トットランド編
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夢主視点
錨を上げて出航したサウザントサニー号の甲板で、シルビは呑気に船縁へ座っている訳にもいかず舵を握っていた。
他人様の船だというのにシルビが舵を握っているのは、他の皆がゾウからの落下の衝撃からまだ回復していないからである。元気なのはシルビとルフィだけで、ルフィは騒いでばかりで舵を取ろうとはしてくれない。
「ナミさんも休んでいていいですよ?」
「そう……?」
「一応俺も航海術は身に着けてますしねぇ。ログホースさえ貸してくれれば」
「もーなんだよー! 気合いを入れろよ! 沈むぞ!」
「うっさいわね! アンタがゾウから急に飛び降りるから! もうみんなぐったりよ! バカ!」
だから休んでいていいというのに。
「ありがとう……おれは生きている喜びを今噛みしめている……。そして覚えてろ……!」
ライオンのミンク改めペコムズが甲板で微動だにせず横たわったまま恨みを吐いている。ナミや彼だけではなく、チョッパーやブルックも死にかけだ。いや、ブルックは既に一度死んでいるのか。
ペドロは根性でまだマシな様だがげんなりしている。
そしてあと一人。
「わーっ! ホントに海の上~! こんなに重そうな船が浮いて進んでる~!」
「な! 何でお前がいるんだァー!?」
船室から飛び出してきたウサギのミンクのキャロットに、ルフィだけではなくナミやペドロも驚いていた。見送りの中には居なかったし、サニー号へ気配がしていた時点で一緒に行くのだと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。
興奮気味にルフィ達へガルチューをしたキャロットが、舵を掴んでいたシルビへも飛びついてくる。
「ペンギーン! ――ペンギン?」
「そうだぜぇ」
「素顔かわいい!」
可愛いというのは男にとって褒め言葉ではないと誰か教えるべきだ。
「悪いが一度船を戻してくれ」
「引き返さないでー!」
ナミへ申し出たペドロにキャロットがしがみついた。
どうやら一度海へ冒険へ出てみたかったが為に、隠れて船へ乗り込んだらしい。ペドロの言う通り、海を統べている『四皇』の一角を担うビッグ・マムのアジトへ行くのだ。あまり単純な冒険気分ではいられないだろう。
荷造りの量からしても完璧ハイキング気分という感じか。弁当とジュースとおやつが全て人参であるところにウサギの本気を見た気分であるが、実際の動物のウサギへ人参を与え過ぎると腹を壊す。ちなみに馬へ人参を与えすぎても虫歯へなるらしい。
そんなキャロットは目的地へまで数日掛かると聞いて驚いていた。
錨を上げて出航したサウザントサニー号の甲板で、シルビは呑気に船縁へ座っている訳にもいかず舵を握っていた。
他人様の船だというのにシルビが舵を握っているのは、他の皆がゾウからの落下の衝撃からまだ回復していないからである。元気なのはシルビとルフィだけで、ルフィは騒いでばかりで舵を取ろうとはしてくれない。
「ナミさんも休んでいていいですよ?」
「そう……?」
「一応俺も航海術は身に着けてますしねぇ。ログホースさえ貸してくれれば」
「もーなんだよー! 気合いを入れろよ! 沈むぞ!」
「うっさいわね! アンタがゾウから急に飛び降りるから! もうみんなぐったりよ! バカ!」
だから休んでいていいというのに。
「ありがとう……おれは生きている喜びを今噛みしめている……。そして覚えてろ……!」
ライオンのミンク改めペコムズが甲板で微動だにせず横たわったまま恨みを吐いている。ナミや彼だけではなく、チョッパーやブルックも死にかけだ。いや、ブルックは既に一度死んでいるのか。
ペドロは根性でまだマシな様だがげんなりしている。
そしてあと一人。
「わーっ! ホントに海の上~! こんなに重そうな船が浮いて進んでる~!」
「な! 何でお前がいるんだァー!?」
船室から飛び出してきたウサギのミンクのキャロットに、ルフィだけではなくナミやペドロも驚いていた。見送りの中には居なかったし、サニー号へ気配がしていた時点で一緒に行くのだと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。
興奮気味にルフィ達へガルチューをしたキャロットが、舵を掴んでいたシルビへも飛びついてくる。
「ペンギーン! ――ペンギン?」
「そうだぜぇ」
「素顔かわいい!」
可愛いというのは男にとって褒め言葉ではないと誰か教えるべきだ。
「悪いが一度船を戻してくれ」
「引き返さないでー!」
ナミへ申し出たペドロにキャロットがしがみついた。
どうやら一度海へ冒険へ出てみたかったが為に、隠れて船へ乗り込んだらしい。ペドロの言う通り、海を統べている『四皇』の一角を担うビッグ・マムのアジトへ行くのだ。あまり単純な冒険気分ではいられないだろう。
荷造りの量からしても完璧ハイキング気分という感じか。弁当とジュースとおやつが全て人参であるところにウサギの本気を見た気分であるが、実際の動物のウサギへ人参を与え過ぎると腹を壊す。ちなみに馬へ人参を与えすぎても虫歯へなるらしい。
そんなキャロットは目的地へまで数日掛かると聞いて驚いていた。