原作前日常編
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バンダナ視点
ハートの戦闘力ははやり悪魔の実の能力者というだけあって、船長が平均値を上げている。ただし海上での戦闘では海に落ちる可能性を考えてか、無意識に制限しているようだった。
ではクルーはどうなのだという話になると、これは断トツで誰もが声を合わせて『ペンギンが一番』だと言うだろう。
バンダナの記憶では彼は最初『旅の薬師』だと自身のことを言っていたが、その一介の旅の薬師にしては滅法強い。海賊でも犯罪者でもなかった頃から既にそんなに強い理由が、バンダナはペンギンの戦っている光景を見る度に不思議に思えた。
「わ、わ、わわっ!」
「シャチ、避けてるだけじゃ手合わせになんねぇだろぉ」
まだ新入りと言っても過言ではないシャチの訓練に付き合って手合わせしているペンギンを眺める。避けるので精一杯で未だに一度も反撃出来ていないシャチへ向けて、ペンギンは休む暇を与えない様に何度も攻撃を繰り出していた。
海兵相手や襲撃の際の動きに比べれば随分と遅いし丁寧なそれは、おそらく十二分に手加減をしているからだろう。その証拠に暫く見ていれば分かったことだが、ペンギンは右手でしか攻撃していない。
疲れてきたのだろうシャチが足をもつれさせてバランスを崩し、後ろへ倒れそうになった段階でやっとペンギンが左手を伸ばしシャチを支える。
「少し休憩だなぁ。水分補給しなさい」
「うぇー、まだやんの?」
「だってシャチ手合わせなのに反撃してこねぇしぃ」
一度でも反撃出来るまでやるとなったら、あの調子では今日一日が潰れるに違いない。
フラフラとバンダナの傍に用意してあったタオルと水へ寄ってくるシャチとは違い、まだ休憩を必要とするどころか汗も掻いてないペンギンは、暇を持て余すように進行方向の海を眺めていた。バンダナが吸っていた煙草を消すと船内から船長が出てくる。
「昼寝ですかい?」
「さっきまで寝てた。暇だ」
「襲撃も無いですからねえ。今シャチとペンちゃんが手合わせしてたんですけど、船長もたまにはどうです?」
手合わせをする相手であるペンギンの意思は気にせずバンダナが提案すれば、船長がペンギンを見た。ペンギンは手持ち無沙汰そうに手摺りから身を乗り出して海面を覗き込んでいる。
何を思ったのか船長が手の上で能力を発動させた。
「“ROOM”」
船長の能力による透明な膜が広がり、何事かと振り返ったペンギンへ向けて船長が持っていた長刀を抜く。鞘をバンダナへ押し付けて船長が踏み出した。
「付き合え」
「無手でぇ?」
「好きにしていい」
手摺りから身を離して船長に向き直ったペンギンは、面倒そうに首を傾けてから両手を振って無駄な力を抜きつつ船長を見やり、右手を前へ突き出し左手を腰元に引いた姿勢をとる。
「えーと……『コレが終わる時にはアンタは八つ裂きになってるかもな』?」
「何ソレ物騒!」
「っていうか武器を持たずに言う台詞じゃないよ」
「鬼哭折ったらすいません」
「折れるのか?」
「折れと言うなら」
ハートの戦闘力ははやり悪魔の実の能力者というだけあって、船長が平均値を上げている。ただし海上での戦闘では海に落ちる可能性を考えてか、無意識に制限しているようだった。
ではクルーはどうなのだという話になると、これは断トツで誰もが声を合わせて『ペンギンが一番』だと言うだろう。
バンダナの記憶では彼は最初『旅の薬師』だと自身のことを言っていたが、その一介の旅の薬師にしては滅法強い。海賊でも犯罪者でもなかった頃から既にそんなに強い理由が、バンダナはペンギンの戦っている光景を見る度に不思議に思えた。
「わ、わ、わわっ!」
「シャチ、避けてるだけじゃ手合わせになんねぇだろぉ」
まだ新入りと言っても過言ではないシャチの訓練に付き合って手合わせしているペンギンを眺める。避けるので精一杯で未だに一度も反撃出来ていないシャチへ向けて、ペンギンは休む暇を与えない様に何度も攻撃を繰り出していた。
海兵相手や襲撃の際の動きに比べれば随分と遅いし丁寧なそれは、おそらく十二分に手加減をしているからだろう。その証拠に暫く見ていれば分かったことだが、ペンギンは右手でしか攻撃していない。
疲れてきたのだろうシャチが足をもつれさせてバランスを崩し、後ろへ倒れそうになった段階でやっとペンギンが左手を伸ばしシャチを支える。
「少し休憩だなぁ。水分補給しなさい」
「うぇー、まだやんの?」
「だってシャチ手合わせなのに反撃してこねぇしぃ」
一度でも反撃出来るまでやるとなったら、あの調子では今日一日が潰れるに違いない。
フラフラとバンダナの傍に用意してあったタオルと水へ寄ってくるシャチとは違い、まだ休憩を必要とするどころか汗も掻いてないペンギンは、暇を持て余すように進行方向の海を眺めていた。バンダナが吸っていた煙草を消すと船内から船長が出てくる。
「昼寝ですかい?」
「さっきまで寝てた。暇だ」
「襲撃も無いですからねえ。今シャチとペンちゃんが手合わせしてたんですけど、船長もたまにはどうです?」
手合わせをする相手であるペンギンの意思は気にせずバンダナが提案すれば、船長がペンギンを見た。ペンギンは手持ち無沙汰そうに手摺りから身を乗り出して海面を覗き込んでいる。
何を思ったのか船長が手の上で能力を発動させた。
「“ROOM”」
船長の能力による透明な膜が広がり、何事かと振り返ったペンギンへ向けて船長が持っていた長刀を抜く。鞘をバンダナへ押し付けて船長が踏み出した。
「付き合え」
「無手でぇ?」
「好きにしていい」
手摺りから身を離して船長に向き直ったペンギンは、面倒そうに首を傾けてから両手を振って無駄な力を抜きつつ船長を見やり、右手を前へ突き出し左手を腰元に引いた姿勢をとる。
「えーと……『コレが終わる時にはアンタは八つ裂きになってるかもな』?」
「何ソレ物騒!」
「っていうか武器を持たずに言う台詞じゃないよ」
「鬼哭折ったらすいません」
「折れるのか?」
「折れと言うなら」