原作前日常編
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シャチ視点
船長によってベポと名付けられ、ハートの海賊団の船へ乗ることになったシロクマの子供は、言葉が通じないせいか人見知りをする子だった。人ではないので正しく『人見知り』だとか、そんな冗談を口では言えても実際のところは困ったものである。
威嚇をしてくることは当然として、副船長であるペンギン以外のクルーには懐かない。状況によっては拾ってきた船長にまで時々は威嚇するのだから、撫でるどころか近付く事すら難しかった。
となると当然懐かれているペンギンが面倒の殆どを見ることになるのだが、放任主義なのか何なのか分からないがペンギンはベポが居ても今まで通りの仕事ぶりである。
一応寝食の面倒はペンギンが見ていた。倉庫同然とはいえ個室を与えられているのと、シロクマの食べられる物を知っているからという理由からだ。
ある意味最低限の世話しかしていないとも言えるが、ペンギンは実のところ確かに面倒を一人では見ないと宣言している。
「それにしたって突き放しすぎじゃね?」
「シャチはそう思うのかぁ?」
休憩中なのか食堂で珈琲を呑んでいたペンギンへ話し掛ければ、ペンギンは持っていた何かのノートから視線を放してシャチとワカメを見た。ベポは艦内を放浪中だ。危なそうな部屋には手を引っ掻かれようと徹底して入れさせないので問題は多分無い。
朝と夜の間、それから昼食の時はペンギンとベポは一緒に居るが、それ以外の時間だと、ペンギンはベポがどんなに足元へ擦り寄ってきても構おうとはしなかった。一応どんなに邪魔そうでも蹴り飛ばしたりはしないが、移動する必要があったら遠慮なく置いていく。
置いていかれたベポが寂しそうにしているのを見て、シャチ達が近付いていくと子供ながらに野生たっぷりで威嚇されるが。
「別に突き放してる訳じゃねぇんだよ」
「でもさ。まだペンギン以外は怖いみたいだしさ」
「どっちかっていうと、皆が怖がらせてるんじゃねぇ?」
「怖がらせてねーよ。オレだって撫でたい!」
「……撫でる前にやる事があんじゃねぇの?」
「へ?」
「いや。そうだなぁ……船長が相談してきたら対策を考えるぜぇ。まぁ、あの人はそのうち懐かれるだろうけどなぁ」
意味深な発言をして珈琲を飲み干し、ペンギンが仕事に戻っていく。時間的に洗濯物を取り込みに行くのかもしれない。今日は天気が良かったから。
食堂を出て行くペンギンに、残された二人は顔を見合わせてから互いに首を傾げた。
船長によってベポと名付けられ、ハートの海賊団の船へ乗ることになったシロクマの子供は、言葉が通じないせいか人見知りをする子だった。人ではないので正しく『人見知り』だとか、そんな冗談を口では言えても実際のところは困ったものである。
威嚇をしてくることは当然として、副船長であるペンギン以外のクルーには懐かない。状況によっては拾ってきた船長にまで時々は威嚇するのだから、撫でるどころか近付く事すら難しかった。
となると当然懐かれているペンギンが面倒の殆どを見ることになるのだが、放任主義なのか何なのか分からないがペンギンはベポが居ても今まで通りの仕事ぶりである。
一応寝食の面倒はペンギンが見ていた。倉庫同然とはいえ個室を与えられているのと、シロクマの食べられる物を知っているからという理由からだ。
ある意味最低限の世話しかしていないとも言えるが、ペンギンは実のところ確かに面倒を一人では見ないと宣言している。
「それにしたって突き放しすぎじゃね?」
「シャチはそう思うのかぁ?」
休憩中なのか食堂で珈琲を呑んでいたペンギンへ話し掛ければ、ペンギンは持っていた何かのノートから視線を放してシャチとワカメを見た。ベポは艦内を放浪中だ。危なそうな部屋には手を引っ掻かれようと徹底して入れさせないので問題は多分無い。
朝と夜の間、それから昼食の時はペンギンとベポは一緒に居るが、それ以外の時間だと、ペンギンはベポがどんなに足元へ擦り寄ってきても構おうとはしなかった。一応どんなに邪魔そうでも蹴り飛ばしたりはしないが、移動する必要があったら遠慮なく置いていく。
置いていかれたベポが寂しそうにしているのを見て、シャチ達が近付いていくと子供ながらに野生たっぷりで威嚇されるが。
「別に突き放してる訳じゃねぇんだよ」
「でもさ。まだペンギン以外は怖いみたいだしさ」
「どっちかっていうと、皆が怖がらせてるんじゃねぇ?」
「怖がらせてねーよ。オレだって撫でたい!」
「……撫でる前にやる事があんじゃねぇの?」
「へ?」
「いや。そうだなぁ……船長が相談してきたら対策を考えるぜぇ。まぁ、あの人はそのうち懐かれるだろうけどなぁ」
意味深な発言をして珈琲を飲み干し、ペンギンが仕事に戻っていく。時間的に洗濯物を取り込みに行くのかもしれない。今日は天気が良かったから。
食堂を出て行くペンギンに、残された二人は顔を見合わせてから互いに首を傾げた。