トットランド編
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バンダナ視点
船長の所に行ったら船長が持っていた電伝虫が鳴り、麦藁のルフィと一緒にサンジとかいう奴の奪還へ向かったペンギンから愚痴を吐かれている。そんな何とも言えない状況に、バンダナは嫌なタイミングで来てしまったなと思った。
ペンギンが船長に電伝虫を渡していた事実も驚きだが、ペンギンが船長へ電話をしてきたというのも驚きである。
だが後者に関しては少し考えればしてくるだろうと予想は出来た。あれでいてペンギンはハートの中では船長へ一番に心を許している。愚痴を吐く相手としたらバンダナかジャンバールだろうが、弱ったところを見せるとしたら船長だ。
そもそも麦藁と一緒に行くのもあまり乗り気ではなかった。せっかく戻ってきた船長と一人また離ればなれだ。船長はハートの誰ともまだ落ち着いて長話をする時間は取れていないし、ペンギンだって船長とバンダナ以外にとっては『重傷が治った直後の単独行動』である。
落ち着く暇なんてありはしなかった。
「もしもしペンちゃん?」
『――バンダナさん』
船長から電伝虫を借りて話しかける。
「食料が尽きたって言ったけど、戻ってくるのかい?」
『いえ、このまま進むそうです。時間もありませんし』
「じゃあおっさん何も助けてやれないわ」
『愚痴を聞いてもらえただけで充分です。……ちょっと取り乱しました』
「ハートの船じゃないもんねえ。ペンちゃんだって麦藁のペースを覚えるまで大変だろうさ」
『……バンダナさんかベポを今すぐ抱きしめたいです』
ハグをしたいと言葉にして言うところからして結構重症だ。普段であれば思っても言わないし状況や相手や空気を読んで接する。
「無事に帰ってきたらオレも船長もしてあげるさ」
「!?」
横で聞いていた船長が驚いているがそこは空気を読めと思う。
『……いや、船長はしねぇでしょう』
だろうな。
全く内容に意味のない慰めはそれでも効いたのか、電伝虫の向こうでペンギンが深く息を吐いた。バンダナや船長の声を聞いただけでも気分転換になったのだろう。
『コレこっそり電話しているので、そろそろ切ります。ご迷惑をおかけしました』
「迷惑なんかじゃあないさ。大事な仲間の愚痴だからね」
『ふふ――問題は何一つ解決してませんがもう少し頑張ってみます』
切れた通話に紫色の眼をした電伝虫が瞼を閉じる。その送話機を置いてバンダナは船長を見た。
「……結構な量の食料積んでましたよね?」
「麦藁屋はよく食うぞ」
「それを考慮して積み込むモンでしょう?」
「……最悪ペンギンがどうにかすんだろ」
船長の所に行ったら船長が持っていた電伝虫が鳴り、麦藁のルフィと一緒にサンジとかいう奴の奪還へ向かったペンギンから愚痴を吐かれている。そんな何とも言えない状況に、バンダナは嫌なタイミングで来てしまったなと思った。
ペンギンが船長に電伝虫を渡していた事実も驚きだが、ペンギンが船長へ電話をしてきたというのも驚きである。
だが後者に関しては少し考えればしてくるだろうと予想は出来た。あれでいてペンギンはハートの中では船長へ一番に心を許している。愚痴を吐く相手としたらバンダナかジャンバールだろうが、弱ったところを見せるとしたら船長だ。
そもそも麦藁と一緒に行くのもあまり乗り気ではなかった。せっかく戻ってきた船長と一人また離ればなれだ。船長はハートの誰ともまだ落ち着いて長話をする時間は取れていないし、ペンギンだって船長とバンダナ以外にとっては『重傷が治った直後の単独行動』である。
落ち着く暇なんてありはしなかった。
「もしもしペンちゃん?」
『――バンダナさん』
船長から電伝虫を借りて話しかける。
「食料が尽きたって言ったけど、戻ってくるのかい?」
『いえ、このまま進むそうです。時間もありませんし』
「じゃあおっさん何も助けてやれないわ」
『愚痴を聞いてもらえただけで充分です。……ちょっと取り乱しました』
「ハートの船じゃないもんねえ。ペンちゃんだって麦藁のペースを覚えるまで大変だろうさ」
『……バンダナさんかベポを今すぐ抱きしめたいです』
ハグをしたいと言葉にして言うところからして結構重症だ。普段であれば思っても言わないし状況や相手や空気を読んで接する。
「無事に帰ってきたらオレも船長もしてあげるさ」
「!?」
横で聞いていた船長が驚いているがそこは空気を読めと思う。
『……いや、船長はしねぇでしょう』
だろうな。
全く内容に意味のない慰めはそれでも効いたのか、電伝虫の向こうでペンギンが深く息を吐いた。バンダナや船長の声を聞いただけでも気分転換になったのだろう。
『コレこっそり電話しているので、そろそろ切ります。ご迷惑をおかけしました』
「迷惑なんかじゃあないさ。大事な仲間の愚痴だからね」
『ふふ――問題は何一つ解決してませんがもう少し頑張ってみます』
切れた通話に紫色の眼をした電伝虫が瞼を閉じる。その送話機を置いてバンダナは船長を見た。
「……結構な量の食料積んでましたよね?」
「麦藁屋はよく食うぞ」
「それを考慮して積み込むモンでしょう?」
「……最悪ペンギンがどうにかすんだろ」