トットランド編
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ナミ視点
夕食後のお茶を味わっていた最中、食器を洗っていたサンジがふと思い出したように訊いてきてきたのは、正直彼とはあまり縁のなさそうな『キスの位置』の話だった。
サンジとは、というよりこの船の野郎共全員が縁の無い話である。ウソップはもしかしたら彼の故郷のカヤと共にあるかもしれないが、他のメンバーはナミが思う限り縁など遠い。
「なんでそんなことを?」
「昼間ペンギンと話してて話題に出たんだ。レディのナミさんなら知ってるかと思って」
言われてなるほどと納得する反面、ペンギンもペンギンでそういった話とは関わりが無さそうなのにと内心で不思議に思った。彼とは長い付き合いではないし、本当の正体を知ったのもそう遠い昔の話ではない。けれども彼が女性と接触した様子や雰囲気はここまで無かった筈だと断言出来る。
とはいえ千年以上生きているという伝説のある人物だから、この数週間程度の付き合いのナミでは分からない関係もあるのだろうが。
「キスをする体の場所でそれぞれ意味があるって話よ。例えば手なら尊敬、額なら友情、唇なら愛情、とかね」
「んナミさんにキスするなら断然唇だね!」
「言っとくけどアタシはどこでも全部有料だから」
「そんなナミさんも素敵だ! ……キスの場所によって意味が違う、か」
一応納得はしたらしいサンジはしかしそれでも首を捻っている。ナミも同じように内心で不思議に思う。いったいどんな内容の話をしていれば男同士でキスの位置などという恋愛間の話になるのか。
まさかとは思うがどちらかがされたのか、誰かに。
「ねえ、それって――」
「すみません、チョッパー船医知りませんか?」
ドアが開いて食堂にペンギンが入ってくる。トラ男から借りた帽子は、食事後に洗うと言っていたからか今は被っていない。ロビンよりも長い黒髪が結わえられずに流れている。
「腕の包帯が解けてしまって巻き直しをお願いしてぇんですが」
「ルフィと一緒に男部屋じゃねえか? それか見張り台だ」
「男部屋は見たんです。見張り台も確認してみますね」
「――ねぇ『シャイタン』?」
ドアを閉めてチョッパーを探しに行きかけたペンギンをそう呼び止めてみた。瞬きの後、珍しい紫の眼がナミに向けられる。
「あんまり『シャイタン』とは呼ばねぇでもらいてぇんだけどぉ、何ですぅ?」
「サンジ君とキスの位置の話をしたらしいけど、相手は誰っていうことで話してたの?」
「ああ、イチジ君ですよ」
あっけらかんと答えられてナミだけではなくサンジも言葉を失っていた。サンジの場合は兄の一人だから尚更か。
ペンギンが苦笑する。
「一目惚れだったみてぇですよ。多分ですけどぉ」
夕食後のお茶を味わっていた最中、食器を洗っていたサンジがふと思い出したように訊いてきてきたのは、正直彼とはあまり縁のなさそうな『キスの位置』の話だった。
サンジとは、というよりこの船の野郎共全員が縁の無い話である。ウソップはもしかしたら彼の故郷のカヤと共にあるかもしれないが、他のメンバーはナミが思う限り縁など遠い。
「なんでそんなことを?」
「昼間ペンギンと話してて話題に出たんだ。レディのナミさんなら知ってるかと思って」
言われてなるほどと納得する反面、ペンギンもペンギンでそういった話とは関わりが無さそうなのにと内心で不思議に思った。彼とは長い付き合いではないし、本当の正体を知ったのもそう遠い昔の話ではない。けれども彼が女性と接触した様子や雰囲気はここまで無かった筈だと断言出来る。
とはいえ千年以上生きているという伝説のある人物だから、この数週間程度の付き合いのナミでは分からない関係もあるのだろうが。
「キスをする体の場所でそれぞれ意味があるって話よ。例えば手なら尊敬、額なら友情、唇なら愛情、とかね」
「んナミさんにキスするなら断然唇だね!」
「言っとくけどアタシはどこでも全部有料だから」
「そんなナミさんも素敵だ! ……キスの場所によって意味が違う、か」
一応納得はしたらしいサンジはしかしそれでも首を捻っている。ナミも同じように内心で不思議に思う。いったいどんな内容の話をしていれば男同士でキスの位置などという恋愛間の話になるのか。
まさかとは思うがどちらかがされたのか、誰かに。
「ねえ、それって――」
「すみません、チョッパー船医知りませんか?」
ドアが開いて食堂にペンギンが入ってくる。トラ男から借りた帽子は、食事後に洗うと言っていたからか今は被っていない。ロビンよりも長い黒髪が結わえられずに流れている。
「腕の包帯が解けてしまって巻き直しをお願いしてぇんですが」
「ルフィと一緒に男部屋じゃねえか? それか見張り台だ」
「男部屋は見たんです。見張り台も確認してみますね」
「――ねぇ『シャイタン』?」
ドアを閉めてチョッパーを探しに行きかけたペンギンをそう呼び止めてみた。瞬きの後、珍しい紫の眼がナミに向けられる。
「あんまり『シャイタン』とは呼ばねぇでもらいてぇんだけどぉ、何ですぅ?」
「サンジ君とキスの位置の話をしたらしいけど、相手は誰っていうことで話してたの?」
「ああ、イチジ君ですよ」
あっけらかんと答えられてナミだけではなくサンジも言葉を失っていた。サンジの場合は兄の一人だから尚更か。
ペンギンが苦笑する。
「一目惚れだったみてぇですよ。多分ですけどぉ」