ドレスローザ編
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シャチ視点
ペンギンが倒れたのは唐突だった。ジャック達を鎖で雁字搦めにし続けて五日目。敵味方関係なくどちらも疲弊してきていた頃合いと言えば確かにそうだったのだろうが、ペンギンが意識を失う前兆も何一つ無かった。
唐突に、ペンギンが倒れたのだ。
直後薄くなって消滅していく鎖に誰かが叫んだのを聞いた。自分達を拘束していた鎖が完全に消える前にその身を振って残滓を振り払い、ジャックだけではなく一緒に拘束されていた腹心達が一斉にペンギンへと襲いかかろうとする。
「ッペンギン!」
ジャンバールが駆け寄って倒れたペンギンを助けようとしていたが間に合わない。侠客団のヤツ等も倒れたペンギンに意識を向けて、その隙を突かれたり複数に襲いかかられたりして動くことが出来そうになかった。
ジャックの部下の一人の手がペンギンへ伸びる。その手が消滅した。
「ヒ――!?」
「――危ない危ない。こんなタイミングだったとは思っていなかったな」
目を覚まして立ち上がったペンギンが、そう言って二の腕から先が消滅したジャックの部下の残っていた腕の部分を掴んで引き寄せ、一息で振り回すようにぶん投げる。腕が無くなったショックからか投げられた衝撃からか悲鳴を上げながら宙を飛んでいったソイツは、ジャックの顔面へぶつかる前に握り潰されていた。
手を赤く染めてもジャックは気にした様子もなく、残骸を払い捨てると曲刀を持ち直してペンギンを見下ろす。その間にもミンク族達が立ち向かっているのにそれを気にした様子もない。
「悪いことをしてしまったかな。分かっていたらこんなタイミングで呼びはしなかったんだけどなぁ」
何か、いつものペンギンとは違う雰囲気。
ペンギンはジャックを一瞥して、防寒帽の下で笑った。
次の瞬間にはもうペンギンの姿はそこには無く、ジャックが目を見開いて自身の頭上へ現れたペンギンの短剣を曲刀で受け止める。押し返されたペンギンが空中で宙返りをして地上へと戻ってきて、着地と同時に再びその姿が消えた。
今度はジャックの背後からペンギンが現れる。だがそれも気付かれて曲刀を振り払われるのに、ペンギンは右手で構えていた銃でその曲刀を撃ち折った。折れた曲刀の先が地上の数人を巻き込んで落下する。
折れた曲刀を眺めたジャックが、地上へ戻ってきたペンギンを見やった。
「お前は……誰だ?」
名前を聞くなんて既に一度やっていたはずだ。更に言えば今更な会話にけれどもペンギンは相手をバカにするように笑い返しただけだった。
獰猛な笑みで、やっぱりペンギンらしくない。
ペンギンが倒れたのは唐突だった。ジャック達を鎖で雁字搦めにし続けて五日目。敵味方関係なくどちらも疲弊してきていた頃合いと言えば確かにそうだったのだろうが、ペンギンが意識を失う前兆も何一つ無かった。
唐突に、ペンギンが倒れたのだ。
直後薄くなって消滅していく鎖に誰かが叫んだのを聞いた。自分達を拘束していた鎖が完全に消える前にその身を振って残滓を振り払い、ジャックだけではなく一緒に拘束されていた腹心達が一斉にペンギンへと襲いかかろうとする。
「ッペンギン!」
ジャンバールが駆け寄って倒れたペンギンを助けようとしていたが間に合わない。侠客団のヤツ等も倒れたペンギンに意識を向けて、その隙を突かれたり複数に襲いかかられたりして動くことが出来そうになかった。
ジャックの部下の一人の手がペンギンへ伸びる。その手が消滅した。
「ヒ――!?」
「――危ない危ない。こんなタイミングだったとは思っていなかったな」
目を覚まして立ち上がったペンギンが、そう言って二の腕から先が消滅したジャックの部下の残っていた腕の部分を掴んで引き寄せ、一息で振り回すようにぶん投げる。腕が無くなったショックからか投げられた衝撃からか悲鳴を上げながら宙を飛んでいったソイツは、ジャックの顔面へぶつかる前に握り潰されていた。
手を赤く染めてもジャックは気にした様子もなく、残骸を払い捨てると曲刀を持ち直してペンギンを見下ろす。その間にもミンク族達が立ち向かっているのにそれを気にした様子もない。
「悪いことをしてしまったかな。分かっていたらこんなタイミングで呼びはしなかったんだけどなぁ」
何か、いつものペンギンとは違う雰囲気。
ペンギンはジャックを一瞥して、防寒帽の下で笑った。
次の瞬間にはもうペンギンの姿はそこには無く、ジャックが目を見開いて自身の頭上へ現れたペンギンの短剣を曲刀で受け止める。押し返されたペンギンが空中で宙返りをして地上へと戻ってきて、着地と同時に再びその姿が消えた。
今度はジャックの背後からペンギンが現れる。だがそれも気付かれて曲刀を振り払われるのに、ペンギンは右手で構えていた銃でその曲刀を撃ち折った。折れた曲刀の先が地上の数人を巻き込んで落下する。
折れた曲刀を眺めたジャックが、地上へ戻ってきたペンギンを見やった。
「お前は……誰だ?」
名前を聞くなんて既に一度やっていたはずだ。更に言えば今更な会話にけれどもペンギンは相手をバカにするように笑い返しただけだった。
獰猛な笑みで、やっぱりペンギンらしくない。