原作前日常編
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夢主視点
停泊している島で防寒帽もツナギも脱いで散歩をしていると、人気のない入り江の砂浜で青い火の不死鳥を見つけた。不死鳥が水に浸かっているなんて余程の馬鹿かと近付いてみると、好んで浸かっている風でもなかったので持ち上げて救出する。
今のトリトリの実の不死鳥モデルは、シルビの記憶では白ひげ海賊団にいる男が食べていた筈なので、おそらくこれは野生の不死鳥なのだろう。白ひげ海賊団の者がグランドラインとはいえこの辺りにいるとは思えなかった。
この世界には希少かつ絶滅寸前だが確かに不死鳥はいる。あまり人の立ち行かない場所へ生息しているのでいない物と思われているが、生息地へ行けたなら予想よりカラフルな光景が見られるのだ。
びしょ濡れになっている不死鳥を抱いたまま岩場へ移動し、そこで腰を降ろしてハンカチで顔を拭ってやる。眼鏡の様な模様と眠たげな眼がシルビを見たので、害を向ける気はないと微笑んでやれば目を逸らされた。
少し残念に思いつつ顔を拭いたハンカチでそのまま身体に付いている水滴も拭ってやる。不死鳥に水分は好ましくない。ついでに何処か怪我をしていないかと確かめていけば、右翼の付け根の辺りに荒れた炎の動きがあった。
中に異物があるから再生してもそれのせいで完全に再生できず、それ故に炎がそこだけ荒れ動いているのだろう。その箇所を押すように確かめると中の異物が僅かに見える。
「弾が残ってんのかぁ」
不死鳥は傷口を触られて嫌そうにしていた。けれども自力では取り出せないだろう。かといって治療道具のあるハートの船へ連れて行くのも、船長やクルー達に何か言われそうで遠慮したい。
「この深さなら取れるかなぁ」
異物が更に奥へ入り込む前に取った方が良いだろうと判断し、左手の指を鳴らして嵐の炎を灯す。途端に不死鳥が驚いたのか暴れだしシルビの膝から落ちかけた。
慌てて炎を消して抱きかかえる。
「ごめんごめん。驚いたなぁ。大丈夫だから。弾を取り除くだけだってぇ。お前仲間の火は大丈夫だろうになんで俺の火は怖がるんだぁ?」
宥めるように背中や頭を撫でてやりながら話しかければ、不死鳥は理解しているのかしていないのか。
不死鳥は知能が高いので理解はしているだろうが、見た目だけでは成鳥かどうか分からないのがネックだ。見た目が成鳥でも年齢は若々しいというのもいるし。
「お前も不死鳥なら分かるだろぉ? 俺が『何』なのか……駄目だお前若けぇなぁ」
首を傾げる不死鳥に、若くてシルビが『大いなる全知の亜種』だと分からないらしいと判断する。
停泊している島で防寒帽もツナギも脱いで散歩をしていると、人気のない入り江の砂浜で青い火の不死鳥を見つけた。不死鳥が水に浸かっているなんて余程の馬鹿かと近付いてみると、好んで浸かっている風でもなかったので持ち上げて救出する。
今のトリトリの実の不死鳥モデルは、シルビの記憶では白ひげ海賊団にいる男が食べていた筈なので、おそらくこれは野生の不死鳥なのだろう。白ひげ海賊団の者がグランドラインとはいえこの辺りにいるとは思えなかった。
この世界には希少かつ絶滅寸前だが確かに不死鳥はいる。あまり人の立ち行かない場所へ生息しているのでいない物と思われているが、生息地へ行けたなら予想よりカラフルな光景が見られるのだ。
びしょ濡れになっている不死鳥を抱いたまま岩場へ移動し、そこで腰を降ろしてハンカチで顔を拭ってやる。眼鏡の様な模様と眠たげな眼がシルビを見たので、害を向ける気はないと微笑んでやれば目を逸らされた。
少し残念に思いつつ顔を拭いたハンカチでそのまま身体に付いている水滴も拭ってやる。不死鳥に水分は好ましくない。ついでに何処か怪我をしていないかと確かめていけば、右翼の付け根の辺りに荒れた炎の動きがあった。
中に異物があるから再生してもそれのせいで完全に再生できず、それ故に炎がそこだけ荒れ動いているのだろう。その箇所を押すように確かめると中の異物が僅かに見える。
「弾が残ってんのかぁ」
不死鳥は傷口を触られて嫌そうにしていた。けれども自力では取り出せないだろう。かといって治療道具のあるハートの船へ連れて行くのも、船長やクルー達に何か言われそうで遠慮したい。
「この深さなら取れるかなぁ」
異物が更に奥へ入り込む前に取った方が良いだろうと判断し、左手の指を鳴らして嵐の炎を灯す。途端に不死鳥が驚いたのか暴れだしシルビの膝から落ちかけた。
慌てて炎を消して抱きかかえる。
「ごめんごめん。驚いたなぁ。大丈夫だから。弾を取り除くだけだってぇ。お前仲間の火は大丈夫だろうになんで俺の火は怖がるんだぁ?」
宥めるように背中や頭を撫でてやりながら話しかければ、不死鳥は理解しているのかしていないのか。
不死鳥は知能が高いので理解はしているだろうが、見た目だけでは成鳥かどうか分からないのがネックだ。見た目が成鳥でも年齢は若々しいというのもいるし。
「お前も不死鳥なら分かるだろぉ? 俺が『何』なのか……駄目だお前若けぇなぁ」
首を傾げる不死鳥に、若くてシルビが『大いなる全知の亜種』だと分からないらしいと判断する。