ワノ国編
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雷ぞう視点
その“男”は女の姿をしたしなやかな柳の立ち振る舞いの者だった。
ゾウの地でくじらの森の奥に隠されていた時、やっと危険が去ったのと錦えもん達が到着したからと拘束を解かれた現場が、雷ぞうが彼を見た最初である。
ルフィ率いる麦藁の一味ではなくトラファルー・ロー率いるハートの海賊団の船員。それも副船長だというその男は、ゾウで錦えもん達と合流した直後こそ特に意識はしなかったものの、なかなかに妖艶たる者だと思っていた。
声を聞いていなければ帽子で顔が隠れていたこともあり女だと思い続けていただろう。仲間であるお菊も元々は女形だったので少々女々しいが、それに似た感覚を覚えていたのも嘘ではない。
忍びである雷ぞうがトラファルガーに期待されれば自分も出来ると対抗心を露わにし、ポーネグリフを読む能力を持ちあの海賊王ゴールド・ロジャーとの面識もあるお人。
だが、その時はそこまでだった。いくら彼がその才能に溢れる御仁であろうと反オロチに対する戦力の一つ。それ以上も以下も関わりや認識は持てない相手。会話だってまともにしたことがなかった。
そんな相手に対する認識を、どうやら雷ぞうはここで改めなければならない。
「駄目。やり直し」
ルフィの放つ拳をペンギンがあっさりと払いのける。囚人採掘場を管理している百獣海賊団の大看板であるクイーンによって今のルフィは土俵から出られないが、そんな事などお構いなしにペンギンはルフィに『流桜』の一歩先を教えようとしていた。
その光景には雷ぞうだけではなく雷ぞうが協力をさせているカリブーやヒョウ五郎殿まで唖然としている。
そもそもワノ国の出身でもない筈のペンギンが相当な使い手であるヒョウ五郎よりも使いこなしていることが驚きだった。
「はい駄目ぇ。そもそも覇気が上手く使えてねぇ」
ひっくり返ったルフィの傍でしゃがんだペンギンが地面すれすれのとことで手を広げる。
「いいかぁ? 単純に手に覇気を集めるだけじゃあ駄目なんだぁ。覇気がどうやって動いているか、覇気はどうすれば流れていくのかを意識しなくちゃぁ」
そう言ったペンギンの手の下で土にみし、と手の形が付いた。それを見たカリブーがペンギンの強さを悟ってか顔を青ざめさせている。雷ぞうも青ざめこそしないが背筋が冷たくなっていた。
見た目に反したその戦闘力の高さ。更にはここまで潜入しても平然としていられる才能や精神の強さ。それがこの目の前のともすればうら若き乙女然とした存在に詰められている。
「雷ぞう。あのお人は確か反逆の同志から抜けたということだったな?」
「……おそらくは」
「……。誰のせいか分からんが、とんでもねェことをしたんじゃあねェか?」
誰から見ても過剰なまでの戦力。逃した魚は大きすぎたかも知れない。
その“男”は女の姿をしたしなやかな柳の立ち振る舞いの者だった。
ゾウの地でくじらの森の奥に隠されていた時、やっと危険が去ったのと錦えもん達が到着したからと拘束を解かれた現場が、雷ぞうが彼を見た最初である。
ルフィ率いる麦藁の一味ではなくトラファルー・ロー率いるハートの海賊団の船員。それも副船長だというその男は、ゾウで錦えもん達と合流した直後こそ特に意識はしなかったものの、なかなかに妖艶たる者だと思っていた。
声を聞いていなければ帽子で顔が隠れていたこともあり女だと思い続けていただろう。仲間であるお菊も元々は女形だったので少々女々しいが、それに似た感覚を覚えていたのも嘘ではない。
忍びである雷ぞうがトラファルガーに期待されれば自分も出来ると対抗心を露わにし、ポーネグリフを読む能力を持ちあの海賊王ゴールド・ロジャーとの面識もあるお人。
だが、その時はそこまでだった。いくら彼がその才能に溢れる御仁であろうと反オロチに対する戦力の一つ。それ以上も以下も関わりや認識は持てない相手。会話だってまともにしたことがなかった。
そんな相手に対する認識を、どうやら雷ぞうはここで改めなければならない。
「駄目。やり直し」
ルフィの放つ拳をペンギンがあっさりと払いのける。囚人採掘場を管理している百獣海賊団の大看板であるクイーンによって今のルフィは土俵から出られないが、そんな事などお構いなしにペンギンはルフィに『流桜』の一歩先を教えようとしていた。
その光景には雷ぞうだけではなく雷ぞうが協力をさせているカリブーやヒョウ五郎殿まで唖然としている。
そもそもワノ国の出身でもない筈のペンギンが相当な使い手であるヒョウ五郎よりも使いこなしていることが驚きだった。
「はい駄目ぇ。そもそも覇気が上手く使えてねぇ」
ひっくり返ったルフィの傍でしゃがんだペンギンが地面すれすれのとことで手を広げる。
「いいかぁ? 単純に手に覇気を集めるだけじゃあ駄目なんだぁ。覇気がどうやって動いているか、覇気はどうすれば流れていくのかを意識しなくちゃぁ」
そう言ったペンギンの手の下で土にみし、と手の形が付いた。それを見たカリブーがペンギンの強さを悟ってか顔を青ざめさせている。雷ぞうも青ざめこそしないが背筋が冷たくなっていた。
見た目に反したその戦闘力の高さ。更にはここまで潜入しても平然としていられる才能や精神の強さ。それがこの目の前のともすればうら若き乙女然とした存在に詰められている。
「雷ぞう。あのお人は確か反逆の同志から抜けたということだったな?」
「……おそらくは」
「……。誰のせいか分からんが、とんでもねェことをしたんじゃあねェか?」
誰から見ても過剰なまでの戦力。逃した魚は大きすぎたかも知れない。