原作前日常編
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ロー視点
裏口か中庭に繋がる廊下なのか右手側には窓が並ぶ廊下を抜けた先の部屋で、刀を抱えた使用人を見つけた。部屋へ入っていくのを追いかけてその部屋のドアを開ければ、そこは物置だと知れる。
だが普通の物置ではない。
「うわぁ、金貨いっぱい!」
「どうせだからポケットに詰め込んどけ」
コニーの言う通りここは宝石や金で出来た置物など、金目の物が雑多に集めて置かれていた。おそらく宝物庫に分類されるのだろうが、それにしては場所が変だ。
普通宝物庫などはもっと人が行き来しにくい場所で、屋敷の主だけが来られる場所なのではと思う。けれどもその疑問は部屋の中にいた奴等のお陰で簡単に判明した。
追って来ている者など居ないと思っていたらしく、ローとコニーを見て驚いている使用人達の手元には、金貨を詰めている途中の袋。その袋が小汚いものである時点で誰が用意したのかは分かる。
つまりこの部屋は、美貌にしか興味の無い女領主の目を掻い潜って集めた財産の在り処だ。女領主の横暴を黙認する使用人は、やはり腐っているらしい。それともそれに気付けない女領主が愚かだという話か。
「“ROOM”」
手を上げて能力を解放し半円状の幕を広げる。隣で金貨を掴んでいたコニーや使用人達が、彼等にとっては得体の知れないものであるその膜へ怯えた表情を浮かべた。けれどもすぐには何かが起こる様子ではないと判断した使用人の一人が、舐め腐った笑い声を上げながら、近くにあった装飾過多でどう見ても実用には向かない曲刀を振り上げて襲い掛かってくる。
「“シャンブルス”」
その身体を遠慮なく解し、近くにあった置物と入れ替えさせてもらった。視界がいきなり変わったことに足を止めた男が、自身の視界に首の無い自分の身体がある事に気付いて悲鳴を上げる。
鬼哭を持っていればもっと楽なのだが、と視線を未だに鬼哭を抱えている使用人に向ければ、顔を面白い程に青くしていた。もっともそれはコニーも同じなのだが。
目の前で首と身体が離れ離れになるという光景を見たコニーは、悲鳴を上げる余裕さえなく驚いている。しかしそれを行なった張本人であるローの足にしがみ付いている辺り、怖くは無いのかと感心した。
実のところ、コニーはローがそれを行なったと気付いておらず、ここまで一緒に来たことで信用しつつある相手にしがみ付いているだけなのだが。
「気を楽にしてりゃすぐに終わる。鬼哭を返してくれりゃもっと早いがな」
ただし、鬼哭が返ってきたら手加減もしない。
裏口か中庭に繋がる廊下なのか右手側には窓が並ぶ廊下を抜けた先の部屋で、刀を抱えた使用人を見つけた。部屋へ入っていくのを追いかけてその部屋のドアを開ければ、そこは物置だと知れる。
だが普通の物置ではない。
「うわぁ、金貨いっぱい!」
「どうせだからポケットに詰め込んどけ」
コニーの言う通りここは宝石や金で出来た置物など、金目の物が雑多に集めて置かれていた。おそらく宝物庫に分類されるのだろうが、それにしては場所が変だ。
普通宝物庫などはもっと人が行き来しにくい場所で、屋敷の主だけが来られる場所なのではと思う。けれどもその疑問は部屋の中にいた奴等のお陰で簡単に判明した。
追って来ている者など居ないと思っていたらしく、ローとコニーを見て驚いている使用人達の手元には、金貨を詰めている途中の袋。その袋が小汚いものである時点で誰が用意したのかは分かる。
つまりこの部屋は、美貌にしか興味の無い女領主の目を掻い潜って集めた財産の在り処だ。女領主の横暴を黙認する使用人は、やはり腐っているらしい。それともそれに気付けない女領主が愚かだという話か。
「“ROOM”」
手を上げて能力を解放し半円状の幕を広げる。隣で金貨を掴んでいたコニーや使用人達が、彼等にとっては得体の知れないものであるその膜へ怯えた表情を浮かべた。けれどもすぐには何かが起こる様子ではないと判断した使用人の一人が、舐め腐った笑い声を上げながら、近くにあった装飾過多でどう見ても実用には向かない曲刀を振り上げて襲い掛かってくる。
「“シャンブルス”」
その身体を遠慮なく解し、近くにあった置物と入れ替えさせてもらった。視界がいきなり変わったことに足を止めた男が、自身の視界に首の無い自分の身体がある事に気付いて悲鳴を上げる。
鬼哭を持っていればもっと楽なのだが、と視線を未だに鬼哭を抱えている使用人に向ければ、顔を面白い程に青くしていた。もっともそれはコニーも同じなのだが。
目の前で首と身体が離れ離れになるという光景を見たコニーは、悲鳴を上げる余裕さえなく驚いている。しかしそれを行なった張本人であるローの足にしがみ付いている辺り、怖くは無いのかと感心した。
実のところ、コニーはローがそれを行なったと気付いておらず、ここまで一緒に来たことで信用しつつある相手にしがみ付いているだけなのだが。
「気を楽にしてりゃすぐに終わる。鬼哭を返してくれりゃもっと早いがな」
ただし、鬼哭が返ってきたら手加減もしない。