―鰓呼吸ブルース―
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レオナルド視点
ツェッドと一緒にやってきたシルビは、水球で頭を覆っているツェッドの姿に爆笑していたレオ達の脇を抜けて、ヴァルハラ社へと向かっていった。
レオが事務所を飛び出した後に何があったのかシルビの歩みは何処かおぼついておらず、けれどもレオは話しかけるのを躊躇した。
今更来たところでお前の出来ることはないだろうと思ったからではないが、どうでもいいとばかりに出来ないと言い切ったシルビを思い出して、声を掛ける気遣いなんて見せられなかった。
ザップが倒した警備員や戦闘サイボーグの残骸に躓きながらエントランスへ向かったシルビは、受付の警備員に銃口を向けられて叫ぶように話しかけられていたが、シルビが何かを言い返しながら何かを渡すと、警備員が顔色を変えて慌てた様子で中へと入っていった。
暫くして畏まった様子の社員らしき男へ促されて、シルビが中へ入っていく後ろ姿が、レオがその時最後に見た姿である。
シルビを置いてギルベルトの運転する車でライブラの事務所へ戻って、逆環境問題テロの掃討から帰ってきていたクラウス達に少しだけのお怒りと労いの言葉を掛けられて。
色々あったが今日はもう全員お疲れさまと解散を言い渡されて、アパートへ帰ろうとしてレオはツェッドの水槽から剥がしてしまった新年会のチラシの事を思い出した。
「あー、謝んなきゃ」
シルビの冷淡な態度に、グシャグシャに丸めて投げてもしまったチラシだ。いっそのこと新しいチラシをわたしたほうがいいかなと事務所の中へ戻り、執務室の扉を少し押し開いたところで、執務室の中へ炎の輪が燃え上がったのに気付いてレオは思わず隠れてしまった。
炎の輪から出てきたのは案の定シルビで、背後で消える炎の輪に疲れ切ったようなため息を吐いたシルビは、レオに気付いた様子もなくツェッドの水槽がある温室へと向かっていく。
温室の扉が閉められたのを確認し、レオは執務室に侵入してその扉を僅かに開けて温室を覗き込んだ。シルビが水槽の中にいるツェッドへ近づいていくのが見える。
「体調はぁ?」
「大丈夫です。シルビさんこそ大丈夫ですか」
「出来れば今すぐ休みてぇけど、話を聞いてもらう約束だったから」
ギルベルトが置いておいたのだろう棚の上のタオルを手に取ったシルビが、それを肩へ掛けながら水槽の上部へ到る為の階段へ腰を下ろす。寒いのかくしゃみをする姿に、そう言えばエアギルスを奪われたツェッドを見つけて駆けつけて来た時からシルビは薄着のままである。
そんな状態のまま、こんな夜遅くに何の話をするつもりなのだろうかと気になって、レオは扉越しに耳を澄ませた。
ツェッドと一緒にやってきたシルビは、水球で頭を覆っているツェッドの姿に爆笑していたレオ達の脇を抜けて、ヴァルハラ社へと向かっていった。
レオが事務所を飛び出した後に何があったのかシルビの歩みは何処かおぼついておらず、けれどもレオは話しかけるのを躊躇した。
今更来たところでお前の出来ることはないだろうと思ったからではないが、どうでもいいとばかりに出来ないと言い切ったシルビを思い出して、声を掛ける気遣いなんて見せられなかった。
ザップが倒した警備員や戦闘サイボーグの残骸に躓きながらエントランスへ向かったシルビは、受付の警備員に銃口を向けられて叫ぶように話しかけられていたが、シルビが何かを言い返しながら何かを渡すと、警備員が顔色を変えて慌てた様子で中へと入っていった。
暫くして畏まった様子の社員らしき男へ促されて、シルビが中へ入っていく後ろ姿が、レオがその時最後に見た姿である。
シルビを置いてギルベルトの運転する車でライブラの事務所へ戻って、逆環境問題テロの掃討から帰ってきていたクラウス達に少しだけのお怒りと労いの言葉を掛けられて。
色々あったが今日はもう全員お疲れさまと解散を言い渡されて、アパートへ帰ろうとしてレオはツェッドの水槽から剥がしてしまった新年会のチラシの事を思い出した。
「あー、謝んなきゃ」
シルビの冷淡な態度に、グシャグシャに丸めて投げてもしまったチラシだ。いっそのこと新しいチラシをわたしたほうがいいかなと事務所の中へ戻り、執務室の扉を少し押し開いたところで、執務室の中へ炎の輪が燃え上がったのに気付いてレオは思わず隠れてしまった。
炎の輪から出てきたのは案の定シルビで、背後で消える炎の輪に疲れ切ったようなため息を吐いたシルビは、レオに気付いた様子もなくツェッドの水槽がある温室へと向かっていく。
温室の扉が閉められたのを確認し、レオは執務室に侵入してその扉を僅かに開けて温室を覗き込んだ。シルビが水槽の中にいるツェッドへ近づいていくのが見える。
「体調はぁ?」
「大丈夫です。シルビさんこそ大丈夫ですか」
「出来れば今すぐ休みてぇけど、話を聞いてもらう約束だったから」
ギルベルトが置いておいたのだろう棚の上のタオルを手に取ったシルビが、それを肩へ掛けながら水槽の上部へ到る為の階段へ腰を下ろす。寒いのかくしゃみをする姿に、そう言えばエアギルスを奪われたツェッドを見つけて駆けつけて来た時からシルビは薄着のままである。
そんな状態のまま、こんな夜遅くに何の話をするつもりなのだろうかと気になって、レオは扉越しに耳を澄ませた。