原作前日常編
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ロー視点
医学の進歩は他の分野に比べて早いとローは考えている。というのも人が生きる為に必要な事である為、生に貪欲な者がこぞって研究をするからだ。研究が進まなければそれだけ治る筈の病気や怪我で死人が出る。
だから知識を得ることは医者として当然の権利だ。ローはそう思っているし副船長をしているペンギンだってその考えを否定はしない。
なのに本の一冊であんなに怒る事は無いだろうと思っている。
人はそれを『反省の色が無い』と判断するだろうが、ローにとってはごく普通で当然の結果だった。
ローは医者だ。医者が人を治す為の知識に貪欲になって何が悪い。
同時に海賊であり、更に言うなら荒くれ集団を纏める船長でもある訳で、何も考えずにただ自分のしたい事だけをしている今の状態を、ローは船長として当然だと思ってもいた。本来は帳簿の管理が船長の仕事だろうことも、本当なら『一日中部屋から出ずにいられる船長』などが流石に存在出来ない事も知らない。
ただ、予算をオーバーしてしまった事に関しては、こちらが悪かったのだと理解している。
だってペンギンは『予算を超えたら相談しろ』と言っていた。命令ではなく嘆願だったから、ローが無視したのが悪かったのだ。
無謀にも返り討ちにしようとする目的の賞金首の部下が迫ってくるのに、能力を使うのも勿体無くて蹴り飛ばす。めり込んだ爪先に肥満体だなと思ったものの吹き飛ばした先にワカメがいて、ぶつかりはしなかったかとその方が気になってしまった。
賞金首は先程上の階へと逃げている。別に誰が仕留めてもいいのだが、船長としての顔を立てるかと階段へ向かった。
「うぉおおおお!」
階段の上から大斧を振り上げた巨漢がローを見下ろしている。そのまま駆け下りてくるのかと思えば、巨漢は予想に反して大斧をローへ向けて投げた。
「っ!? “ROOM”!」
流石に長刀で弾くにしても蹴り飛ばすにしても大きいそれに、左手を挙げて能力を発動するが少し遅い。しかも周囲に取り換えて良さそうなものも無かった。
これは多少の怪我を覚悟して受け流した方がいいなと判断した瞬間、壁際の窓が割れて何かがローを襲おうとしていた大斧へと直撃する。一発だけではないそれは連続して大斧へとぶつかり、その激しすぎる反動で大斧が投げられた勢いを殺され、ローへぶつかることなく床へと落下した。
予想以上に重い音を立てて階段へ転がった斧の側面には、黒く焦げた衝撃痕がいくつも残っている。割れた窓の先を見れば、隣の建物の屋上に誰かが居たが、すぐに隠れて見えなくなった。
「船長っ! 大丈夫ですか!?」
「……ああ」
医学の進歩は他の分野に比べて早いとローは考えている。というのも人が生きる為に必要な事である為、生に貪欲な者がこぞって研究をするからだ。研究が進まなければそれだけ治る筈の病気や怪我で死人が出る。
だから知識を得ることは医者として当然の権利だ。ローはそう思っているし副船長をしているペンギンだってその考えを否定はしない。
なのに本の一冊であんなに怒る事は無いだろうと思っている。
人はそれを『反省の色が無い』と判断するだろうが、ローにとってはごく普通で当然の結果だった。
ローは医者だ。医者が人を治す為の知識に貪欲になって何が悪い。
同時に海賊であり、更に言うなら荒くれ集団を纏める船長でもある訳で、何も考えずにただ自分のしたい事だけをしている今の状態を、ローは船長として当然だと思ってもいた。本来は帳簿の管理が船長の仕事だろうことも、本当なら『一日中部屋から出ずにいられる船長』などが流石に存在出来ない事も知らない。
ただ、予算をオーバーしてしまった事に関しては、こちらが悪かったのだと理解している。
だってペンギンは『予算を超えたら相談しろ』と言っていた。命令ではなく嘆願だったから、ローが無視したのが悪かったのだ。
無謀にも返り討ちにしようとする目的の賞金首の部下が迫ってくるのに、能力を使うのも勿体無くて蹴り飛ばす。めり込んだ爪先に肥満体だなと思ったものの吹き飛ばした先にワカメがいて、ぶつかりはしなかったかとその方が気になってしまった。
賞金首は先程上の階へと逃げている。別に誰が仕留めてもいいのだが、船長としての顔を立てるかと階段へ向かった。
「うぉおおおお!」
階段の上から大斧を振り上げた巨漢がローを見下ろしている。そのまま駆け下りてくるのかと思えば、巨漢は予想に反して大斧をローへ向けて投げた。
「っ!? “ROOM”!」
流石に長刀で弾くにしても蹴り飛ばすにしても大きいそれに、左手を挙げて能力を発動するが少し遅い。しかも周囲に取り換えて良さそうなものも無かった。
これは多少の怪我を覚悟して受け流した方がいいなと判断した瞬間、壁際の窓が割れて何かがローを襲おうとしていた大斧へと直撃する。一発だけではないそれは連続して大斧へとぶつかり、その激しすぎる反動で大斧が投げられた勢いを殺され、ローへぶつかることなく床へと落下した。
予想以上に重い音を立てて階段へ転がった斧の側面には、黒く焦げた衝撃痕がいくつも残っている。割れた窓の先を見れば、隣の建物の屋上に誰かが居たが、すぐに隠れて見えなくなった。
「船長っ! 大丈夫ですか!?」
「……ああ」