トットランド編
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夢主視点
日が昇る前にどうにか水あめで出来た海域を突破し、ジュースの海をホールケーキアイランドへ着く間に仮眠をさせてもらい数時間後。ルフィの声で目を覚ました。
甲板から眺めるビッグマムがいるとされる『ホールケーキアイランド』は、その名の通りいくつものホールケーキが乱立したような見た目の島である。
よく見ればそのケーキはそれぞれ窓がついていた。ということは人が内部へ住んでいる建造物なのだろう。ペドロの話では一番高いホールケーキがビッグマムの住む城らしい。
ホールケーキアイランドの南西の海岸へサンジを連れてくるとプリンは言っていた。その南西の海岸にある岬を眺めていたルフィが不意に誰かがいると叫ぶ。
「サンジだ! プリンもいるぞ!」
嬉しそうに叫ぶルフィの隣へ並び、シルビも眺めてみるがサンジの姿どころかプリンの姿も見えなかった。プリンはともかくサンジの格好はあまり覚えていないし、島がカラフルだから見逃したのかともう一度確認してみるが人らしい姿自体がない。
船を見て警戒して隠れたのだろうかと思ったが、それもあまり考えられる理由にはならなかった。プリンはサニー号を知らないだろうがサンジは乗っていた訳だから当然知っている。なので警戒したにしてもすぐにサニー号だと分かってこちらへ合図を送るなりするだろう。
なのにしない。
「ナミさん。確かペドロとブルック楽士はポーネグリフの写しを手に入れに行くんでしたよねぇ?」
「え? ええ、そうよ」
「じゃあ、俺はちょっとヴィンスモークに潜入してきていいですか? サンジ料理長が急にいなくなったとすれば動きがあるかも知れませんし」
あの海岸にプリンとサンジが居て、サンジをこの船へ乗せられたら乗せられたで別に構わなかった。だが手配書を『生け捕り限定』にしたり仲間を人質にしたりしてまでサンジを連れ戻そうとしたヴィンスモークが、居なくなったサンジに捜索の手を伸ばさないとは考えられない。
逃げたと分かればプリンとの結婚を成立させるまで追ってくるだろう。そしてプリンがこの海岸へサンジを無事に連れてきていたのなら、その二人を捜す話だって出ている筈だ。
逆に、あの海岸でルフィが見たという二人の姿が罠だという可能性もシルビの中では消えていなかった。いずれにせよヴィンスモークの動向も探ってしかるべきである。
「別にいいけど、ペンギン君一人で大丈夫?」
「それは大丈夫です。潜入は得意な方ですから」
むしろ誰かと一緒に行動する方がシルビとしては不便だ。
小型潜水艇『シャークサブマージ三号』にブルックとペドロが乗り込んで、ホールケーキアイランドの中心部へあるビッグマムの城へと潜入するのに、シルビも途中まで同行させてもらうことにした。
ハートの船である潜水艦に比べれば当然狭いシャークサブマージ三号は三人乗りでギリギリである。とはいえ骨だけのブルックと年齢で平均するとすこぶる軽いシルビとペドロでは、重量に関しては問題ないだろう。
「自分で思って悲しくなってきたぁ……」
「不安ですか? 大丈夫。私が運転しますから」
運航に不安は覚えていない。
南西の海岸から川を遡り、途中でシルビを降ろしてもらって二人はビッグマムの城へ近づく。
「サンジとプリンに合流したらこの辺りで待ってるよ!」
「互いにくれぐれも気をつけよう。ペコムズのメッセージを忘れるな!」
「――では行きましょう!」
シャークサブマージ三号が海中へと潜水する。海中は流石にお菓子で構成された魚などがいる様子は無かった。液体に浸かり続けていることになるからか。
水深はそれなりに深い。河口を遡り始めたらどうなるか分からないが、この島の大きさで考えるに随分上流まで問題ない深さがありそうだった。
「ペンギンさんは途中で降ろせばいいんでしたね?」
「ええ、お願いします」
ビッグマムのナワバリのどこにジェルマがいるのかは不明だが、プリンとサンジが結婚するに当たって会場はビッグマムのいるホールケーキアイランドだろうし、プリンが南西の海岸へと言ったのだってサンジがそこから近い場所へは来られるからということであったはずだ。
だとすればホールケーキアイランドの何処かに確実にジェルマはいる。結婚式の主役の身内が他の島へいるということは考えられない。
ましてやジェルマは特殊な国である。
「途中で降りてからどうするんだ? この島は広いぞ」
「移動手段のことですかぁ? それは俺一人なら別に問題はありません」
一人になれば第八の炎による転移をしたって問題はない。無論見られたら困るが敵に見られるのと味方に見られるのとでは話が大分違ってくる。
特に今回のメンバーでは尚更だ。これが船長やバンダナやシャチかロビンとかであったならもうあまり構いやしないだろうが。いや、シャチはダメか。
そう考えて、以前バンダナに言われた『バレてからちょっと警戒心が薄れてやしないかい?』という言葉を思い出した。ブルックにもバレてしまったし、なるほど確かに注意が足りないかも知れない。
