ドレスローザ編
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サンジ視点
ガスが無くなると同時に森の奥からやってきた無事だったらしいミンク族と、トラ男の仲間なのだろう白いツナギ姿の奴らがこの町の惨状を見て、しかしすぐに動き出す。倒れているミンク族達に紛れて同じ白いツナギ姿の者も居たから、おそらく仲間なのだろう。
助けようにも毒ガスのせいで来ることが出来ず、さっきシーザーが中和したことでやっと来たらしい。負傷者が居ることは分かり切っていたのか治療道具を持ってくるあたり、悪魔の実の能力とはいえオペオペの実の能力者であるトラ男の仲間といったところか。
巨大な猫のミンクを磔台から降ろしたところで、手足の殆どを失っていた男が身動ぎして瓦礫から転がった。その音に振り返って慌てて駆け寄れば、男は首を巡らせてサンジを見上げる。
見覚えのある顔のような気がした。
「その、手足は、俺が、凍らせてる」
「はあ?」
「だから、止血、し、たら、溶かす、から」
「待て待て。おまえ能力者か?」
「ペンギンッ!?」
抱き起こしたところで男を呼ぶ声がして、白いツナギの奴らが駆け寄ってくる。血だらけだし千切れていてよく分からなかったが、この『ペンギン』という男もツナギを着ていた。
「生きてる!?」
「……うん」
「無茶しすぎ! こんなんでキャプテンに顔向け出来んの!?」
「ペン兄様! こんなっ――!」
泣き叫ぶ寸前の仲間達を見ても、『ペンギン』は虚ろな眼で苦笑するだけだった。
「もう大丈夫だから! 皆助けるから!」
「まだ、だめ」
「っ――バンダナ!」
チョッパーとなにやら話していたヘアバンドの男が駆け寄ってくる。ヘアバンドの男はサンジとサンジが抱えている男から流れて出来た血溜まりを見て絶句し、サンジを一瞥してから怒った様にペンギンの襟首を掴んだ。
「今すぐあの炎を消しな」
炎と聞いて周囲の怪我人の患部へ燃え上がっている黄色い炎を見やる。触っても熱くないどころか怪我を少しずつ治してさえいたあの炎は、どうやらこのペンギンが燃え上がらせていたものらしい。
つまりこの男は両腕と片足を失い、更に未だに出血も止まらずさっきまで漂っていた毒ガスの中で、他の負傷者を助ける為に能力を行使していたのだ。
自分の身にはその炎を灯さないまま。
「べぽ、たちは」
「ベポ達なら無事だよ! だからもういいって!」
「消さないなら無理矢理その意識を飛ばすよ。オレ達を信用しろ」
低い声でヘアバンドの男が呟けば、ペンギンはもう一度苦笑して眼を閉じる。
途端、負傷者達に灯っていた黄色い炎が消えた。
ガスが無くなると同時に森の奥からやってきた無事だったらしいミンク族と、トラ男の仲間なのだろう白いツナギ姿の奴らがこの町の惨状を見て、しかしすぐに動き出す。倒れているミンク族達に紛れて同じ白いツナギ姿の者も居たから、おそらく仲間なのだろう。
助けようにも毒ガスのせいで来ることが出来ず、さっきシーザーが中和したことでやっと来たらしい。負傷者が居ることは分かり切っていたのか治療道具を持ってくるあたり、悪魔の実の能力とはいえオペオペの実の能力者であるトラ男の仲間といったところか。
巨大な猫のミンクを磔台から降ろしたところで、手足の殆どを失っていた男が身動ぎして瓦礫から転がった。その音に振り返って慌てて駆け寄れば、男は首を巡らせてサンジを見上げる。
見覚えのある顔のような気がした。
「その、手足は、俺が、凍らせてる」
「はあ?」
「だから、止血、し、たら、溶かす、から」
「待て待て。おまえ能力者か?」
「ペンギンッ!?」
抱き起こしたところで男を呼ぶ声がして、白いツナギの奴らが駆け寄ってくる。血だらけだし千切れていてよく分からなかったが、この『ペンギン』という男もツナギを着ていた。
「生きてる!?」
「……うん」
「無茶しすぎ! こんなんでキャプテンに顔向け出来んの!?」
「ペン兄様! こんなっ――!」
泣き叫ぶ寸前の仲間達を見ても、『ペンギン』は虚ろな眼で苦笑するだけだった。
「もう大丈夫だから! 皆助けるから!」
「まだ、だめ」
「っ――バンダナ!」
チョッパーとなにやら話していたヘアバンドの男が駆け寄ってくる。ヘアバンドの男はサンジとサンジが抱えている男から流れて出来た血溜まりを見て絶句し、サンジを一瞥してから怒った様にペンギンの襟首を掴んだ。
「今すぐあの炎を消しな」
炎と聞いて周囲の怪我人の患部へ燃え上がっている黄色い炎を見やる。触っても熱くないどころか怪我を少しずつ治してさえいたあの炎は、どうやらこのペンギンが燃え上がらせていたものらしい。
つまりこの男は両腕と片足を失い、更に未だに出血も止まらずさっきまで漂っていた毒ガスの中で、他の負傷者を助ける為に能力を行使していたのだ。
自分の身にはその炎を灯さないまま。
「べぽ、たちは」
「ベポ達なら無事だよ! だからもういいって!」
「消さないなら無理矢理その意識を飛ばすよ。オレ達を信用しろ」
低い声でヘアバンドの男が呟けば、ペンギンはもう一度苦笑して眼を閉じる。
途端、負傷者達に灯っていた黄色い炎が消えた。