原作前日常編
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ロー視点
女顔であるせいか、シルビはロー達と一緒に襲撃を受けると大抵真っ先に狙われる。大方弱いと思われているのだろうが、実のところシルビは既に賞金が掛っていてもおかしく無い程度には強かった。
小島で薬師をしていただけの人間が、どうしてそうも強いのかと聞いたことは無かったが、尋ねたところでシルビは言いそうに無い。
それでも毎回自分にばかり敵が向かってくるのが嫌になったのか、ある島で停泊していた時、シルビは街で帽子を買ってきた。
「他の帽子は無かったのかよ」
「目出し帽は嫌だったんだぁ。サングラスも考えたが、ありゃ視界が暗くなって駄目だぁ」
そう言うシルビの頭には頭全体を覆うほどに大きい帽子が被せられ、特徴的な黒い長髪も紫の瞳も隠れている。耳も覆われており、辛うじて口元が出ているだけのデザインはなるほど顔を隠すのには適しているだろう。
だがしかし、ツバの上に書かれている『PENGUIN』の文字はなんなのだろうか。
シルビはツバを押さえて角度の調整はしているが、頭上のその文字を気にした様子はない。もしかしたら気付いていないのかとも思ったが、こんな帽子とはいえ自分で選んで買ったのだから、それに気付いていないなんて事も無いはずだ。
本人がそれでいいと言うのなら、ローには自分も帽子を愛用しているのだから何も言うつもりはないが、それにしても気になる。
「……その文字」
「あ、これかぁ? 気になるだろ?」
「ワザとか」
「コレがあると視線がこの文字に行くから、俺を思い出すような事になった時、こればっかりが印象に残ってて思い出し辛れぇだろぉ。覚えられたところで俺の名前じゃねぇし。支障は無ぇよ」
満足そうに笑っていたものの、後に新しいクルーが参入して来た時に、シルビは名前が『ペンギン』だと勘違いされた。それが後々も何度も続き、果てには自分から『シルビ』と名乗ることは無くなり、『ペンギン』と呼ばれたら反応するということ繰り返すようになる。
シルビと同時期か参入前から居たバンダナも冗談半分で『ペンギン』と呼ぶようになり、ハートの海賊団が安定した頃には、既に『シルビ』の名前を知っているのはローとバンダナ、それからワカメだけになってしまった。
ちなみに、ローが冗談半分で『オレ以外に素顔を見せるな』と言ってみたところ、数年経っても律儀に守っている。
「なーペンギン、暑くね?」
「……寒ぃよりはいいだろぉ?」
「バッカ、その程度じゃ帽子脱ぐわけねーって!」
「マジ素顔どうなってんの?」
そんな会話をしている場面を見る度に、ローは笑いを堪えるしかなかった。
女顔であるせいか、シルビはロー達と一緒に襲撃を受けると大抵真っ先に狙われる。大方弱いと思われているのだろうが、実のところシルビは既に賞金が掛っていてもおかしく無い程度には強かった。
小島で薬師をしていただけの人間が、どうしてそうも強いのかと聞いたことは無かったが、尋ねたところでシルビは言いそうに無い。
それでも毎回自分にばかり敵が向かってくるのが嫌になったのか、ある島で停泊していた時、シルビは街で帽子を買ってきた。
「他の帽子は無かったのかよ」
「目出し帽は嫌だったんだぁ。サングラスも考えたが、ありゃ視界が暗くなって駄目だぁ」
そう言うシルビの頭には頭全体を覆うほどに大きい帽子が被せられ、特徴的な黒い長髪も紫の瞳も隠れている。耳も覆われており、辛うじて口元が出ているだけのデザインはなるほど顔を隠すのには適しているだろう。
だがしかし、ツバの上に書かれている『PENGUIN』の文字はなんなのだろうか。
シルビはツバを押さえて角度の調整はしているが、頭上のその文字を気にした様子はない。もしかしたら気付いていないのかとも思ったが、こんな帽子とはいえ自分で選んで買ったのだから、それに気付いていないなんて事も無いはずだ。
本人がそれでいいと言うのなら、ローには自分も帽子を愛用しているのだから何も言うつもりはないが、それにしても気になる。
「……その文字」
「あ、これかぁ? 気になるだろ?」
「ワザとか」
「コレがあると視線がこの文字に行くから、俺を思い出すような事になった時、こればっかりが印象に残ってて思い出し辛れぇだろぉ。覚えられたところで俺の名前じゃねぇし。支障は無ぇよ」
満足そうに笑っていたものの、後に新しいクルーが参入して来た時に、シルビは名前が『ペンギン』だと勘違いされた。それが後々も何度も続き、果てには自分から『シルビ』と名乗ることは無くなり、『ペンギン』と呼ばれたら反応するということ繰り返すようになる。
シルビと同時期か参入前から居たバンダナも冗談半分で『ペンギン』と呼ぶようになり、ハートの海賊団が安定した頃には、既に『シルビ』の名前を知っているのはローとバンダナ、それからワカメだけになってしまった。
ちなみに、ローが冗談半分で『オレ以外に素顔を見せるな』と言ってみたところ、数年経っても律儀に守っている。
「なーペンギン、暑くね?」
「……寒ぃよりはいいだろぉ?」
「バッカ、その程度じゃ帽子脱ぐわけねーって!」
「マジ素顔どうなってんの?」
そんな会話をしている場面を見る度に、ローは笑いを堪えるしかなかった。