は当人達に会って見なければ分からないなと判断して、シルビは交渉をしているエイブラムスの隣へと並んだ。
「ネバーヘイワーズ獄長。僭越ながら申し上げます。今回の騒動鎮静の為にも『彼』を保釈する許可を。万が一『彼』が暴れだした場合の責は、この私が負いましょう」
「……貴様は?」
「申し遅れました。イタリア裏社会組織『復讐者』同志が一人。シルビと申します」
「『復讐者』……!? 何故『復讐者』の方がここへ?」
「世界の均衡を守るも世界の秩序を守るも我ら『復讐者』には変わらぬ事。その理念はアサイラムの獄長であらせられる貴女にもお分かり頂けるのではと」
口八丁であるが一応『復讐者』の理念である事は変わりない。というか獄長はやはり『復讐者』を知っていたようである。
「……バミューダ殿はご壮健ですかな?」
「バミューダなら相変わらずですよ。俺が話す外の世界を毎回楽しげに聞いてくれる」
無言で何かを考えるようにシルビを見つめていたが、不意に動き出したかと思うとその身に機械の鎧を纏い始めた。思わず身構えながらシルビは機械の鎧を纏った獄長を見上げる。
元の獄長の全身の、何倍もの大きさであるそれは彼女がこのアサイラムで獄長を名乗る実力を示すものだろう。
「私はパンドラム・アサイラム獄長。アリス・ネバーヘイワーズなるぞ。職務はこの施設とその規律の死守。いくら『復讐者』が相手とて一切の例外は認められぬ!」
つまり、どうしても『彼』を連れて行きたければ自分を倒して行けということだ。昔こんな感じで義兄を追いかけて脱獄した知り合いがいたなぁと思い出していると、クラウスが武器を構えながら進み出た。
「ブレングリード流血闘術。――推して参る」
「あれ、ここ俺が行く流れじゃねぇ?」
「黙っていろシルビ君! これはライブラの話だ! だからクラウスが行かねばならない」
そう言われたらそうなので何とも言えないが、解せぬ。