トットランド編
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サンジ視点
約束の時間一分前。広場に設置された鏡の表面に歪みが生じたかと思うとどこからともなくブリュレの悲鳴が聞こえてきた。
鏡の中から聞こえてきたそれに広場へ集まっていた幹部達がそれぞれ武器を構えて出てこようとしている者を待ちかまえるのに、サンジは固唾を呑んで誰が出てくるのかを見守る。サンジより一足先にルフィを迎えに行ったペンギンからの連絡は当然だが無い。だからルフィがどうなったのかもペンギンが無事にルフィと合流できたのかも分からなかった。
ただ、ルフィは約束を破らない。
「来るぞ! 狙い撃てェ!」
鏡の歪みが一際大きくなる。その直後鏡の中から白い何かが飛び出してきた。
ビッグマム海賊団の面々だけではなくサンジすらもその飛び出してきたモノの姿を見て息を呑む。誰もがこうなるとは予想していなかっただろう。
出てきたのは白い獣だった。
月の明かりを反射して白銀に煌めく真っ白な毛並み。身体の至る所へ染め入れられた朱い墨。四つ足の山羊の様な、けれども明確に山羊とは言い切れない姿はいっそ神々しく、その場の全員が一斉に視線を奪われた。
山羊にしても牛にしても多い角と眼。宙へと飛び上がる様に鏡から出てきたその背中には、マスクをしたペコムズと拘束されているブリュレの姿がある。
「助けて、みんなー!」
ブリュレの悲鳴がいっそ場違いな雰囲気すらもって響く。そのブリュレを抑え込んだままペコムズがサングラスを外して月を見上げていた。
「スーロン!?」
「ペコムズもスーロン化するつもりか!?」
「取り押さえろ!」
いち早く正気に戻った誰かの声。動き出す幹部達を見下ろした白い獣が落下しながら、この広場で待ち伏せをしていた者達のリーダー格だと思われるオーブンを見る。
そうして首を巡らせたかと思うとブリュレの服をくわえ、ブリュレと白く変貌している最中だったペコムズをオーブンのいる方へと放り投げた。ペコムズはともかく流石に妹のブリュレに手荒い真似は出来ないのか、蹴り飛ばすでもなくただ避けたオーブンに、白い獣が地に足を着く。
その姿が今度は、ペンギンのそれへと変わっていった。
ペコムズとブリュレ共々背中へ乗せていたらしいルフィを背負い、石畳に足を着けたペンギンが顔を上げる。その紫の眼が身を隠していたサンジを見つけたことを確信した。
「――こちらサンジ。ルフィが出てきた!」
電伝虫でサニー号の皆にルフィが目視できた事を伝える。受話器の向こうから歓声が聞こえた。
約束の時間一分前。広場に設置された鏡の表面に歪みが生じたかと思うとどこからともなくブリュレの悲鳴が聞こえてきた。
鏡の中から聞こえてきたそれに広場へ集まっていた幹部達がそれぞれ武器を構えて出てこようとしている者を待ちかまえるのに、サンジは固唾を呑んで誰が出てくるのかを見守る。サンジより一足先にルフィを迎えに行ったペンギンからの連絡は当然だが無い。だからルフィがどうなったのかもペンギンが無事にルフィと合流できたのかも分からなかった。
ただ、ルフィは約束を破らない。
「来るぞ! 狙い撃てェ!」
鏡の歪みが一際大きくなる。その直後鏡の中から白い何かが飛び出してきた。
ビッグマム海賊団の面々だけではなくサンジすらもその飛び出してきたモノの姿を見て息を呑む。誰もがこうなるとは予想していなかっただろう。
出てきたのは白い獣だった。
月の明かりを反射して白銀に煌めく真っ白な毛並み。身体の至る所へ染め入れられた朱い墨。四つ足の山羊の様な、けれども明確に山羊とは言い切れない姿はいっそ神々しく、その場の全員が一斉に視線を奪われた。
山羊にしても牛にしても多い角と眼。宙へと飛び上がる様に鏡から出てきたその背中には、マスクをしたペコムズと拘束されているブリュレの姿がある。
「助けて、みんなー!」
ブリュレの悲鳴がいっそ場違いな雰囲気すらもって響く。そのブリュレを抑え込んだままペコムズがサングラスを外して月を見上げていた。
「スーロン!?」
「ペコムズもスーロン化するつもりか!?」
「取り押さえろ!」
いち早く正気に戻った誰かの声。動き出す幹部達を見下ろした白い獣が落下しながら、この広場で待ち伏せをしていた者達のリーダー格だと思われるオーブンを見る。
そうして首を巡らせたかと思うとブリュレの服をくわえ、ブリュレと白く変貌している最中だったペコムズをオーブンのいる方へと放り投げた。ペコムズはともかく流石に妹のブリュレに手荒い真似は出来ないのか、蹴り飛ばすでもなくただ避けたオーブンに、白い獣が地に足を着く。
その姿が今度は、ペンギンのそれへと変わっていった。
ペコムズとブリュレ共々背中へ乗せていたらしいルフィを背負い、石畳に足を着けたペンギンが顔を上げる。その紫の眼が身を隠していたサンジを見つけたことを確信した。
「――こちらサンジ。ルフィが出てきた!」
電伝虫でサニー号の皆にルフィが目視できた事を伝える。受話器の向こうから歓声が聞こえた。