ゾウ編
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夢主視点
繋げたばかりだという体を作る為に巻いた包帯が少しきつい。だがそれを気にして歩調を緩めると、ベポやトドが今にも背負って運ぶと言い出しそうだったのでなんて事のない風を装って、くじらの森の奥にあるハートの海賊団へ割り当てられた仮住居へ船長も連れて戻る。
それから船長不在の間にあったことを真面目に報告するという名目で船長と副船長であるシルビ、それからバンダナの三人で一室に籠もって。
「どういうことか説明しろ」
「だいぶ端折らせてもらいますが、襲撃五日目から俺は『死告シャイタン』としてドレスローザへ行っていました」
率直に言えば船長とバンダナは言いたいことが多大にあるとばかりにシルビを睨む。
「ドレスローザで何をしていたかは、船長はご存じですね。で、ゾウの話ですが第三者視点で見ればベポ達の話の通りです。俺は足を踏まれて両腕を斬られた。――らしいです」
他人事のように言えば睨みがきつくなった。肩に掛かる髪を背中へ流して腕を組む。
「――五日目のとある時点から、ゾウへいた『ペンギン』は俺ではありません。俺と同じ姿をした“影”です」
「影?」
「シャイタンとしての能力の一つ……という訳でも無ぇんですが、そういうモノだと思っていただければ」
シャドウはシルビだけにいる存在ではない。誰にだって存在するモノだ。
だがおそらくこの世界ではシルビだけしかその存在を知らないのだろう。
「ソイツが俺を強制的にドレスローザへ行かせ、俺の代わりにゾウで動いてたんです。足を踏まれて両腕を斬られたのもそっちです。でも俺は五体満足で戻ってきましたから三肢のねぇ『ペンギン』じゃ困る。だから『シャイタン』の存在を造って『ペンギン』を治してもらいました。――頭抱えねぇでください」
「抱えずにいられるかっ!」
途中から途方に暮れた様子だった船長が怒鳴るが、シルビだけが悪い訳ではないはずだ。いや殆どはシルビが悪いのだろうけれど。
覚悟はしていたとはいえ、やはり本当のことを言うのは辛いなと思っていると船長が深くため息を吐く。
「バンダナは」
「オレはちょうど戻ってきたとこだったペンちゃんとかち会ったんです。手足の無えペンちゃんと五体満足のペンちゃんが同時にいるんですよ? 驚いて心臓飛び出るかと思いましたよ」
「飛び出たら入れてやる。――ペンギン」
呼ばれて船長へ恐る恐る近付けば、床を指差されてそこに正座する。
ゾウへ来るまでの船の上で船長は『人間じゃなくても構わない』と言ってくれはしたが、今になって流石にやっぱり受け入れられなかったのではと嫌な予感がした。
繋げたばかりだという体を作る為に巻いた包帯が少しきつい。だがそれを気にして歩調を緩めると、ベポやトドが今にも背負って運ぶと言い出しそうだったのでなんて事のない風を装って、くじらの森の奥にあるハートの海賊団へ割り当てられた仮住居へ船長も連れて戻る。
それから船長不在の間にあったことを真面目に報告するという名目で船長と副船長であるシルビ、それからバンダナの三人で一室に籠もって。
「どういうことか説明しろ」
「だいぶ端折らせてもらいますが、襲撃五日目から俺は『死告シャイタン』としてドレスローザへ行っていました」
率直に言えば船長とバンダナは言いたいことが多大にあるとばかりにシルビを睨む。
「ドレスローザで何をしていたかは、船長はご存じですね。で、ゾウの話ですが第三者視点で見ればベポ達の話の通りです。俺は足を踏まれて両腕を斬られた。――らしいです」
他人事のように言えば睨みがきつくなった。肩に掛かる髪を背中へ流して腕を組む。
「――五日目のとある時点から、ゾウへいた『ペンギン』は俺ではありません。俺と同じ姿をした“影”です」
「影?」
「シャイタンとしての能力の一つ……という訳でも無ぇんですが、そういうモノだと思っていただければ」
シャドウはシルビだけにいる存在ではない。誰にだって存在するモノだ。
だがおそらくこの世界ではシルビだけしかその存在を知らないのだろう。
「ソイツが俺を強制的にドレスローザへ行かせ、俺の代わりにゾウで動いてたんです。足を踏まれて両腕を斬られたのもそっちです。でも俺は五体満足で戻ってきましたから三肢のねぇ『ペンギン』じゃ困る。だから『シャイタン』の存在を造って『ペンギン』を治してもらいました。――頭抱えねぇでください」
「抱えずにいられるかっ!」
途中から途方に暮れた様子だった船長が怒鳴るが、シルビだけが悪い訳ではないはずだ。いや殆どはシルビが悪いのだろうけれど。
覚悟はしていたとはいえ、やはり本当のことを言うのは辛いなと思っていると船長が深くため息を吐く。
「バンダナは」
「オレはちょうど戻ってきたとこだったペンちゃんとかち会ったんです。手足の無えペンちゃんと五体満足のペンちゃんが同時にいるんですよ? 驚いて心臓飛び出るかと思いましたよ」
「飛び出たら入れてやる。――ペンギン」
呼ばれて船長へ恐る恐る近付けば、床を指差されてそこに正座する。
ゾウへ来るまでの船の上で船長は『人間じゃなくても構わない』と言ってくれはしたが、今になって流石にやっぱり受け入れられなかったのではと嫌な予感がした。