原作前日常編
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マルコ視点
ああしまったと思った時には海の中で、気が付いた時は何処かの島の砂浜に流れ着いていた。海に浸かっている状態のせいか、不死鳥の姿から人の姿へ戻ることも出来ない。
いや、それは体内へ残る銃弾のせいだろう。海楼石で作られた銃弾かただの欠片か、それが体内から取り出されるまでは人の姿に戻れないかもしれない。
せめて海からは出ようと、脱力感だけが理由ではなく動かしにくい体を動かす。それだけで疲れ切ってしまうのだから、能力者というのは本当に因果な生き物だ。
休み休み体を砂浜へ這い上げて疲れていたせいで、マルコはそれに気付く事が出来なかった。
さく、と砂を踏む音に驚いたマルコの身体が何者かに持ち上げられる。ボタボタと海水と砂を滴らせながら火の鳥である不死鳥を持ち上げたのは、見たことの無い人物だった。
黒い髪が背中で一つに括られ揺れている。吊り眼がちなせいで獰猛そうなだが女顔。特徴としては何よりもその紫の瞳が目立つ。
「不死鳥? あれ、でも今の不死鳥は白ひげの……野生?」
両手でマルコの濡れそぼった身体を持ち上げて観察していたソイツが首を傾げた。其の声からして男なのだろう。
『不死鳥のマルコ』の事は知っているようだが、こんな場所でマルコと遭遇するとは考えていないのか、不死鳥姿のマルコのことを別の悪魔の実とは関係ない不死鳥だと思っているようだった。
お前は野生動物の不死鳥を見たことがあるのかと聞いてみたくなったが、よく考えると青い火で構成されている鳥を何の気構えも無く手を伸ばし持ち上げている。という事はその火では何も燃えない事を知っているのだろう。自然と不死鳥に対する知識があるのだと推測できた。
男はマルコを腕に抱きかかえると歩き出し、近くにあった岩場へ腰を降ろしてハンカチを取り出しマルコの顔についていた海水を拭い取る。そのハンカチで身体も撫でるように拭っていきながら、男はマルコの目を見て微笑んだ。
「野生の不死鳥に会うのは久しぶりだなぁ。弱ってるみてぇだけど怪我は……ん?」
海水を拭いながらマルコの身体を検分していた男の手が銃弾で撃たれた辺りに触れる。海楼石のせいで治らないものの、血が流れ出るのではなく不死鳥の力による再生と、海楼石による能力無効化の破壊が繰り返されているその箇所に、男が眉を潜めた。
「弾が残ってんのかぁ……この深さなら取れるかなぁ」
そう呟いて男が左手で指を鳴らす。途端男の手に赤い炎が燃え上がった事に、マルコは驚いて男の膝から落ちかけた。
ああしまったと思った時には海の中で、気が付いた時は何処かの島の砂浜に流れ着いていた。海に浸かっている状態のせいか、不死鳥の姿から人の姿へ戻ることも出来ない。
いや、それは体内へ残る銃弾のせいだろう。海楼石で作られた銃弾かただの欠片か、それが体内から取り出されるまでは人の姿に戻れないかもしれない。
せめて海からは出ようと、脱力感だけが理由ではなく動かしにくい体を動かす。それだけで疲れ切ってしまうのだから、能力者というのは本当に因果な生き物だ。
休み休み体を砂浜へ這い上げて疲れていたせいで、マルコはそれに気付く事が出来なかった。
さく、と砂を踏む音に驚いたマルコの身体が何者かに持ち上げられる。ボタボタと海水と砂を滴らせながら火の鳥である不死鳥を持ち上げたのは、見たことの無い人物だった。
黒い髪が背中で一つに括られ揺れている。吊り眼がちなせいで獰猛そうなだが女顔。特徴としては何よりもその紫の瞳が目立つ。
「不死鳥? あれ、でも今の不死鳥は白ひげの……野生?」
両手でマルコの濡れそぼった身体を持ち上げて観察していたソイツが首を傾げた。其の声からして男なのだろう。
『不死鳥のマルコ』の事は知っているようだが、こんな場所でマルコと遭遇するとは考えていないのか、不死鳥姿のマルコのことを別の悪魔の実とは関係ない不死鳥だと思っているようだった。
お前は野生動物の不死鳥を見たことがあるのかと聞いてみたくなったが、よく考えると青い火で構成されている鳥を何の気構えも無く手を伸ばし持ち上げている。という事はその火では何も燃えない事を知っているのだろう。自然と不死鳥に対する知識があるのだと推測できた。
男はマルコを腕に抱きかかえると歩き出し、近くにあった岩場へ腰を降ろしてハンカチを取り出しマルコの顔についていた海水を拭い取る。そのハンカチで身体も撫でるように拭っていきながら、男はマルコの目を見て微笑んだ。
「野生の不死鳥に会うのは久しぶりだなぁ。弱ってるみてぇだけど怪我は……ん?」
海水を拭いながらマルコの身体を検分していた男の手が銃弾で撃たれた辺りに触れる。海楼石のせいで治らないものの、血が流れ出るのではなく不死鳥の力による再生と、海楼石による能力無効化の破壊が繰り返されているその箇所に、男が眉を潜めた。
「弾が残ってんのかぁ……この深さなら取れるかなぁ」
そう呟いて男が左手で指を鳴らす。途端男の手に赤い炎が燃え上がった事に、マルコは驚いて男の膝から落ちかけた。