原作前日常編
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夢主視点
「そうだな」
船長はシルビの言葉を肯定して口角を上げた。
それが負け惜しみなのか単なる強がりなのかは分からなかったが、こすれて赤くなっている手首から離した手で船長の首に触れる。
海楼石に繋がれていようとその脈動は正常だ。能力者の能力を制限するだけなので心拍などまで制限されては堪ったものではないが。
「今ここで殺されてみます? 下らねぇ罠に引っかかった海賊として」
これでも賞金が懸かっている海賊の一人なので、一介の島の領主、それも女が実力で手錠を嵌めさせるなんて事は無理に等しいだろう。となれば考えられるのは自分で嵌めたか罠に掛かったかだ。
そして彼は自分から拘束される事を望むような者ではない。だとすればこの状況は罠に架かったということで。
やんわりと首を絞める手に力を込める。その感覚にピクリと眉を潜めた船長はしかし、何も言わない。
暫く互いに無言で睨み合って、先に口を開いたのは船長だった。
「そしたらお前は後追いでもしてくれるのか?」
ニヤニヤと勝ち誇ったように言うものだから、シルビは船長から視線を逸らしてからその首より手を離す。
こういう時だけはシルビの考えを上手く読む男である。
「生憎自殺は許されていねぇので、もう少し航海を続けましょう」
「その船にお前は乗ってろよ」
首から離した手で船長の頬を抓って振り返ると、コニーがどうすればいいのか困り果てて所体無さげに立っていた。シルビの妙な反省に付き合わせてしまったなと思いつつ、コニーを手招いて傍に来させる。
必要なのは船長の手を拘束している海楼石の手錠の鍵。それから一緒に来ていたはずのシャチ達の安否と、出来れば船長の愛刀である鬼哭と帽子の奪還か。
「コニー、君に重要な仕事を任せてもいいかなぁ?」
「な、なに?」
「手錠の鍵を手に入れて、この馬鹿に渡すだけの簡単なお仕事です」
「フェンフィン」
変な呼び方にそういえばまだ頬を抓ったままだったと思い出して手を離す。もしかしたら赤くなってしまっているかもしれないが、その辺は簡単に捕まってしまった罰ということで。
「そうですね。言い直します。この馬鹿へ渡すだけでも難易度高けぇお仕事です。出来ねぇなら他の事を頼むけど……」
「で、出来るし!」
出来ないと言ったら、鍵よりは難易度の低い鬼哭と帽子探しに行ってもらおうと思ったのだが、コニーは虚勢を張ってもいたが出来ると返事をした。それならシルビはシャチ達を探しにいける。
「それじゃ船長、コニーを残していきますが自分の身は自分で守ってください」
「無理だろ」
「まぁ、従順にしてれば命だけは大丈夫だと思いますけど……想像したくねぇなぁ」
「何を?」
「コニーはまだ知らなくていいことだなぁ。出来るだけ早く助けに来ます」
「不穏な言葉を残していくな!」
「そうだな」
船長はシルビの言葉を肯定して口角を上げた。
それが負け惜しみなのか単なる強がりなのかは分からなかったが、こすれて赤くなっている手首から離した手で船長の首に触れる。
海楼石に繋がれていようとその脈動は正常だ。能力者の能力を制限するだけなので心拍などまで制限されては堪ったものではないが。
「今ここで殺されてみます? 下らねぇ罠に引っかかった海賊として」
これでも賞金が懸かっている海賊の一人なので、一介の島の領主、それも女が実力で手錠を嵌めさせるなんて事は無理に等しいだろう。となれば考えられるのは自分で嵌めたか罠に掛かったかだ。
そして彼は自分から拘束される事を望むような者ではない。だとすればこの状況は罠に架かったということで。
やんわりと首を絞める手に力を込める。その感覚にピクリと眉を潜めた船長はしかし、何も言わない。
暫く互いに無言で睨み合って、先に口を開いたのは船長だった。
「そしたらお前は後追いでもしてくれるのか?」
ニヤニヤと勝ち誇ったように言うものだから、シルビは船長から視線を逸らしてからその首より手を離す。
こういう時だけはシルビの考えを上手く読む男である。
「生憎自殺は許されていねぇので、もう少し航海を続けましょう」
「その船にお前は乗ってろよ」
首から離した手で船長の頬を抓って振り返ると、コニーがどうすればいいのか困り果てて所体無さげに立っていた。シルビの妙な反省に付き合わせてしまったなと思いつつ、コニーを手招いて傍に来させる。
必要なのは船長の手を拘束している海楼石の手錠の鍵。それから一緒に来ていたはずのシャチ達の安否と、出来れば船長の愛刀である鬼哭と帽子の奪還か。
「コニー、君に重要な仕事を任せてもいいかなぁ?」
「な、なに?」
「手錠の鍵を手に入れて、この馬鹿に渡すだけの簡単なお仕事です」
「フェンフィン」
変な呼び方にそういえばまだ頬を抓ったままだったと思い出して手を離す。もしかしたら赤くなってしまっているかもしれないが、その辺は簡単に捕まってしまった罰ということで。
「そうですね。言い直します。この馬鹿へ渡すだけでも難易度高けぇお仕事です。出来ねぇなら他の事を頼むけど……」
「で、出来るし!」
出来ないと言ったら、鍵よりは難易度の低い鬼哭と帽子探しに行ってもらおうと思ったのだが、コニーは虚勢を張ってもいたが出来ると返事をした。それならシルビはシャチ達を探しにいける。
「それじゃ船長、コニーを残していきますが自分の身は自分で守ってください」
「無理だろ」
「まぁ、従順にしてれば命だけは大丈夫だと思いますけど……想像したくねぇなぁ」
「何を?」
「コニーはまだ知らなくていいことだなぁ。出来るだけ早く助けに来ます」
「不穏な言葉を残していくな!」