ゾウ編
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夢主視点
ゾウの足下のゴーイングルフィセンパイ号で一度ロー達と別れ、海王類とあのまま海原へ出るように見せかけてゾウの背中へと戻ってくると、ゾウはあの襲撃でシルビが“イブリス”と強制交代してから何があったのか、町は崩壊して何故か磔台まで設置されていた。
血の痕や爪痕の残るその場を離れ、くじらの森の奥にあった侠客団の居住区の隅へ用意されたハートの海賊団の仮住居へ向かう。今の姿を見られても困るので指を鳴らして幻覚で自分の姿を認識し難くし、自分が使わせてもらっていた部屋へと進んだ。
扉を三回ノックして、そっと扉を開ける。部屋の中には寝台の上で起き上がる“イブリス”と立ち上がった姿勢のまま固まっているバンダナ。
そして“イブリス”には両腕が無い。
「あの子は救えたか?」
「――問題はそこじゃねぇ!」
思わず叫んだシルビは悪くない筈だ。
「なんで腕無ぇの!?」
「言っておくが脚も無いぞ。ほらぁ」
「ほらぁ、じゃねぇぉおおおお! どうしてくれんの? 直んの? 手足無ぇ姿見てベポやシャチ達が驚いてなかったかぁ!?」
「オレは戻れば平気だ。どうせ“影”ですからね」
「どうせとか言うんじゃねぇよ“イブリス”! お前はぁあああああああもぉおおおおおおおお!」
「……ペンちゃん?」
頭を抱えて叫んだところで、部屋にいたもう一人のことを思い出す。言葉を無くしてバンダナを見やれば、バンダナもバンダナで理解不能とばかりにシルビを凝視していた。
これは、いったい何処から説明すればいいのか。
「とりあえず。お前が戻ってきたのならオレも戻るよ。あまり長い時間分離していてもやっぱりよくないからな」
そう言って寝台の上にいた“イブリス”の身体が燃え上がり、炎が消えると同時に“イブリス”の姿が消えてなくなる。残されたのはまだ『死告シャイタン』の格好をしたシルビと、おそらく第三者的にはシルビが二人いる状態を目撃したのだろうバンダナの二人。
暫く無言で見つめ合って、見つめ合って、先に折れたのはシルビだった。
「ご、ごめんなさぃいいいいいいいいい!」
「――シルビテメェこの野郎!」
久しぶりにバンダナの口から本名で呼ばれたように思うが、それを感慨深く思っている余裕はない。シャイタンの姿のままその場で土下座をするが、これは魚人島へ行った時以上に許してくれそうになかった。
いや、悪いのはシルビではない。シルビだって“イブリス”に勝手にドレスローザへ向かわせられただけだ。
とはいえそれからすぐに戻ってこなかったのもシルビだが。
ゾウの足下のゴーイングルフィセンパイ号で一度ロー達と別れ、海王類とあのまま海原へ出るように見せかけてゾウの背中へと戻ってくると、ゾウはあの襲撃でシルビが“イブリス”と強制交代してから何があったのか、町は崩壊して何故か磔台まで設置されていた。
血の痕や爪痕の残るその場を離れ、くじらの森の奥にあった侠客団の居住区の隅へ用意されたハートの海賊団の仮住居へ向かう。今の姿を見られても困るので指を鳴らして幻覚で自分の姿を認識し難くし、自分が使わせてもらっていた部屋へと進んだ。
扉を三回ノックして、そっと扉を開ける。部屋の中には寝台の上で起き上がる“イブリス”と立ち上がった姿勢のまま固まっているバンダナ。
そして“イブリス”には両腕が無い。
「あの子は救えたか?」
「――問題はそこじゃねぇ!」
思わず叫んだシルビは悪くない筈だ。
「なんで腕無ぇの!?」
「言っておくが脚も無いぞ。ほらぁ」
「ほらぁ、じゃねぇぉおおおお! どうしてくれんの? 直んの? 手足無ぇ姿見てベポやシャチ達が驚いてなかったかぁ!?」
「オレは戻れば平気だ。どうせ“影”ですからね」
「どうせとか言うんじゃねぇよ“イブリス”! お前はぁあああああああもぉおおおおおおおお!」
「……ペンちゃん?」
頭を抱えて叫んだところで、部屋にいたもう一人のことを思い出す。言葉を無くしてバンダナを見やれば、バンダナもバンダナで理解不能とばかりにシルビを凝視していた。
これは、いったい何処から説明すればいいのか。
「とりあえず。お前が戻ってきたのならオレも戻るよ。あまり長い時間分離していてもやっぱりよくないからな」
そう言って寝台の上にいた“イブリス”の身体が燃え上がり、炎が消えると同時に“イブリス”の姿が消えてなくなる。残されたのはまだ『死告シャイタン』の格好をしたシルビと、おそらく第三者的にはシルビが二人いる状態を目撃したのだろうバンダナの二人。
暫く無言で見つめ合って、見つめ合って、先に折れたのはシルビだった。
「ご、ごめんなさぃいいいいいいいいい!」
「――シルビテメェこの野郎!」
久しぶりにバンダナの口から本名で呼ばれたように思うが、それを感慨深く思っている余裕はない。シャイタンの姿のままその場で土下座をするが、これは魚人島へ行った時以上に許してくれそうになかった。
いや、悪いのはシルビではない。シルビだって“イブリス”に勝手にドレスローザへ向かわせられただけだ。
とはいえそれからすぐに戻ってこなかったのもシルビだが。