ワノ国編
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ロー視点
史上最高額の賞金首。世界政府の宿敵。
ペンギンの本当の姿はそんな呼び名がつけられた存在だった。
それはそう呼ばれるに値するだけの能力ないし情報を持っていると世界が認めているということであり、ペンギン自身もそれは受け入れている様子だった。だが正直、ペンギンの持つ“何”が世界にそこまで奴を追わせるのかと、疑問に思っていた部分があったのも確かである。
ローはそれを情報だと思っていた。『歴史の本文』を読み解く能力。長く生きていることでその目で見てきたであろう真実。
百聞は一見に如かないというのであれば、八桁の年月を生きたというペンギンの存在はそれだけでも世界政府にとって脅威だろう。
だがここにきて、その考えを改めるべきだとはっきり理解した。
「……すげェな」
そう呟いたのは近くにいたゾロだったかロー自身だったか。
四皇二人。一人でも厄介な相手をしかし、ペンギンが一人で相手取っている。
自分達があれだけ苦労した数十分を、今はペンギンが単独で成し得ていた。
これを見て四皇が本当は雑魚なのではと思う奴はいないだろうが、ではそれと対峙しているあの若造は何なんだと思わない者はいまい。かつての海賊王ゴール・D・ロジャーだってこんなに凄まじくなかったのではないだろうか。
影武者とはいえゾウで手足を奪われたというのが冗談に思えてくる。ドレスローザで見た『死告シャイタン』としての働きにも驚いたが、あれもペンギンにとってはほんの氷山の一角だったのだろう。
「アイツ本当に“名無し”かよ……」
「名前聞いたことあるか?」
「ファッファ……無いな」
ふらふらとルフィが立ち上がる。その足が再びしっかと地面を踏みしめたタイミングで、カイドウの金棒を避けたペンギンがロー達の傍に転移してきた。
高い位置で縛られた黒髪が揺れる。
「ルフィ君起きたぁ!?」
「起きてた! 立てなかっただけだ!」
「じゃあ交代してぇ交代ぃ! 流石に俺も四皇二人相手にするのはおかしいと思うぅ!」
その割にはまだ随分と威勢がいい。しかしそれも口振りだけのようでペンギンは肩で息をしている。むしろこれで平然としていたら正直どん引きだが。
荒い呼吸に咳き込んだペンギンが視線に気付いてかロー達を見る。一瞬揺れたそれが、ローと目が合った途端に落ち着きを取り戻したような気がした。
「かといって、どうやって勝ちゃいいんだ」
「一人引きはがすべきだ」
「同感」
「あの二人が並んでると、ここがまるで地獄にしか見えねェよ」
「え、俺今その二人相手に時間稼ぎ……」
「地獄なら何度も行ってきた! 優勢だ!」
史上最高額の賞金首。世界政府の宿敵。
ペンギンの本当の姿はそんな呼び名がつけられた存在だった。
それはそう呼ばれるに値するだけの能力ないし情報を持っていると世界が認めているということであり、ペンギン自身もそれは受け入れている様子だった。だが正直、ペンギンの持つ“何”が世界にそこまで奴を追わせるのかと、疑問に思っていた部分があったのも確かである。
ローはそれを情報だと思っていた。『歴史の本文』を読み解く能力。長く生きていることでその目で見てきたであろう真実。
百聞は一見に如かないというのであれば、八桁の年月を生きたというペンギンの存在はそれだけでも世界政府にとって脅威だろう。
だがここにきて、その考えを改めるべきだとはっきり理解した。
「……すげェな」
そう呟いたのは近くにいたゾロだったかロー自身だったか。
四皇二人。一人でも厄介な相手をしかし、ペンギンが一人で相手取っている。
自分達があれだけ苦労した数十分を、今はペンギンが単独で成し得ていた。
これを見て四皇が本当は雑魚なのではと思う奴はいないだろうが、ではそれと対峙しているあの若造は何なんだと思わない者はいまい。かつての海賊王ゴール・D・ロジャーだってこんなに凄まじくなかったのではないだろうか。
影武者とはいえゾウで手足を奪われたというのが冗談に思えてくる。ドレスローザで見た『死告シャイタン』としての働きにも驚いたが、あれもペンギンにとってはほんの氷山の一角だったのだろう。
「アイツ本当に“名無し”かよ……」
「名前聞いたことあるか?」
「ファッファ……無いな」
ふらふらとルフィが立ち上がる。その足が再びしっかと地面を踏みしめたタイミングで、カイドウの金棒を避けたペンギンがロー達の傍に転移してきた。
高い位置で縛られた黒髪が揺れる。
「ルフィ君起きたぁ!?」
「起きてた! 立てなかっただけだ!」
「じゃあ交代してぇ交代ぃ! 流石に俺も四皇二人相手にするのはおかしいと思うぅ!」
その割にはまだ随分と威勢がいい。しかしそれも口振りだけのようでペンギンは肩で息をしている。むしろこれで平然としていたら正直どん引きだが。
荒い呼吸に咳き込んだペンギンが視線に気付いてかロー達を見る。一瞬揺れたそれが、ローと目が合った途端に落ち着きを取り戻したような気がした。
「かといって、どうやって勝ちゃいいんだ」
「一人引きはがすべきだ」
「同感」
「あの二人が並んでると、ここがまるで地獄にしか見えねェよ」
「え、俺今その二人相手に時間稼ぎ……」
「地獄なら何度も行ってきた! 優勢だ!」