ドレスローザ編
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兵士視点
王宮の台地二段目へ唐突に炎が燃え上がり、そこで戦っていた面々の動きが一瞬敵味方関係なく停止した。それほどその炎は唐突で不自然で、どんなに冷静さを欠いていても視線を向けざるを得ないような炎だったのだ。
人間一人分の大きさで燃え上がったそれから、燃えることなく現れたのは黒衣の外套を身に纏った黒髪紫眼の、まだ若そうな女である。
いや、女顔であるだけで男だとすぐに思い直した。肩に担いだ棒の先端にあるランタンを揺らし、悠然と周囲を見回して何かに気付き微笑む。
「チンジャオ!」
男が呼んだのはドンキホーテ幹部であるラオGと対峙していた八宝水軍前頭領チンジャオで、ラオGに蹴り飛ばされていたところだった。荒い呼吸を繰り返しながら起きあがったチンジャオが、男を見て驚いたように目を見開く。
「己!? シャイタンか!?」
「何十年ぶりかなぁ。老けたなぁ君!」
「バカ言え! 普通は老いるもんじゃ! なんじゃ己のその姿は!? 最後に見た時よりも若返っ……若返っとるううううう!?」
「なにっ!? 若GAえってるだとぅ!? の『G』~!」
何故かラオGまで反応して『シャイタン』と呼ばれた男を振り返った。チンジャオとラオG両方の視線を受けた男は、楽しげに微笑みながら首を傾げる。
「年取るのあんまり好きじゃねぇんだよ。老兵は去るのみとか言うけど俺は常に前線に居てぇ系男子でさぁ」
「分からんでもないがだからといって若返るな!」
「じゃあ不老不死になれってかぁ? アレ飽きるんだよ結構。だって先に周りの知り合いがいなくなってその子孫とかも先に居なくなるしぃ。チンジャオはさぁ、孫とかより長生きして死に目見てぇとか思うのかぁ?」
「! そうじゃシャイタン! ワシの孫がそこにいるんじゃが紹介……」
「お孫さんって、そこでプロポーズされてた彼?」
「ハァ!?」
男が指差した先では、ベビー5がチンジャオの孫である現頭領のサイにプロポーズしていた。それにチンジャオが驚いている間にラオGの地翁拳がチンジャオへ炸裂する、寸前に瞬間移動としか思えない動きをした『シャイタン』がチンジャオを抱えて避けている。
瞬間移動としか思えない動きをしたことも驚きだが、片手で巨体であるチンジャオを抱え上げた『シャイタン』の動きにも驚かざるを得なかった。
「お孫さんの結婚話なんて目出度ぇ時に、老いると耳が遠くなって嫌だなぁ。チンジャオ、こっちは俺が相手しておくからお孫さんの結婚話をまとめてきなさいな」
「『反対』だぞその結婚!!」
チンジャオが『シャイタン』の言葉にサイへ向けて怒鳴る。
王宮の台地二段目へ唐突に炎が燃え上がり、そこで戦っていた面々の動きが一瞬敵味方関係なく停止した。それほどその炎は唐突で不自然で、どんなに冷静さを欠いていても視線を向けざるを得ないような炎だったのだ。
人間一人分の大きさで燃え上がったそれから、燃えることなく現れたのは黒衣の外套を身に纏った黒髪紫眼の、まだ若そうな女である。
いや、女顔であるだけで男だとすぐに思い直した。肩に担いだ棒の先端にあるランタンを揺らし、悠然と周囲を見回して何かに気付き微笑む。
「チンジャオ!」
男が呼んだのはドンキホーテ幹部であるラオGと対峙していた八宝水軍前頭領チンジャオで、ラオGに蹴り飛ばされていたところだった。荒い呼吸を繰り返しながら起きあがったチンジャオが、男を見て驚いたように目を見開く。
「己!? シャイタンか!?」
「何十年ぶりかなぁ。老けたなぁ君!」
「バカ言え! 普通は老いるもんじゃ! なんじゃ己のその姿は!? 最後に見た時よりも若返っ……若返っとるううううう!?」
「なにっ!? 若GAえってるだとぅ!? の『G』~!」
何故かラオGまで反応して『シャイタン』と呼ばれた男を振り返った。チンジャオとラオG両方の視線を受けた男は、楽しげに微笑みながら首を傾げる。
「年取るのあんまり好きじゃねぇんだよ。老兵は去るのみとか言うけど俺は常に前線に居てぇ系男子でさぁ」
「分からんでもないがだからといって若返るな!」
「じゃあ不老不死になれってかぁ? アレ飽きるんだよ結構。だって先に周りの知り合いがいなくなってその子孫とかも先に居なくなるしぃ。チンジャオはさぁ、孫とかより長生きして死に目見てぇとか思うのかぁ?」
「! そうじゃシャイタン! ワシの孫がそこにいるんじゃが紹介……」
「お孫さんって、そこでプロポーズされてた彼?」
「ハァ!?」
男が指差した先では、ベビー5がチンジャオの孫である現頭領のサイにプロポーズしていた。それにチンジャオが驚いている間にラオGの地翁拳がチンジャオへ炸裂する、寸前に瞬間移動としか思えない動きをした『シャイタン』がチンジャオを抱えて避けている。
瞬間移動としか思えない動きをしたことも驚きだが、片手で巨体であるチンジャオを抱え上げた『シャイタン』の動きにも驚かざるを得なかった。
「お孫さんの結婚話なんて目出度ぇ時に、老いると耳が遠くなって嫌だなぁ。チンジャオ、こっちは俺が相手しておくからお孫さんの結婚話をまとめてきなさいな」
「『反対』だぞその結婚!!」
チンジャオが『シャイタン』の言葉にサイへ向けて怒鳴る。