原作前日常編
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夢主視点
先の海上戦で壊滅させた海賊船がそれなりに財宝を積んでいた為、換金しようと船長と一緒に質屋へ向かった。それなりに量があったので換算を店の者が総出で行なっている間、時間潰しに町を散策する事にして歩いていると、ふいに船長が足を止める。
「どうしました?」
「いや、あれワカメだよな?」
言われて指差した方をシルビが見れば、確かにワカメが雑貨屋へ入って行くところだった。
ワカメはベポを抱いていて、入っていった店は雑貨屋である。およそ海賊という脛に傷を持つ者が入るとしてはファンシーな場所だ。それもベポを連れてというのだから尚更変である。
「何かあったか」
「一度船へ戻りますか?」
船へ戻れば何かあったかも分かるだろう。だが船長は顎を引いて店を見つめながら考えているだけで何も言わない。
確かに何か問題があった訳ではなく、単にワカメがベポへ何かを買い与えようとしているだけかも知れない。あまり玩具を買い与えるなとはクルー全員に言ってあるので平気だと思うが、玩具以外ならガンガン与えようとしてしまうのが目の前に居る。
まぁワカメはハートの中でシルビより倹約家なので、買い与えるにしてもあまり高いものではないだろう。それだけは安心できる。
とりあえず何があったのか把握だけでもしておくかと、シルビは自身のこめかみへ手を当てた。『×××』の中から入り用な情報を僅かな頭痛と引き換えに手に入れれば、その平穏さに思わず吹き出してしまう。
「どうした」
「いえ、何でもねぇです」
不思議がる船長には『×××』のことを話していないので、ずっと一緒に居たにも関わらず船での出来事を話しては変に思われる。だからコレはシルビが黙っているしかないことなのだが、ほのぼのとした『事件』に口角が意図せず上がってしまいそうだ。
一応クルー達がせめてベポだけでも叱られないようにと必死であることは分かる。分かるのだがほのぼのとしすぎて本当に海賊なのだろうかとも思えてしまうわけで。
仲良き事は美しきかな。クルーがそうくるのなら協力してやるかと、シルビは未だに雑貨屋の入り口を見つめている船長の腕を引いて歩き出す。
「船長、お土産にクッキー買って帰りましょうか。帰ったらすぐお茶に出来ますから」
「疲れたなら店に入れば……」
「いえ、お茶は帰ってからでいいです」
「……何か企んでねェだろうな?」
「ずっと一緒に居るのに企める訳ねぇでしょう。普通に小腹が空いたけどそれで帰りが遅くなるのが嫌なんです」
「まぁ、いいけどな」
帰ってクルー全員に謝罪され、ベポの選んだカップでココアを飲むことになった船長は何か言いたげな視線をシルビへ向けてきたが、辻褄が合う訳が無いのでスルーした。
先の海上戦で壊滅させた海賊船がそれなりに財宝を積んでいた為、換金しようと船長と一緒に質屋へ向かった。それなりに量があったので換算を店の者が総出で行なっている間、時間潰しに町を散策する事にして歩いていると、ふいに船長が足を止める。
「どうしました?」
「いや、あれワカメだよな?」
言われて指差した方をシルビが見れば、確かにワカメが雑貨屋へ入って行くところだった。
ワカメはベポを抱いていて、入っていった店は雑貨屋である。およそ海賊という脛に傷を持つ者が入るとしてはファンシーな場所だ。それもベポを連れてというのだから尚更変である。
「何かあったか」
「一度船へ戻りますか?」
船へ戻れば何かあったかも分かるだろう。だが船長は顎を引いて店を見つめながら考えているだけで何も言わない。
確かに何か問題があった訳ではなく、単にワカメがベポへ何かを買い与えようとしているだけかも知れない。あまり玩具を買い与えるなとはクルー全員に言ってあるので平気だと思うが、玩具以外ならガンガン与えようとしてしまうのが目の前に居る。
まぁワカメはハートの中でシルビより倹約家なので、買い与えるにしてもあまり高いものではないだろう。それだけは安心できる。
とりあえず何があったのか把握だけでもしておくかと、シルビは自身のこめかみへ手を当てた。『×××』の中から入り用な情報を僅かな頭痛と引き換えに手に入れれば、その平穏さに思わず吹き出してしまう。
「どうした」
「いえ、何でもねぇです」
不思議がる船長には『×××』のことを話していないので、ずっと一緒に居たにも関わらず船での出来事を話しては変に思われる。だからコレはシルビが黙っているしかないことなのだが、ほのぼのとした『事件』に口角が意図せず上がってしまいそうだ。
一応クルー達がせめてベポだけでも叱られないようにと必死であることは分かる。分かるのだがほのぼのとしすぎて本当に海賊なのだろうかとも思えてしまうわけで。
仲良き事は美しきかな。クルーがそうくるのなら協力してやるかと、シルビは未だに雑貨屋の入り口を見つめている船長の腕を引いて歩き出す。
「船長、お土産にクッキー買って帰りましょうか。帰ったらすぐお茶に出来ますから」
「疲れたなら店に入れば……」
「いえ、お茶は帰ってからでいいです」
「……何か企んでねェだろうな?」
「ずっと一緒に居るのに企める訳ねぇでしょう。普通に小腹が空いたけどそれで帰りが遅くなるのが嫌なんです」
「まぁ、いいけどな」
帰ってクルー全員に謝罪され、ベポの選んだカップでココアを飲むことになった船長は何か言いたげな視線をシルビへ向けてきたが、辻褄が合う訳が無いのでスルーした。