日が昇る前にどうにか水あめで出来た海域を突破し、ジュースの海をホールケーキアイランドへ着く間に仮眠をさせてもらい数時間後。ルフィの声で目を覚ました。
甲板から眺めるビッグマムがいるとされる『ホールケーキアイランド』は、その名の通りいくつものホールケーキが乱立したような見た目の島である。
よく見ればそのケーキはそれぞれ窓がついていた。ということは人が内部へ住んでいる建造物なのだろう。ペドロの話では一番高いホールケーキがビッグマムの住む城らしい。
ホールケーキアイランドの南西の海岸へサンジを連れてくるとプリンは言っていた。その南西の海岸にある岬を眺めていたルフィが不意に誰かがいると叫ぶ。
「サンジだ! プリンもいるぞ!」
嬉しそうに叫ぶルフィの隣へ並び、シルビも眺めてみるがサンジの姿どころかプリンの姿も見えなかった。プリンはともかくサンジの格好はあまり覚えていないし、島がカラフルだから見逃したのかともう一度確認してみるが人らしい姿自体がない。
船を見て警戒して隠れたのだろうかと思ったが、それもあまり考えられる理由にはならなかった。プリンはサニー号を知らないだろうがサンジは乗っていた訳だから当然知っている。なので警戒したにしてもすぐにサニー号だと分かってこちらへ合図を送るなりするだろう。
なのにしない。
「ナミさん。確かペドロとブルック楽士はポーネグリフの写しを手に入れに行くんでしたよねぇ?」
「え? ええ、そうよ」
「じゃあ、俺はちょっとヴィンスモークに潜入してきていいですか? サンジ料理長が急にいなくなったとすれば動きがあるかも知れませんし」
あの海岸にプリンとサンジが居て、サンジをこの船へ乗せられたら乗せられたで別に構わなかった。だが手配書を『生け捕り限定』にしたり仲間を人質にしたりしてまでサンジを連れ戻そうとしたヴィンスモークが、居なくなったサンジに捜索の手を伸ばさないとは考えられない。
逃げたと分かればプリンとの結婚を成立させるまで追ってくるだろう。そしてプリンがこの海岸へサンジを無事に連れてきていたのなら、その二人を捜す話だって出ている筈だ。
逆に、あの海岸でルフィが見たという二人の姿が罠だという可能性もシルビの中では消えていなかった。いずれにせよヴィンスモークの動向も探ってしかるべきである。
「別にいいけど、ペンギン君一人で大丈夫?」
「それは大丈夫です。潜入は得意な方ですから」
むしろ誰かと一緒に行動する方がシルビとしては不便だ。
小型潜水艇『シャークサブマージ三号』にブルックとペドロが乗り込んで、ホールケーキアイランドの中心部へあるビッグマムの城へと潜入するのに、シルビも途中まで同行させてもらうことにした。
ハートの船である潜水艦に比べれば当然狭いシャークサブマージ三号は三人乗りでギリギリである。とはいえ骨だけのブルックと年齢で平均するとすこぶる軽いシルビとペドロでは、重量に関しては問題ないだろう。
「自分で思って悲しくなってきたぁ……」
「不安ですか? 大丈夫。私が運転しますから」
運航に不安は覚えていない。
南西の海岸から川を遡り、途中でシルビを降ろしてもらって二人はビッグマムの城へ近づく。
「サンジとプリンに合流したらこの辺りで待ってるよ!」
「互いにくれぐれも気をつけよう。ペコムズのメッセージを忘れるな!」
「――では行きましょう!」
シャークサブマージ三号が海中へと潜水する。海中は流石にお菓子で構成された魚などがいる様子は無かった。液体に浸かり続けていることになるからか。
水深はそれなりに深い。河口を遡り始めたらどうなるか分からないが、この島の大きさで考えるに随分上流まで問題ない深さがありそうだった。
「ペンギンさんは途中で降ろせばいいんでしたね?」
「ええ、お願いします」
ビッグマムのナワバリのどこにジェルマがいるのかは不明だが、プリンとサンジが結婚するに当たって会場はビッグマムのいるホールケーキアイランドだろうし、プリンが南西の海岸へと言ったのだってサンジがそこから近い場所へは来られるからということであったはずだ。
だとすればホールケーキアイランドの何処かに確実にジェルマはいる。結婚式の主役の身内が他の島へいるということは考えられない。
ましてやジェルマは特殊な国である。
「途中で降りてからどうするんだ? この島は広いぞ」
「移動手段のことですかぁ? それは俺一人なら別に問題はありません」
一人になれば第八の炎による転移をしたって問題はない。無論見られたら困るが敵に見られるのと味方に見られるのとでは話が大分違ってくる。
特に今回のメンバーでは尚更だ。これが船長やバンダナやシャチかロビンとかであったならもうあまり構いやしないだろうが。いや、シャチはダメか。
そう考えて、以前バンダナに言われた『バレてからちょっと警戒心が薄れてやしないかい?』という言葉を思い出した。ブルックにもバレてしまったし、なるほど確かに注意が足りないかも知れない。