ドレスローザ編
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夢主視点
幻覚の鎖を握り続けていたせいで擦り切れて血の滲む両手と、刺青を誤魔化す為に両腕へ包帯を巻いて私服へ着替える。黒い外套とランタンを忘れないようにして、深くフードを被った。
そうして改めて愛と情熱の国、ドレスローザを囲む巨岩の上に立ちシルビはその国を一望する。
何が起こったのか狂騒の声と黒煙がそこかしこから立ち上り、往来には血を流して倒れる者達と、それを助ける余裕もなく逃げまどう人々。泣きながら武器を振り回す者がいたかと思えば、嬉々として襲撃する者達もいて混乱に歯止めがない。
それら全てを、国の中心から空高く伸び上がり都を覆う様に張り巡らされたワイヤーが、“鳥籠”の様に人々を閉じこめていた。
正確にはワイヤーではない。ワイヤーと呼べる程に太いそれは、たった一人の能力者が発動させた“糸”だ。
「……イトイトの実の能力、ねぇ」
目の前で並ぶ糸の一本へ触れようと手を伸ばしたところで、隣から手が伸びてきてシルビの手を掴む。見上げればロシナンテが辛そうな表情を浮かべ首を振った。触るなと言いたいのだろう。シルビの手が切れることを心配してくれたらしい。
糸へ伸ばしていた手を引いてドレスローザの中心部へと顔を向ければ、張り巡らされた糸へこの国の“国王であった”ドフラミンゴの顔が映像として映り出されている。この張り巡らされた糸から国民達が出られないのをいいことに、自分の敵を排除させようと画策しているようだった。
十三人の邪魔者の首へ賞金を賭けて、生きるか死ぬかの極限状態で落ち着いた考えを持てない者達をけしかける“ゲーム”。およそ国王が考えることではない。
こういうことは。
「――あれ? サボ君?」
考えながら映像を眺めていて映し出された姿に、シルビは思わず目を瞬かせた。
革命軍に所属しているはずの、サボの姿があったからだ。
若くして革命家ドラゴン率いる革命軍の参謀総長。主犯格の一人として三つ星に分類されているその姿は、最後に会った時から流石に成長しているがシルビが見たことのある面影を十分に残している。
この場合、大きくなったなぁと感慨深く思えばいいのか、なんだってドレスローザへいるのかと頭を抱えればいいのか。裏の顔として武器仲介人でという面も持つドフラミンゴのことを考えれば、ドラゴンの指示でやってきて騒動へ巻き込まれたといったところだろう。
サボの映像に続いてルフィやローが映し出される。ローやルフィ達が敵扱いされているだろう事は予測済みだったので驚きはしなかった。
だが、前ドレスローザ国王である『リク・ドルド三世』の名前には動揺する。リク王家の生き残りだ。
まずは何処へ行くべきかと考えながら、張り巡らされている糸を『拒絶』して透過する。空へ映し出されている映像では、何故か麦藁の一味の一人である長鼻の青年が、五億の懸賞金を賭けられていた。
幻覚の鎖を握り続けていたせいで擦り切れて血の滲む両手と、刺青を誤魔化す為に両腕へ包帯を巻いて私服へ着替える。黒い外套とランタンを忘れないようにして、深くフードを被った。
そうして改めて愛と情熱の国、ドレスローザを囲む巨岩の上に立ちシルビはその国を一望する。
何が起こったのか狂騒の声と黒煙がそこかしこから立ち上り、往来には血を流して倒れる者達と、それを助ける余裕もなく逃げまどう人々。泣きながら武器を振り回す者がいたかと思えば、嬉々として襲撃する者達もいて混乱に歯止めがない。
それら全てを、国の中心から空高く伸び上がり都を覆う様に張り巡らされたワイヤーが、“鳥籠”の様に人々を閉じこめていた。
正確にはワイヤーではない。ワイヤーと呼べる程に太いそれは、たった一人の能力者が発動させた“糸”だ。
「……イトイトの実の能力、ねぇ」
目の前で並ぶ糸の一本へ触れようと手を伸ばしたところで、隣から手が伸びてきてシルビの手を掴む。見上げればロシナンテが辛そうな表情を浮かべ首を振った。触るなと言いたいのだろう。シルビの手が切れることを心配してくれたらしい。
糸へ伸ばしていた手を引いてドレスローザの中心部へと顔を向ければ、張り巡らされた糸へこの国の“国王であった”ドフラミンゴの顔が映像として映り出されている。この張り巡らされた糸から国民達が出られないのをいいことに、自分の敵を排除させようと画策しているようだった。
十三人の邪魔者の首へ賞金を賭けて、生きるか死ぬかの極限状態で落ち着いた考えを持てない者達をけしかける“ゲーム”。およそ国王が考えることではない。
こういうことは。
「――あれ? サボ君?」
考えながら映像を眺めていて映し出された姿に、シルビは思わず目を瞬かせた。
革命軍に所属しているはずの、サボの姿があったからだ。
若くして革命家ドラゴン率いる革命軍の参謀総長。主犯格の一人として三つ星に分類されているその姿は、最後に会った時から流石に成長しているがシルビが見たことのある面影を十分に残している。
この場合、大きくなったなぁと感慨深く思えばいいのか、なんだってドレスローザへいるのかと頭を抱えればいいのか。裏の顔として武器仲介人でという面も持つドフラミンゴのことを考えれば、ドラゴンの指示でやってきて騒動へ巻き込まれたといったところだろう。
サボの映像に続いてルフィやローが映し出される。ローやルフィ達が敵扱いされているだろう事は予測済みだったので驚きはしなかった。
だが、前ドレスローザ国王である『リク・ドルド三世』の名前には動揺する。リク王家の生き残りだ。
まずは何処へ行くべきかと考えながら、張り巡らされている糸を『拒絶』して透過する。空へ映し出されている映像では、何故か麦藁の一味の一人である長鼻の青年が、五億の懸賞金を賭けられていた。