ドレスローザ編
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ロー視点
無理矢理巻き込まれた宴会の後、酒を飲み過ぎて眠ってしまっていたらしい意識がふと目覚めたのは、誰かの視線を感じたからだ。
きっと不躾な奴が寝ているかどうかを確かめる為に顔を覗き込んでいるのだろうと思い、ローはそのまま寝たふりを続けた。ここで目を開けて目の前にいるのであろう誰かを構うのも面倒だったし、不快に感じられる視線でも無かったからだ。
むしろ少し懐かしい気もした。だから覗き込んでいるのはペンギンかと思ったくらいである。アイツなら一応この船に乗っている誰よりも親しい相手だ。
だがペンギンなら、こうも長い時間人を眺めているなんて事はしないだろう。となればこれは誰だと疑問が浮かんだ。
目の前の気配が動く。帽子越しに頭をゆっくりと惜しむように撫でられた気がした。
「今までも、これからも愛してるぜ、ロー」
あまりの衝撃に、これは夢かと。
確認する間もなく目の前の気配がローの頭から手を離して立ち上がり、足音を小さく響かせながら離れていくのが分かった。逃がす訳にはいかないと飛び起きた視界に懐かしい姿が映ることはなく、周囲には泥のように眠っている奴等で足の踏み場も少ない。
鬼哭をとりあえず掴んで立ち上がって、今の気配を探す様に辺りを見回した。酔って寝ているトンタッタ族を何人も膝へ乗せていたニコ屋が、不思議そうに顔を上げる。
「どうしたの?」
「……今、誰か居なかったか?」
「? いいえ? 起きてる人は私達だけよ」
つまりニコ屋はさっきの気配にすら気付かなかった。ベビー5が八方水軍の首領に寄り添って寝ている。
麦藁屋が腹をパンパンに満たしてイビキを掻いていた。他の奴等も大して変わらない。ただ、その中に『ペンギン』の姿はなかった。
蝶が“三匹”、視界を横切る。
船尾へ向かって飛んでいくそれに、ローは無意識に足を動かしてそれを追いかけた。船の至る所で寝ている無謀者達を出来るだけ踏まない様にその蝶達を追いかけていけば、船尾へ到着する寸前でその蝶が消える。
「貴方の『心』は、ずっとハートの船へ乗せておいてくれますか」
『ペンギン』の声が聞こえた。誰かへ話しかけているらしいその内容に船室の陰から出て行けば、そこにいたのはペンギンだけではなく。
「コ――コラさん?」
黒い上着に今のローでも追いつかない身長。ペンギンの目の前で振り返ったその姿は、この十三年間一度も忘れることが出来なかったものだ。
困ったように微笑むその姿に、ローは何も考えられないまま駆け出した。
無理矢理巻き込まれた宴会の後、酒を飲み過ぎて眠ってしまっていたらしい意識がふと目覚めたのは、誰かの視線を感じたからだ。
きっと不躾な奴が寝ているかどうかを確かめる為に顔を覗き込んでいるのだろうと思い、ローはそのまま寝たふりを続けた。ここで目を開けて目の前にいるのであろう誰かを構うのも面倒だったし、不快に感じられる視線でも無かったからだ。
むしろ少し懐かしい気もした。だから覗き込んでいるのはペンギンかと思ったくらいである。アイツなら一応この船に乗っている誰よりも親しい相手だ。
だがペンギンなら、こうも長い時間人を眺めているなんて事はしないだろう。となればこれは誰だと疑問が浮かんだ。
目の前の気配が動く。帽子越しに頭をゆっくりと惜しむように撫でられた気がした。
「今までも、これからも愛してるぜ、ロー」
あまりの衝撃に、これは夢かと。
確認する間もなく目の前の気配がローの頭から手を離して立ち上がり、足音を小さく響かせながら離れていくのが分かった。逃がす訳にはいかないと飛び起きた視界に懐かしい姿が映ることはなく、周囲には泥のように眠っている奴等で足の踏み場も少ない。
鬼哭をとりあえず掴んで立ち上がって、今の気配を探す様に辺りを見回した。酔って寝ているトンタッタ族を何人も膝へ乗せていたニコ屋が、不思議そうに顔を上げる。
「どうしたの?」
「……今、誰か居なかったか?」
「? いいえ? 起きてる人は私達だけよ」
つまりニコ屋はさっきの気配にすら気付かなかった。ベビー5が八方水軍の首領に寄り添って寝ている。
麦藁屋が腹をパンパンに満たしてイビキを掻いていた。他の奴等も大して変わらない。ただ、その中に『ペンギン』の姿はなかった。
蝶が“三匹”、視界を横切る。
船尾へ向かって飛んでいくそれに、ローは無意識に足を動かしてそれを追いかけた。船の至る所で寝ている無謀者達を出来るだけ踏まない様にその蝶達を追いかけていけば、船尾へ到着する寸前でその蝶が消える。
「貴方の『心』は、ずっとハートの船へ乗せておいてくれますか」
『ペンギン』の声が聞こえた。誰かへ話しかけているらしいその内容に船室の陰から出て行けば、そこにいたのはペンギンだけではなく。
「コ――コラさん?」
黒い上着に今のローでも追いつかない身長。ペンギンの目の前で振り返ったその姿は、この十三年間一度も忘れることが出来なかったものだ。
困ったように微笑むその姿に、ローは何も考えられないまま駆け出した。