原作前日常編
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ロー視点
ペンギンの言った通りミルクを飲んだシロクマが満足して眠って暫く、親を探しに行っていたペンギンとワカメが戻ってきた。
寝ているから静かにしろよ、という前に、二人は手早く手の消毒をして船内を走り回る。ペンギンが足音を立てないのは流石だと思ったが、一体何があってそんなに走り回っているのかと不思議に思った。
「ペンギン、こっちは大丈夫だった!」
「船長何処だぁ!」
叫んでいるワカメとペンギンに他のクルーも何事かと顔を出す。ローを見つけて駆け寄ってきた二人は、クルー達にマスクを渡しながら自分達もマスクを着けていた。
「どうした」
「ヤバイです船長この島ヤバイ!」
「クルーは全員戻ってるかぁ!? 備蓄の補充はぁ? 終わってる? じゃあ後でそれも調べた方がいいなぁ。船長出港してください!」
捲くし立てる二人の勢いに思わず頷きかけて、ローはそれじゃダメだろとペンギンを見る。
「まず話せ! 何があった」
「この島疫病が流行ります。気温が低いので伝播は遅いでしょうが、これから確実に。下手するともう始まってるかもしれません。だから早急に島を離れましょう」
「疫病!?」
「シロクマの親はどうした」
ペンギンはチラリと傍で熟睡しているシロクマを見やり、それからローを見上げた。
「害獣扱いされて全滅させられていました。その死骸は放置状態だそうです。……おそらく、この島の寿命はもう長くないでしょう」
断言したペンギンに、ローは集まってきていたクルーを見渡して出港を命じる。ペンギンは自分より医学以外の知識も豊富だ。そのペンギンが言うのなら信憑性も高い。
出港の為に船内を走り回るクルー達のようには動かず、ペンギンが眠っていたシロクマを抱き上げる。
「どうして拾ってきたんですか?」
「オレに向かって歩いてきた。だから連れて来たんだ」
島へ戻す事は出来ないシロクマ。
「他の島で降ろすか最後まで面倒を見るか、船長が決めてください」
振り返ったペンギンの腕の中で、シロクマはぐっすりと幸せそうに眠っている。全滅させられていたのなら、もう二度とこのシロクマは本当の親へ甘えることは出来ない。
それが分かっていて、ペンギンは聞いてくる。お前が拾ってきたんだぞ、と。
「……面倒をみる、と言ったらどうする」
「俺一人に世話を任せはしねぇでくださいね。嫌になったから捨てるとかほざいたら、貴方の食事は熊鍋にしますから」
言って抱いていたシロクマを差し出してくるので受け取った。出港準備へ向かうらしいペンギンが船室を出る寸前、思い出したように立ち止まる。
「名前、考えてあげてください」
ペンギンの言った通りミルクを飲んだシロクマが満足して眠って暫く、親を探しに行っていたペンギンとワカメが戻ってきた。
寝ているから静かにしろよ、という前に、二人は手早く手の消毒をして船内を走り回る。ペンギンが足音を立てないのは流石だと思ったが、一体何があってそんなに走り回っているのかと不思議に思った。
「ペンギン、こっちは大丈夫だった!」
「船長何処だぁ!」
叫んでいるワカメとペンギンに他のクルーも何事かと顔を出す。ローを見つけて駆け寄ってきた二人は、クルー達にマスクを渡しながら自分達もマスクを着けていた。
「どうした」
「ヤバイです船長この島ヤバイ!」
「クルーは全員戻ってるかぁ!? 備蓄の補充はぁ? 終わってる? じゃあ後でそれも調べた方がいいなぁ。船長出港してください!」
捲くし立てる二人の勢いに思わず頷きかけて、ローはそれじゃダメだろとペンギンを見る。
「まず話せ! 何があった」
「この島疫病が流行ります。気温が低いので伝播は遅いでしょうが、これから確実に。下手するともう始まってるかもしれません。だから早急に島を離れましょう」
「疫病!?」
「シロクマの親はどうした」
ペンギンはチラリと傍で熟睡しているシロクマを見やり、それからローを見上げた。
「害獣扱いされて全滅させられていました。その死骸は放置状態だそうです。……おそらく、この島の寿命はもう長くないでしょう」
断言したペンギンに、ローは集まってきていたクルーを見渡して出港を命じる。ペンギンは自分より医学以外の知識も豊富だ。そのペンギンが言うのなら信憑性も高い。
出港の為に船内を走り回るクルー達のようには動かず、ペンギンが眠っていたシロクマを抱き上げる。
「どうして拾ってきたんですか?」
「オレに向かって歩いてきた。だから連れて来たんだ」
島へ戻す事は出来ないシロクマ。
「他の島で降ろすか最後まで面倒を見るか、船長が決めてください」
振り返ったペンギンの腕の中で、シロクマはぐっすりと幸せそうに眠っている。全滅させられていたのなら、もう二度とこのシロクマは本当の親へ甘えることは出来ない。
それが分かっていて、ペンギンは聞いてくる。お前が拾ってきたんだぞ、と。
「……面倒をみる、と言ったらどうする」
「俺一人に世話を任せはしねぇでくださいね。嫌になったから捨てるとかほざいたら、貴方の食事は熊鍋にしますから」
言って抱いていたシロクマを差し出してくるので受け取った。出港準備へ向かうらしいペンギンが船室を出る寸前、思い出したように立ち止まる。
「名前、考えてあげてください」