ゾウ編
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夢主視点
酒盛りが始まる前にミンク達へ頼まれ酒や料理の支度を手伝うことになり、料理を運んでいる最中にふと手に巻いていた包帯が濡れた。どうやら皿が濡れていたらしく湿った包帯に、邪魔でしかないから取ってしまうかと考える。
どうせこの包帯は切断された両腕を復活させたという演技の為のフェイクだ。安静を思わせる為の物でしかないので、正直付けていても仕方がない。
宴会場へ料理を運んでから人気の無い場所へ移動して袖を捲り、腕に巻いていた包帯を剥ぐ。
ドレスローザで負った多少の擦り傷は残っているものの、当然だが切断の痕も縫合の痕も無い。擦り傷もどうせだから直してしまうかと思ったところで、カシカシと小さな足音がした。
「どうしたんだ?」
おそらくまだミンク達の診察をしていたのだろうチョッパーが、医療鞄を抱えてシルビを見上げている。それからシルビの手にある剥いだばかりの包帯を見て、慌てたように駆け寄ってきた。
「包帯取っちまったのか!? 腕は!?」
「診ますか?」
しゃがんでチョッパーの目線に合わせ包帯を解いた腕を突き出す。殆ど同時にシルビの腕を掴んで観察し始めた彼に、シルビは少しだけ心苦しく思った。
本当は怪我なんてしていなかった腕だ。それをけれども彼は真剣に騙され真剣に案じている。
偶蹄目の前足がシルビの腕を撫でるように滑った。
「……本当に再生してんだな。痛くねえのか?」
「痛みもありませんよ。神経もちゃんと繋がってる」
「でも痛かっただろ?」
シルビの腕を掴んだまま見上げてくる彼が言いたいのは、襲撃の際の切断直後のことか。
何度も言うがそれはシルビではなかった。けれどもそれを告げる訳にもいかず、違う時の経験を思い出す。今はもう遙か昔、やはり片足を自分で千切った時のことだ。
「痛みよりも、優先してぇことがありましたから」
「ネコマムシやベポ達を守ることか?」
「俺は死んだ人は生き返らせられねぇ」
宴会場のほうから笑い声が聞こえてくる。
「だから死んで欲しくはありません」
「……ブルックじゃあるまいし、人は生き返らねえだろ?」
「ふふ、そうですねぇ」
魂は一つだ。
「でもチョッパー船医。シャイタンは『人を生き返らせる事が出来る』って言ったら、どうします?」
「シャイタンってそんな事も出来んのか? ペンギンのじいちゃんスゲーな!」
「じ――」
予想外の言葉に絶句していれば、チョッパーはシルビの腕を離して夢見る子供のように目を輝かせる。実際彼はシルビより随分と年下だが、それにしたって『死告シャイタン』がシルビの先祖だという嘘を信じてこの言い様か。
「じい、ちゃん?」
「? じいちゃんだろ?」
酒盛りが始まる前にミンク達へ頼まれ酒や料理の支度を手伝うことになり、料理を運んでいる最中にふと手に巻いていた包帯が濡れた。どうやら皿が濡れていたらしく湿った包帯に、邪魔でしかないから取ってしまうかと考える。
どうせこの包帯は切断された両腕を復活させたという演技の為のフェイクだ。安静を思わせる為の物でしかないので、正直付けていても仕方がない。
宴会場へ料理を運んでから人気の無い場所へ移動して袖を捲り、腕に巻いていた包帯を剥ぐ。
ドレスローザで負った多少の擦り傷は残っているものの、当然だが切断の痕も縫合の痕も無い。擦り傷もどうせだから直してしまうかと思ったところで、カシカシと小さな足音がした。
「どうしたんだ?」
おそらくまだミンク達の診察をしていたのだろうチョッパーが、医療鞄を抱えてシルビを見上げている。それからシルビの手にある剥いだばかりの包帯を見て、慌てたように駆け寄ってきた。
「包帯取っちまったのか!? 腕は!?」
「診ますか?」
しゃがんでチョッパーの目線に合わせ包帯を解いた腕を突き出す。殆ど同時にシルビの腕を掴んで観察し始めた彼に、シルビは少しだけ心苦しく思った。
本当は怪我なんてしていなかった腕だ。それをけれども彼は真剣に騙され真剣に案じている。
偶蹄目の前足がシルビの腕を撫でるように滑った。
「……本当に再生してんだな。痛くねえのか?」
「痛みもありませんよ。神経もちゃんと繋がってる」
「でも痛かっただろ?」
シルビの腕を掴んだまま見上げてくる彼が言いたいのは、襲撃の際の切断直後のことか。
何度も言うがそれはシルビではなかった。けれどもそれを告げる訳にもいかず、違う時の経験を思い出す。今はもう遙か昔、やはり片足を自分で千切った時のことだ。
「痛みよりも、優先してぇことがありましたから」
「ネコマムシやベポ達を守ることか?」
「俺は死んだ人は生き返らせられねぇ」
宴会場のほうから笑い声が聞こえてくる。
「だから死んで欲しくはありません」
「……ブルックじゃあるまいし、人は生き返らねえだろ?」
「ふふ、そうですねぇ」
魂は一つだ。
「でもチョッパー船医。シャイタンは『人を生き返らせる事が出来る』って言ったら、どうします?」
「シャイタンってそんな事も出来んのか? ペンギンのじいちゃんスゲーな!」
「じ――」
予想外の言葉に絶句していれば、チョッパーはシルビの腕を離して夢見る子供のように目を輝かせる。実際彼はシルビより随分と年下だが、それにしたって『死告シャイタン』がシルビの先祖だという嘘を信じてこの言い様か。
「じい、ちゃん?」
「? じいちゃんだろ?」