ワノ国編
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ベポ視点
疲れ切っていた筈なのにふと目を覚ますと船長とペンギンの姿が見えなかった。ワカメやシャチだけではなくバンダナやトドまでもがベポに寄りかかったりくっついたりして枕にして寝ているなかで、キャプテンの居た筈の場所がぽっかりと空いている。
うとうとと完全には眠気が覚めないまま、シャチ達を起こさない様にそっと辺りを見回せば、侍達も麦わらの一味もキッド海賊団もカイドウ軍の残兵も静かに寝入っていた。両手で数えられそうな人数だけが起きていて、時々小声で話し合っている。
キャプテンはペンギンを迎えに行ったのかなと漠然と思ったのは、ベポにとっては当たり前のことだった。だってペンギンはハートのクルーでキャプテンはハートの海賊団の船長だ。
ペンギンがずっと秘密にしていた白い獣の姿。それがこのワノ国では意味のあったものだとはベポも理解した。今まで秘密にしていたのもそれが関係していたのかも知れないことも分かっている。
でもペンギンはハートのクルーで、ベポの仲間だ。ベポにとっては父親であり母親であり兄であり姉でもある。キャプテンもベポにとっては父親であり兄であり、要するに二人ともベポの家族だ。
『ハクタク』なんて生き物がどんな意味を持っていたとしても関係ない。ペンギンはそれでもペンギンである。
上の階に繋がっていた廊下の方からキャプテンとペンギンが歩いてくる。寝ている者が多いことを考慮してか小声で行われている応酬は、ベポの耳でもペンギンの目元が赤くなっていることが分かるくらいに近付いてくるまでよく聞こえなかった。
「毛繕いしたら毛玉吐くのか?」
「え、吐いたコト無ぇから……昔はホオズキがこまめにブラッシングしてくれてたしぃ」
あの白い獣の姿の話をしている、と気付いて、ペンギンはキャプテンにちゃんと話したんだと悟る。
いつか自分から言うからと言っていたあの秘密はきっと、ペンギンの理想通りの暴露方法では無かったのだろうけれど、多分悪いようにはならなかったのだろう。当たり前だ。相手はあのかっこいいキャプテンなのだから。
まだ朝になるまで時間があるのでもう一度寝直すのだろう二人がベポとクルー達の隙間へ潜り込む。キャプテンは元の場所で、ペンギンはその隣の隙間に座ってベポに寄りかかってきた。
そのペンギンに、ベポは小さく呼びかける。
「ふぇん」
小さくて舌足らずだった頃の呼び方になってしまったのは眠かったせいだ。気付いたペンギンがベポを見て優しく微笑む。
「どうしたぁ?」
「キャプテンと、仲直りできた?」
ペンギンの赤い目元は泣いた跡だ。
「喧嘩なんてしてねぇよ」
「うん。あのね」
「んだぁ?」
「オレ、どんなペンギンも大好きだよ。最初からずっと」
「……俺も大好きだよ」
ペンギンがベポの耳を撫でる。その心地よさに眠気がぶり返してきた。
疲れ切っていた筈なのにふと目を覚ますと船長とペンギンの姿が見えなかった。ワカメやシャチだけではなくバンダナやトドまでもがベポに寄りかかったりくっついたりして枕にして寝ているなかで、キャプテンの居た筈の場所がぽっかりと空いている。
うとうとと完全には眠気が覚めないまま、シャチ達を起こさない様にそっと辺りを見回せば、侍達も麦わらの一味もキッド海賊団もカイドウ軍の残兵も静かに寝入っていた。両手で数えられそうな人数だけが起きていて、時々小声で話し合っている。
キャプテンはペンギンを迎えに行ったのかなと漠然と思ったのは、ベポにとっては当たり前のことだった。だってペンギンはハートのクルーでキャプテンはハートの海賊団の船長だ。
ペンギンがずっと秘密にしていた白い獣の姿。それがこのワノ国では意味のあったものだとはベポも理解した。今まで秘密にしていたのもそれが関係していたのかも知れないことも分かっている。
でもペンギンはハートのクルーで、ベポの仲間だ。ベポにとっては父親であり母親であり兄であり姉でもある。キャプテンもベポにとっては父親であり兄であり、要するに二人ともベポの家族だ。
『ハクタク』なんて生き物がどんな意味を持っていたとしても関係ない。ペンギンはそれでもペンギンである。
上の階に繋がっていた廊下の方からキャプテンとペンギンが歩いてくる。寝ている者が多いことを考慮してか小声で行われている応酬は、ベポの耳でもペンギンの目元が赤くなっていることが分かるくらいに近付いてくるまでよく聞こえなかった。
「毛繕いしたら毛玉吐くのか?」
「え、吐いたコト無ぇから……昔はホオズキがこまめにブラッシングしてくれてたしぃ」
あの白い獣の姿の話をしている、と気付いて、ペンギンはキャプテンにちゃんと話したんだと悟る。
いつか自分から言うからと言っていたあの秘密はきっと、ペンギンの理想通りの暴露方法では無かったのだろうけれど、多分悪いようにはならなかったのだろう。当たり前だ。相手はあのかっこいいキャプテンなのだから。
まだ朝になるまで時間があるのでもう一度寝直すのだろう二人がベポとクルー達の隙間へ潜り込む。キャプテンは元の場所で、ペンギンはその隣の隙間に座ってベポに寄りかかってきた。
そのペンギンに、ベポは小さく呼びかける。
「ふぇん」
小さくて舌足らずだった頃の呼び方になってしまったのは眠かったせいだ。気付いたペンギンがベポを見て優しく微笑む。
「どうしたぁ?」
「キャプテンと、仲直りできた?」
ペンギンの赤い目元は泣いた跡だ。
「喧嘩なんてしてねぇよ」
「うん。あのね」
「んだぁ?」
「オレ、どんなペンギンも大好きだよ。最初からずっと」
「……俺も大好きだよ」
ペンギンがベポの耳を撫でる。その心地よさに眠気がぶり返してきた。