原作前日常編
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ロー視点
島民の誰かがリークしたのか仕事熱心な奴がいたのか、島にロー率いるハートの海賊団がいると知って海兵がロー達を捕まえようとしているとの情報を得た。急いで全員に船へ戻るように通達する。
本来であればもう少しゆっくり出来た筈が残念だという戻ってきたクルーの落胆を聞きつつ、全員が戻ってきたのかを確かめた。バンダナとペンギンが町を走り回って通達の聞き漏らしをしたクルーがいないかを確認して戻ってくるのを待っていると、ワカメが慌てた様子で船へと戻ってくる。
「おい、シャチはどうした!?」
「すいません! はぐれました!」
「ああ!?」
「おま、何やってんだよ!」
「分かってるよ! 気付いたらいなかったんだから仕方ないだろ!」
言い返しはしても自分がちゃんと見ていなかったのが悪いと、抱えていた荷物を置いて再び町へ戻ろうとするワカメをクルー達が引き止めた。ここでワカメが行ったところでシャチの居場所が分かる訳でもなし、海兵に見つかってしまう可能性もある。
せめて自力で海兵に気付き船へ戻ってきてくれればいいが、新入りだと海兵を引き連れて船へ戻るよりは、と考えることがあるので困った。そして多分、シャチはそういう事を考えるタイプだ。
何処かで合流したのかバンダナとペンギンが船へと戻ってくる。
「全員戻ってきましたかい!?」
「いや、シャチがまだだ」
「ワカメはぁ!?」
「途中で逸れたらしい。町中には居なかったのか?」
「見ませんでしたね。ったく、新入りから目を離すんじゃないよ。……どうしますか」
この場合の『どうしますか』は、非情だが見捨てるか見捨てないかの選択を迫る言葉だ。他のクルーもそれが分かっているから、自分がちゃんと見ていなかったからだと落ち込んでいるワカメと、防寒帽に隠れていて分からないが島の方を見つめて、こめかみへ手を当てているペンギン以外は揃ってローの次の言葉を待っている。
シャチは新入りだ。海賊として見捨てるのなら、まだあまり情報を持っていない新入りの方がいいのだが。
ローが口を開こうとした瞬間、ペンギンがローの腕を掴んだ。
「――見つけたぁ」
「は?」
「船長、船を出してこのまま右手側の崖沿いに向かってください。船は潜らなくていいです。イルカ、照明弾の準備」
「ペンギン?」
「探しに行くつもりだったでしょう? 俺が行きますから、迎える準備お願いします」
「お前が行くって、大丈夫なのか」
「賞金懸かってる貴方よりは俺のほうが動きやすいでしょうがぁ」
賞金の問題ではなくシャチの居場所が分かるのかとかそういう話だったのだが、ペンギンは一切の不安を感じさせずに船を降りていった。
島民の誰かがリークしたのか仕事熱心な奴がいたのか、島にロー率いるハートの海賊団がいると知って海兵がロー達を捕まえようとしているとの情報を得た。急いで全員に船へ戻るように通達する。
本来であればもう少しゆっくり出来た筈が残念だという戻ってきたクルーの落胆を聞きつつ、全員が戻ってきたのかを確かめた。バンダナとペンギンが町を走り回って通達の聞き漏らしをしたクルーがいないかを確認して戻ってくるのを待っていると、ワカメが慌てた様子で船へと戻ってくる。
「おい、シャチはどうした!?」
「すいません! はぐれました!」
「ああ!?」
「おま、何やってんだよ!」
「分かってるよ! 気付いたらいなかったんだから仕方ないだろ!」
言い返しはしても自分がちゃんと見ていなかったのが悪いと、抱えていた荷物を置いて再び町へ戻ろうとするワカメをクルー達が引き止めた。ここでワカメが行ったところでシャチの居場所が分かる訳でもなし、海兵に見つかってしまう可能性もある。
せめて自力で海兵に気付き船へ戻ってきてくれればいいが、新入りだと海兵を引き連れて船へ戻るよりは、と考えることがあるので困った。そして多分、シャチはそういう事を考えるタイプだ。
何処かで合流したのかバンダナとペンギンが船へと戻ってくる。
「全員戻ってきましたかい!?」
「いや、シャチがまだだ」
「ワカメはぁ!?」
「途中で逸れたらしい。町中には居なかったのか?」
「見ませんでしたね。ったく、新入りから目を離すんじゃないよ。……どうしますか」
この場合の『どうしますか』は、非情だが見捨てるか見捨てないかの選択を迫る言葉だ。他のクルーもそれが分かっているから、自分がちゃんと見ていなかったからだと落ち込んでいるワカメと、防寒帽に隠れていて分からないが島の方を見つめて、こめかみへ手を当てているペンギン以外は揃ってローの次の言葉を待っている。
シャチは新入りだ。海賊として見捨てるのなら、まだあまり情報を持っていない新入りの方がいいのだが。
ローが口を開こうとした瞬間、ペンギンがローの腕を掴んだ。
「――見つけたぁ」
「は?」
「船長、船を出してこのまま右手側の崖沿いに向かってください。船は潜らなくていいです。イルカ、照明弾の準備」
「ペンギン?」
「探しに行くつもりだったでしょう? 俺が行きますから、迎える準備お願いします」
「お前が行くって、大丈夫なのか」
「賞金懸かってる貴方よりは俺のほうが動きやすいでしょうがぁ」
賞金の問題ではなくシャチの居場所が分かるのかとかそういう話だったのだが、ペンギンは一切の不安を感じさせずに船を降りていった。