ゾウ編
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ロー視点
麦藁屋達と別れ、ハートのクルーがいるというくじらの森へと向かうと、森の入り口で待っていたらしいベポ達に体当たりの勢いで出迎えられた。頭や腕といった身体の至る所へそれぞれ負傷の痕を残しているものの、とりあえずは全員無事元気でいたらしい。泣きながら抱きついてくるベポを撫でて宥めてやりながら、ふとある事に気付いて、やはり再会出来て嬉しいとばかりに泣いたり叫んだりしているシャチ達を見回した。
「ペンギンとバンダナはどうした」
姿の見えない二人はハートの海賊団の中でも中核に近いと言っても過言ではない。特にペンギンは副船長だ。ベポ達がここでローを待っていたのなら一緒に居るほうが自然である。
ゾウの足下の麦藁の一味の船で『死告シャイタン』の姿をしていたペンギンと別れ、既に暫く経っていた。ペンギンの事だからまだ戻れていないなんて事は無いだろう。
だとすれば、ゾウを出て一人でドレスローザへ来ていたことをバンダナへ怒られているのか。そんな事を考えてみたが、クルー達の反応はそんな穏やかそうではなかった。
皆一様に黙り込んでしまっている。終いには再会出来たことを喜ぶのとは違う涙を流しだす者まで居て、ローは内心困惑した。
「――何が、あった?」
「ペ――ペンギンは、その」
「先の襲撃で……」
誰も言葉が続かない。ミンク族と一緒に巻き込まれた襲撃で、何かあったというのか。
しかしペンギンはドレスローザへ来ていた筈だ。
「お、おれのせいで……」
ベポがしがみついたまま泣き出してしまって服が濡れる。ドレスローザではあんなに元気そうにしていたのに、いったい何があったのかと考えていると頭上の樹の枝が音を立てた。
すわミンク族か誰か敵対者かと身構えれば、しかし降りてきたのはバンダナとペンギンを両脇へ抱えた黒い外套姿の『死告シャイタン』で。
「――ぁ?」
「数時間ぶりぃロー君! ウチの子を叱る権利を君へあげよう」
驚くロー達を気にした様子もなく、数時間前に別れた時とは何処か雰囲気の違う『シャイタン』は、そう言いながらバンダナを降ろしペンギンを雑に地面へ落とす。防寒帽はどうしたのか被っていないペンギンは、放り出された地面から勢い良く起き上がると『シャイタン』を振り返って睨んだ。
「扱いが雑ぅ!」
「自身の扱いが雑な者に言われたくはないな。それだからお前は周りから」
「説教はいらねぇ」
「でしょうね。せいぜいロー君へ怒られて落ち込めばいいよ。じゃあオレは行くからなぁ」
統一されていない口調でそう言って、『シャイタン』は地面に座り込んでいるペンギンの頭を撫でたかと思うとどこからともなく燃え上がった炎に包まれ、炎と一緒に消える。
呆然とその一部始終を見せられたローを含めハートのクルーには、殆ど意味が分からなかった。
麦藁屋達と別れ、ハートのクルーがいるというくじらの森へと向かうと、森の入り口で待っていたらしいベポ達に体当たりの勢いで出迎えられた。頭や腕といった身体の至る所へそれぞれ負傷の痕を残しているものの、とりあえずは全員無事元気でいたらしい。泣きながら抱きついてくるベポを撫でて宥めてやりながら、ふとある事に気付いて、やはり再会出来て嬉しいとばかりに泣いたり叫んだりしているシャチ達を見回した。
「ペンギンとバンダナはどうした」
姿の見えない二人はハートの海賊団の中でも中核に近いと言っても過言ではない。特にペンギンは副船長だ。ベポ達がここでローを待っていたのなら一緒に居るほうが自然である。
ゾウの足下の麦藁の一味の船で『死告シャイタン』の姿をしていたペンギンと別れ、既に暫く経っていた。ペンギンの事だからまだ戻れていないなんて事は無いだろう。
だとすれば、ゾウを出て一人でドレスローザへ来ていたことをバンダナへ怒られているのか。そんな事を考えてみたが、クルー達の反応はそんな穏やかそうではなかった。
皆一様に黙り込んでしまっている。終いには再会出来たことを喜ぶのとは違う涙を流しだす者まで居て、ローは内心困惑した。
「――何が、あった?」
「ペ――ペンギンは、その」
「先の襲撃で……」
誰も言葉が続かない。ミンク族と一緒に巻き込まれた襲撃で、何かあったというのか。
しかしペンギンはドレスローザへ来ていた筈だ。
「お、おれのせいで……」
ベポがしがみついたまま泣き出してしまって服が濡れる。ドレスローザではあんなに元気そうにしていたのに、いったい何があったのかと考えていると頭上の樹の枝が音を立てた。
すわミンク族か誰か敵対者かと身構えれば、しかし降りてきたのはバンダナとペンギンを両脇へ抱えた黒い外套姿の『死告シャイタン』で。
「――ぁ?」
「数時間ぶりぃロー君! ウチの子を叱る権利を君へあげよう」
驚くロー達を気にした様子もなく、数時間前に別れた時とは何処か雰囲気の違う『シャイタン』は、そう言いながらバンダナを降ろしペンギンを雑に地面へ落とす。防寒帽はどうしたのか被っていないペンギンは、放り出された地面から勢い良く起き上がると『シャイタン』を振り返って睨んだ。
「扱いが雑ぅ!」
「自身の扱いが雑な者に言われたくはないな。それだからお前は周りから」
「説教はいらねぇ」
「でしょうね。せいぜいロー君へ怒られて落ち込めばいいよ。じゃあオレは行くからなぁ」
統一されていない口調でそう言って、『シャイタン』は地面に座り込んでいるペンギンの頭を撫でたかと思うとどこからともなく燃え上がった炎に包まれ、炎と一緒に消える。
呆然とその一部始終を見せられたローを含めハートのクルーには、殆ど意味が分からなかった。