ゾウ編
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バンダナ視点
船長に正座をさせられてから、見る見るうちにペンギンの顔色が青ざめていく。今になって自分の行動がどういったものか理解したとばかりの態度にしかし、バンダナは慰める言葉をかけるつもりはなかった。
ペンギンが船長だけではなくハートのクルー達まで騙そうとしていたからだ。
魚人島へ行った時の様に『死告シャイタン』としての役割があったのかも知れない。もしかしたら影武者を置いていっただけマシなのかも知れない。だがそれで両腕と片足を失っておいて、ぬけぬけと元通りになろうとしていることはやはり納得がいかなかった。
しかも何だ『影』とは。伝説の賞金首はそんなことまで出来るのか。
あの惨状の中、瓦礫に転がっていたペンギンはバンダナが見る限りペンギンその者だった。ハートの為に、ミンク族の為に、もしくは誰かの為に自身の命を切り売りする様なバカな行為をする、ペンギンそのモノ。
船長はそんなペンギンにどんな説教をするのかと静観していれば、ペンギンを正座させた船長はペンギンへ気付かれない様にバンダナへと目配せをしてきた。ヘアバンドの位置を治しながら棚の傍へと移動すれば、背後で鞘が床へ落ちる音がする。
「っ――」
「船長!?」
ペンギンの声と船長のうめく声。振り返れば鬼哭で自身の腕へ傷を付けている船長。
慌てた様子でペンギンが立ち上がってその傷口へ手を伸ばすのに、船長は腕を高く上げてその手から逃れる。防寒帽を被っていないからペンギンの表情は明白で、自分で傷を作ったことへの驚きと、どうして逃げるのかといった困惑が浮かんでいた。
「お前本人はいいかも知れないがな、ペボ達にとってはこういうことだ。分身だったとしてもアイツ等にとって怪我をしたのはお前で、そんなアッサリと流していい話じゃねえだろ」
「ぅ……」
「そうでなくとも心配させてんだ。もっと反省しとけ」
「そうだよペンちゃん。オレ等は影だろうが本物だろうが関係なく心配したんだ。シャイタンが治したことにするなら治したでシャイタンに感謝するけど、治されたことにする本人がそんなアッサリじゃ、ペンちゃんは怪我したってどうでもいいことになるだろう?」
棚から取り出した消毒液やガーゼを持って戻れば、船長が切った腕をつきだしてくる。ドレスローザでも負傷して、治りきっていないだろう傷に巻かれていた包帯へも血が滲んでしまっていた。
船長に伸ばしていた手を降ろしたペンギンはそのまま自身の腕をさする。
「――どうでもいいでしょう」
消毒したところまでやった腕を、船長が今度はペンギンへ突き出す。
船長に正座をさせられてから、見る見るうちにペンギンの顔色が青ざめていく。今になって自分の行動がどういったものか理解したとばかりの態度にしかし、バンダナは慰める言葉をかけるつもりはなかった。
ペンギンが船長だけではなくハートのクルー達まで騙そうとしていたからだ。
魚人島へ行った時の様に『死告シャイタン』としての役割があったのかも知れない。もしかしたら影武者を置いていっただけマシなのかも知れない。だがそれで両腕と片足を失っておいて、ぬけぬけと元通りになろうとしていることはやはり納得がいかなかった。
しかも何だ『影』とは。伝説の賞金首はそんなことまで出来るのか。
あの惨状の中、瓦礫に転がっていたペンギンはバンダナが見る限りペンギンその者だった。ハートの為に、ミンク族の為に、もしくは誰かの為に自身の命を切り売りする様なバカな行為をする、ペンギンそのモノ。
船長はそんなペンギンにどんな説教をするのかと静観していれば、ペンギンを正座させた船長はペンギンへ気付かれない様にバンダナへと目配せをしてきた。ヘアバンドの位置を治しながら棚の傍へと移動すれば、背後で鞘が床へ落ちる音がする。
「っ――」
「船長!?」
ペンギンの声と船長のうめく声。振り返れば鬼哭で自身の腕へ傷を付けている船長。
慌てた様子でペンギンが立ち上がってその傷口へ手を伸ばすのに、船長は腕を高く上げてその手から逃れる。防寒帽を被っていないからペンギンの表情は明白で、自分で傷を作ったことへの驚きと、どうして逃げるのかといった困惑が浮かんでいた。
「お前本人はいいかも知れないがな、ペボ達にとってはこういうことだ。分身だったとしてもアイツ等にとって怪我をしたのはお前で、そんなアッサリと流していい話じゃねえだろ」
「ぅ……」
「そうでなくとも心配させてんだ。もっと反省しとけ」
「そうだよペンちゃん。オレ等は影だろうが本物だろうが関係なく心配したんだ。シャイタンが治したことにするなら治したでシャイタンに感謝するけど、治されたことにする本人がそんなアッサリじゃ、ペンちゃんは怪我したってどうでもいいことになるだろう?」
棚から取り出した消毒液やガーゼを持って戻れば、船長が切った腕をつきだしてくる。ドレスローザでも負傷して、治りきっていないだろう傷に巻かれていた包帯へも血が滲んでしまっていた。
船長に伸ばしていた手を降ろしたペンギンはそのまま自身の腕をさする。
「――どうでもいいでしょう」
消毒したところまでやった腕を、船長が今度はペンギンへ突き出す。