ワノ国編
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ロー視点
「言ったので頭撫でてください」
褒美をぶら下げる形で報告を促したら息を吐く暇すら無く吐露したペンギンに、コイツの中で自分がどんな扱いになっているのか疑問に思う。けれどもそれ以上に、聞いた内容に内心で動揺してしまった。
ペンギンをビッグマムの元に連れて行かれたサンジの奪還に同行させたのは、短い付き合いの間に知ったサンジの行動に似通った部分を覚えたからである。けれども同時に『全く似ていない』とも考えたからこそ、あの麦わらの一味の重要な戦力の一つを取り戻しにいかせた。
サンジがどんな境遇で育ったのかなど興味がない。だがサンジが“自分が居たい場所”を離れるという決断をしたのだろう事くらいはローにも理解出来た。
自分が居たい場所。ペンギンにとってハートの海賊団がそうであるという確信は正直持てていない。ただペンギンがローを慕うのが心地よいだけだ。
だから度肝を抜かれたのである。
「な、え、……は?」
「頭」
「待て、おい、それ」
「頭ぁ」
続けて欲しくない話題だから流そうとしているのか純粋に撫でられたいだけなのか。十中八九後者なのだろうがローとしてはもう少し流す訳にはいかない。いきたくない。
待ちきれずローの手を掴んで頭に乗せようとするペンギンに力を込めて阻止する。
「詳しく言えッ!」
「えーと、ゾウでかつて俺がヴィンスモークと見合いしそうになった話はしましたよねぇ。それの相手がイチジ君でした」
「それはお前の世話係だったんじゃねェのか」
「正確には世話係と俺です。どうも俺が女だと勘違いされたらしくて、それでヴィンスモークの長男の嫁にと」
ゾウでその話をした時、妙な間があったのを思い出す。それはこの事実を隠した為だったらしい。
「で、見合いは流れたんですけれどイチジ君は見合い写真で見た俺に一目惚れして片想い? を続けていたという話です」
という話です、と他人事の様に軽く流していいようには思えないのだがローには何も言えなかった。既に断ったとペンギンが言っているのもあるし、ここにまでそのイチジとやらが追いかけてくるとは思えなかったからだ。
ローの手を頭に乗せようとしていたペンギンが、ふと気付いた様に手を降ろす。何かを考える様に遠い眼をしていた。
「ペンギン?」
「――船長。俺は貴方の傍にいてもいいんですよねぇ?」
確かめるような質問。何度言っても態度で示してもペンギンはその問いをどうしても繰り返すらしい。
掴まれたままだった手を引く。バランスを崩したペンギンがもたれ掛かってくるのに腕を回した。
「言ったので頭撫でてください」
褒美をぶら下げる形で報告を促したら息を吐く暇すら無く吐露したペンギンに、コイツの中で自分がどんな扱いになっているのか疑問に思う。けれどもそれ以上に、聞いた内容に内心で動揺してしまった。
ペンギンをビッグマムの元に連れて行かれたサンジの奪還に同行させたのは、短い付き合いの間に知ったサンジの行動に似通った部分を覚えたからである。けれども同時に『全く似ていない』とも考えたからこそ、あの麦わらの一味の重要な戦力の一つを取り戻しにいかせた。
サンジがどんな境遇で育ったのかなど興味がない。だがサンジが“自分が居たい場所”を離れるという決断をしたのだろう事くらいはローにも理解出来た。
自分が居たい場所。ペンギンにとってハートの海賊団がそうであるという確信は正直持てていない。ただペンギンがローを慕うのが心地よいだけだ。
だから度肝を抜かれたのである。
「な、え、……は?」
「頭」
「待て、おい、それ」
「頭ぁ」
続けて欲しくない話題だから流そうとしているのか純粋に撫でられたいだけなのか。十中八九後者なのだろうがローとしてはもう少し流す訳にはいかない。いきたくない。
待ちきれずローの手を掴んで頭に乗せようとするペンギンに力を込めて阻止する。
「詳しく言えッ!」
「えーと、ゾウでかつて俺がヴィンスモークと見合いしそうになった話はしましたよねぇ。それの相手がイチジ君でした」
「それはお前の世話係だったんじゃねェのか」
「正確には世話係と俺です。どうも俺が女だと勘違いされたらしくて、それでヴィンスモークの長男の嫁にと」
ゾウでその話をした時、妙な間があったのを思い出す。それはこの事実を隠した為だったらしい。
「で、見合いは流れたんですけれどイチジ君は見合い写真で見た俺に一目惚れして片想い? を続けていたという話です」
という話です、と他人事の様に軽く流していいようには思えないのだがローには何も言えなかった。既に断ったとペンギンが言っているのもあるし、ここにまでそのイチジとやらが追いかけてくるとは思えなかったからだ。
ローの手を頭に乗せようとしていたペンギンが、ふと気付いた様に手を降ろす。何かを考える様に遠い眼をしていた。
「ペンギン?」
「――船長。俺は貴方の傍にいてもいいんですよねぇ?」
確かめるような質問。何度言っても態度で示してもペンギンはその問いをどうしても繰り返すらしい。
掴まれたままだった手を引く。バランスを崩したペンギンがもたれ掛かってくるのに腕を回した。