原作前日常編
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バンダナ視点
町の大通りは人が居るものの、何となく違和感を覚えた。別に海兵が大手を振って闊歩しているとか、バンダナ達以外の海賊が停留している様子も無いのだが、しかつめらしい雰囲気が蔓延している。
店は開いているし客も居るのだが、活気があまり無いような気がして落ち着かない。
目ぼしい物が無かったらしい本屋を船長と後にして、船長に付き合ってもらいつつ消耗品の私物を買いに行く。
バンダナの私物で一番大切な煙草は船長やペンギンは吸っている事にいい顔をしないものの、無理矢理禁煙をさせるなんて事も無いので好きに吸わせてもらっている。それでも二人に出会う前よりは一日に吸う本数が減っているのだが。
煙草だけを扱っている専門店を見つけたので入れば、カウンターに座って煙草を咥え、新聞を読んでいた店長らしい老人が目付きも鋭くバンダナ達を一瞥した。
「……あんた等、海賊か」
「接客より質問が先か。フレンドリーだな」
「煙草なら好きなの選んで金を置いていけ。んでもってさっさと島を出て行くんだな」
老人の言葉は無碍も無い。バンダナも居心地の悪さを感じつつ目当ての銘柄を探す。何処でも売っている安物を愛煙しているのでそれはすぐに見つかった。
カウンターへそれを置こうとすると、脇から船長がそれを掻っ攫ってカウンターへ置く。新聞から目を離そうとしない老人へ向け、カウンターへ身を乗り出す。
「そう言われて、ハイそうですかと出て行けねえな」
「老いぼれの忠告は聞くもんだ」
「ならそれなりの理由も教えろ」
老人が顔を上げ、煙草を指で摘んだ。マジマジと値踏みするように船長とバンダナを見やり、それから船長へ視線を定める。
船長が賞金首だと知っている眼ではない。老人の雰囲気はもっと別のモノを警戒している。
それが港よりも濃く感じられる血の匂いの原因か。
暫しの睨み合いの後先に折れたのは老人の方で、煙草を灰皿でもみ消しながら新聞を置いた。
「この町には吸血鬼が居るのさ」
店の外がにわかに騒がしくなる。何事かと視線をそちらへ向ければ煙草専門店なくせにショーウィンドウのガラスの向こうに、馬車が停まっていた。
馬を操る御者の格好からしても馬車に乗っているのは金持ちか貴族か。馬車の窓が僅かに開けられるのに、カウンターの向こうの老人が姿を隠すように再び新聞を広げる。
気付けば通りに人の姿が見えない。あるのは馬車だけという状態で、馬車の昇降口が開かれる。
馬車から出てきたのは、豊満な体つきの女性だった。
町の大通りは人が居るものの、何となく違和感を覚えた。別に海兵が大手を振って闊歩しているとか、バンダナ達以外の海賊が停留している様子も無いのだが、しかつめらしい雰囲気が蔓延している。
店は開いているし客も居るのだが、活気があまり無いような気がして落ち着かない。
目ぼしい物が無かったらしい本屋を船長と後にして、船長に付き合ってもらいつつ消耗品の私物を買いに行く。
バンダナの私物で一番大切な煙草は船長やペンギンは吸っている事にいい顔をしないものの、無理矢理禁煙をさせるなんて事も無いので好きに吸わせてもらっている。それでも二人に出会う前よりは一日に吸う本数が減っているのだが。
煙草だけを扱っている専門店を見つけたので入れば、カウンターに座って煙草を咥え、新聞を読んでいた店長らしい老人が目付きも鋭くバンダナ達を一瞥した。
「……あんた等、海賊か」
「接客より質問が先か。フレンドリーだな」
「煙草なら好きなの選んで金を置いていけ。んでもってさっさと島を出て行くんだな」
老人の言葉は無碍も無い。バンダナも居心地の悪さを感じつつ目当ての銘柄を探す。何処でも売っている安物を愛煙しているのでそれはすぐに見つかった。
カウンターへそれを置こうとすると、脇から船長がそれを掻っ攫ってカウンターへ置く。新聞から目を離そうとしない老人へ向け、カウンターへ身を乗り出す。
「そう言われて、ハイそうですかと出て行けねえな」
「老いぼれの忠告は聞くもんだ」
「ならそれなりの理由も教えろ」
老人が顔を上げ、煙草を指で摘んだ。マジマジと値踏みするように船長とバンダナを見やり、それから船長へ視線を定める。
船長が賞金首だと知っている眼ではない。老人の雰囲気はもっと別のモノを警戒している。
それが港よりも濃く感じられる血の匂いの原因か。
暫しの睨み合いの後先に折れたのは老人の方で、煙草を灰皿でもみ消しながら新聞を置いた。
「この町には吸血鬼が居るのさ」
店の外がにわかに騒がしくなる。何事かと視線をそちらへ向ければ煙草専門店なくせにショーウィンドウのガラスの向こうに、馬車が停まっていた。
馬を操る御者の格好からしても馬車に乗っているのは金持ちか貴族か。馬車の窓が僅かに開けられるのに、カウンターの向こうの老人が姿を隠すように再び新聞を広げる。
気付けば通りに人の姿が見えない。あるのは馬車だけという状態で、馬車の昇降口が開かれる。
馬車から出てきたのは、豊満な体つきの女性だった。