原作前日常編
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夢主視点
三階の寝室から再び窓の外へ出て、そこから下へ降りるのではなく壁の取っ掛かりを渡って隣の部屋の窓へと移動する。この屋敷にはテラスというものが無いのかと思ったが、方角的にシルビのいる壁側に無いだけだろう。という事は建造物の造り的にこちら側にある部屋というのは、書斎や書庫の様な場所である可能性が高い。
領主の屋敷だというのならそういう部屋があって当然だと予想し覗き込んだ部屋は、カーテンが引かれていたがその隙間から見える家具に予想通りだと確信する。窓を割ったら音で気付かれる可能性があるので、壁を拒絶してすり抜けさせてもらった。
鍵を開けて開いた窓から部屋の中へ侵入すればそこはやはり書斎で、しかし長いこと使われていないのか机の上には埃が薄く降り積もっている。下手に触ると手の跡が残りそうだ。
どうやらこの書斎は亡くなった領主の部屋なのだろう。その妻は領主の任を継いでもこの部屋を使っていないらしい。
換金したら高値で売れそうな文具や本もあったが、今の目的は盗みではないのでそれらは無視し、廊下へ出る為の扉へと近付き外の様子を窺う。廊下に人気はなく誰かが通る様子も無い。
そのまま外へ出て下へ降りる為の階段を探す。隠し部屋や隠し通路がある気配はしないので、探索は楽そうだった。
階段を見つけ二階を無視し一階へと降りる。そこから今度は人の気配を探って使用人が居そうな場所への侵入を目指す。
「……くっせぇ」
一階へ降りて客や屋敷の主人であれ普通なら足を踏み入れない使用人用のスペースに至ると、鼻が曲がりそうな程の濃い血の匂いが充満していた。日頃からこの匂いの中で生活しているというのであれば、確実に鼻が馬鹿になっているだろうし身体にだってこの匂いが染み付いていそうだ。
匂いを追っていく、という手も匂いが酷すぎて使えそうに無い。
コニーを置いてきて正解だったなと思ったところで、部屋の一つから使用人らしい男が出てきたので身を隠した。持っているランプからして屋敷の見回りだろう。
その男がシルビの居る方向へ歩いてきたので、息を殺して近付くのを待ち、隠れている直ぐ横を通り抜けようとしたところを拘束して口を塞ぎ、目の前にナイフをちらつかせた。
「俺の質問に答えねぇ。煩く騒ぐ。無駄な抵抗をする。その三つ以外にも俺の機嫌を悪くさせたら、お前の命は無ぇと思えぇ」
利口らしく怯えながらも騒がず暴れず頷いた使用人の男に、まずは何から聞こうかと少し考える。
三階の寝室から再び窓の外へ出て、そこから下へ降りるのではなく壁の取っ掛かりを渡って隣の部屋の窓へと移動する。この屋敷にはテラスというものが無いのかと思ったが、方角的にシルビのいる壁側に無いだけだろう。という事は建造物の造り的にこちら側にある部屋というのは、書斎や書庫の様な場所である可能性が高い。
領主の屋敷だというのならそういう部屋があって当然だと予想し覗き込んだ部屋は、カーテンが引かれていたがその隙間から見える家具に予想通りだと確信する。窓を割ったら音で気付かれる可能性があるので、壁を拒絶してすり抜けさせてもらった。
鍵を開けて開いた窓から部屋の中へ侵入すればそこはやはり書斎で、しかし長いこと使われていないのか机の上には埃が薄く降り積もっている。下手に触ると手の跡が残りそうだ。
どうやらこの書斎は亡くなった領主の部屋なのだろう。その妻は領主の任を継いでもこの部屋を使っていないらしい。
換金したら高値で売れそうな文具や本もあったが、今の目的は盗みではないのでそれらは無視し、廊下へ出る為の扉へと近付き外の様子を窺う。廊下に人気はなく誰かが通る様子も無い。
そのまま外へ出て下へ降りる為の階段を探す。隠し部屋や隠し通路がある気配はしないので、探索は楽そうだった。
階段を見つけ二階を無視し一階へと降りる。そこから今度は人の気配を探って使用人が居そうな場所への侵入を目指す。
「……くっせぇ」
一階へ降りて客や屋敷の主人であれ普通なら足を踏み入れない使用人用のスペースに至ると、鼻が曲がりそうな程の濃い血の匂いが充満していた。日頃からこの匂いの中で生活しているというのであれば、確実に鼻が馬鹿になっているだろうし身体にだってこの匂いが染み付いていそうだ。
匂いを追っていく、という手も匂いが酷すぎて使えそうに無い。
コニーを置いてきて正解だったなと思ったところで、部屋の一つから使用人らしい男が出てきたので身を隠した。持っているランプからして屋敷の見回りだろう。
その男がシルビの居る方向へ歩いてきたので、息を殺して近付くのを待ち、隠れている直ぐ横を通り抜けようとしたところを拘束して口を塞ぎ、目の前にナイフをちらつかせた。
「俺の質問に答えねぇ。煩く騒ぐ。無駄な抵抗をする。その三つ以外にも俺の機嫌を悪くさせたら、お前の命は無ぇと思えぇ」
利口らしく怯えながらも騒がず暴れず頷いた使用人の男に、まずは何から聞こうかと少し考える。