ワノ国編
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ロー視点
えびす町の長屋の一室。集まった錦えもん達は判じ絵と月の印の事がオロチ軍にバレ、反乱軍の仲間が次々と捕らえられているという状況に立腹していた。業腹なのはローも同じだったが、互いに度合いは違っている。
錦えもん達は仲間が捕まっていくことによる焦りで犯人を探し追求したがっていて、ローは反乱軍の仲間が捕まっているという事もさることながら、その犯人としてベポ達が疑われているのがその理由だ。つまりローの大切なクルーが“裏切り者”とされているのである。
当然のことだがベポ達がバラすなんてことはあり得ないだろう。ベポ達だってこの国の現状を憂いていたしそんな自分勝手な事はしない。
何よりも、一番クルー達を知っているロー自身がそう信じているのだ。
「あのクマ公達が作戦を喋ったに決まってるじゃない!」
「ベポ達は喋るくらいなら死ぬ! みくびるな!」
だからしのぶにそう言われても全力で言い返した。
ヨソ者だからしのぶ達より覚悟も何も足りないからとでも言いたいのか。そうであるなら最初から『手を貸せ』などと言わないで欲しかった。麦わらの一味との海賊同盟の流れで手を貸してしまっただけのようであっても、ローもベポ達もそれはそれで全力で手を貸そうとしていたのだ。
それがこんな窮地になって、どうせお前等だろうとばかりに疑われればローだって腹が立つ。
「助けて話を聞きゃ分かる!」
「待て! 敵の思うツボだトラ男!」
「捕まった奴は消しなさいよ! 口封じよ!」
「コエーなしのぶ!」
「忍の世界じゃ常識よ! 遊んでんじゃないのよわたす達は! “二十年”もこの時を待ってたんだ! 失敗したらもうチャンスはないのよ!?」
「――“たかだか”二十年」
長屋の戸が勢いよく開けられた。普通に出入りする時も軋んでしまってすんなりと開けられた覚えのないそれに、けれども泣き叫んでいたしのぶも、怒りに我を忘れそうだったローも黙り込む。
黒い髪をした、鬼がいた。
「たかだか二十年。百年でもなく八百年でもなく五千年でもなく一億年でもなく。――たかだか二十年で泣けて羨ましい」
「ペ、ペンギン……」
するりと入り込んでは框を上がり、ローの傍に立ったペンギンの目は爛々と紫色に煌めいている。防寒帽を被っていないせいではっきりと分かるそれは、見る者全員に怒っているのだと明確に理解させた。
「テメェが泣けば作戦が成功すんならずっと泣いてろぉ。たかだが二十年程度の作戦に俺達を巻き込んだのはテメェ等だろぉ。どんな手を使ってでも成功させたかったならそれなりの対価を払うことを最初から覚悟してろぉ」
「だから言ってるのよ! アンタ等のせいで台無しになりそうなのよ!」
「なら最初から部外者を入れなけりゃ良かったなぁ! テメェがそう言うのなら俺も言ってやるぅ!」
「――“シルビ”!」
えびす町の長屋の一室。集まった錦えもん達は判じ絵と月の印の事がオロチ軍にバレ、反乱軍の仲間が次々と捕らえられているという状況に立腹していた。業腹なのはローも同じだったが、互いに度合いは違っている。
錦えもん達は仲間が捕まっていくことによる焦りで犯人を探し追求したがっていて、ローは反乱軍の仲間が捕まっているという事もさることながら、その犯人としてベポ達が疑われているのがその理由だ。つまりローの大切なクルーが“裏切り者”とされているのである。
当然のことだがベポ達がバラすなんてことはあり得ないだろう。ベポ達だってこの国の現状を憂いていたしそんな自分勝手な事はしない。
何よりも、一番クルー達を知っているロー自身がそう信じているのだ。
「あのクマ公達が作戦を喋ったに決まってるじゃない!」
「ベポ達は喋るくらいなら死ぬ! みくびるな!」
だからしのぶにそう言われても全力で言い返した。
ヨソ者だからしのぶ達より覚悟も何も足りないからとでも言いたいのか。そうであるなら最初から『手を貸せ』などと言わないで欲しかった。麦わらの一味との海賊同盟の流れで手を貸してしまっただけのようであっても、ローもベポ達もそれはそれで全力で手を貸そうとしていたのだ。
それがこんな窮地になって、どうせお前等だろうとばかりに疑われればローだって腹が立つ。
「助けて話を聞きゃ分かる!」
「待て! 敵の思うツボだトラ男!」
「捕まった奴は消しなさいよ! 口封じよ!」
「コエーなしのぶ!」
「忍の世界じゃ常識よ! 遊んでんじゃないのよわたす達は! “二十年”もこの時を待ってたんだ! 失敗したらもうチャンスはないのよ!?」
「――“たかだか”二十年」
長屋の戸が勢いよく開けられた。普通に出入りする時も軋んでしまってすんなりと開けられた覚えのないそれに、けれども泣き叫んでいたしのぶも、怒りに我を忘れそうだったローも黙り込む。
黒い髪をした、鬼がいた。
「たかだか二十年。百年でもなく八百年でもなく五千年でもなく一億年でもなく。――たかだか二十年で泣けて羨ましい」
「ペ、ペンギン……」
するりと入り込んでは框を上がり、ローの傍に立ったペンギンの目は爛々と紫色に煌めいている。防寒帽を被っていないせいではっきりと分かるそれは、見る者全員に怒っているのだと明確に理解させた。
「テメェが泣けば作戦が成功すんならずっと泣いてろぉ。たかだが二十年程度の作戦に俺達を巻き込んだのはテメェ等だろぉ。どんな手を使ってでも成功させたかったならそれなりの対価を払うことを最初から覚悟してろぉ」
「だから言ってるのよ! アンタ等のせいで台無しになりそうなのよ!」
「なら最初から部外者を入れなけりゃ良かったなぁ! テメェがそう言うのなら俺も言ってやるぅ!」
「――“シルビ”!」