原作前日常編
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ロー視点
ベポが真剣な顔でくしゃみをしていることに気付いて、ローは読んでいた新聞から顔を上げてくしゃみを繰り返しているシロクマを見やった。鼻がむず痒いとかそういった様子ではなさそうなのだが、そう何度もくしゃみをしていると何かの病気かと疑ってしまう。
だがそんなベポを膝へ乗せて、向かいの席で帳簿の確認をしているペンギンはそれを気にした様子は無い。人間相手ではどんな怪我や病気にだって向き合ってみせる気概はあるものの、流石に動物相手となるとペンギンには劣るので、そのペンギンが気にしていなさそうな事へ下手に口出ししていいものかも分からなかった。
しかし、流石にくしゃみをし過ぎだろう。
「ベポは大丈夫なのか」
「はい?」
「さっきからずっとくしゃみしてんだろ」
「ああ、これくしゃみじゃねぇんで大丈夫ですよ」
帳簿から顔を上げたペンギンが、膝の上のベポを見下ろしてその頭を撫でる。何故いきなり撫でられたのか分かっていなそうなベポがペンギンを見上げ、それからローを見た。
ローへ向けて手を伸ばしてくるので、新聞を閉じてペンギンから受けとる。今がチャンスだとペンギンがローの読んでいた新聞を奪っていた。
相変わらず繰り返されるくしゃみだが、ペンギンは大丈夫だという。もしかしたらシロクマの子供特有の習性なのかもしれない。それなら良いのだが。
「そもそも白熊は風邪を引くのか?」
「知りませんよそんな事。なんですかいきなり」
「いや……思考が迷走した」
「貴方でもそんな事があるんですねぇ。少なくとも人の風邪がベポに移ることは無ぇと思いますけどねぇ。船に鶏や豚が乗ってるでもなし」
「インフルエンザと一緒にするな」
「一応動物にも効く薬は作れますから、大丈夫です」
全く有能な副船長である。お前は一体何がしたい『薬師』だったんだと一度訊いてみたい。
当番の仕事を終えたらしいワカメとイルカがベポを構いにやってくる。仕事が終わったら遊ぶ約束をしていた様で、ワカメの手にはベポと遊ぶ為のボールがあった。
それを見てボールへ向けて手を伸ばすベポをイルカへ渡す。イルカの腕の中でワカメからボールを渡されたベポは、何故かローを見てまたくしゃみをした。
「ベポ風邪引いたのか?」
「お前らまでそれを言うのかぁ?」
「風邪じゃないの?」
「こりゃ作戦変更かなぁ……」
何かを考えながら新聞を閉じたペンギンが帳簿を持って立ち上がる。その言葉からどうやらベポのくしゃみの原因はペンギンにあるようだったが、その理由まではやはり分からなかった。
ベポが真剣な顔でくしゃみをしていることに気付いて、ローは読んでいた新聞から顔を上げてくしゃみを繰り返しているシロクマを見やった。鼻がむず痒いとかそういった様子ではなさそうなのだが、そう何度もくしゃみをしていると何かの病気かと疑ってしまう。
だがそんなベポを膝へ乗せて、向かいの席で帳簿の確認をしているペンギンはそれを気にした様子は無い。人間相手ではどんな怪我や病気にだって向き合ってみせる気概はあるものの、流石に動物相手となるとペンギンには劣るので、そのペンギンが気にしていなさそうな事へ下手に口出ししていいものかも分からなかった。
しかし、流石にくしゃみをし過ぎだろう。
「ベポは大丈夫なのか」
「はい?」
「さっきからずっとくしゃみしてんだろ」
「ああ、これくしゃみじゃねぇんで大丈夫ですよ」
帳簿から顔を上げたペンギンが、膝の上のベポを見下ろしてその頭を撫でる。何故いきなり撫でられたのか分かっていなそうなベポがペンギンを見上げ、それからローを見た。
ローへ向けて手を伸ばしてくるので、新聞を閉じてペンギンから受けとる。今がチャンスだとペンギンがローの読んでいた新聞を奪っていた。
相変わらず繰り返されるくしゃみだが、ペンギンは大丈夫だという。もしかしたらシロクマの子供特有の習性なのかもしれない。それなら良いのだが。
「そもそも白熊は風邪を引くのか?」
「知りませんよそんな事。なんですかいきなり」
「いや……思考が迷走した」
「貴方でもそんな事があるんですねぇ。少なくとも人の風邪がベポに移ることは無ぇと思いますけどねぇ。船に鶏や豚が乗ってるでもなし」
「インフルエンザと一緒にするな」
「一応動物にも効く薬は作れますから、大丈夫です」
全く有能な副船長である。お前は一体何がしたい『薬師』だったんだと一度訊いてみたい。
当番の仕事を終えたらしいワカメとイルカがベポを構いにやってくる。仕事が終わったら遊ぶ約束をしていた様で、ワカメの手にはベポと遊ぶ為のボールがあった。
それを見てボールへ向けて手を伸ばすベポをイルカへ渡す。イルカの腕の中でワカメからボールを渡されたベポは、何故かローを見てまたくしゃみをした。
「ベポ風邪引いたのか?」
「お前らまでそれを言うのかぁ?」
「風邪じゃないの?」
「こりゃ作戦変更かなぁ……」
何かを考えながら新聞を閉じたペンギンが帳簿を持って立ち上がる。その言葉からどうやらベポのくしゃみの原因はペンギンにあるようだったが、その理由まではやはり分からなかった。