ドレスローザ編
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ジャック視点
変な奴がいる。
悪魔の実の能力者なのかどこからともなく鎖を出現させ、ジャックや部下のジンラミーやシープスヘッドを拘束していた。鎖はジャック達へ絡みついている部分だけが太く頑丈そうになっており、男の手元はネックレスのチェーンほどに細い。
そんな鎖がこのミンク族どもの建造物の陰や樹の上から伸びてきてきた。用意していたとは思えない。だがそもそもこんな何重にも大量に長い鎖を用意出来るとも思えず、故にジャックはその男を悪魔の実の能力者だと判断した。
丸くデフォルトされたペンギンの付いた、ペンギンの様な防寒帽を被って見る者全てをバカにしているような男である。しかし帽子の陰から覗く視線の鋭さは、なるほど十億の懸賞金が懸けられているジャックへ刃向かう度胸を抱えているようで。
あんなのを配下に置いている点はこの畜生風情ながらに賞賛出来る。あれはこんな象の背中なんて場所で動物の世話をしているのに相応しくない。
あれは、ジャック同様破壊や殺戮を好む者の眼だ。
男は両手に絡めて伸びる鎖を操ってジャック達の身を拘束し続け、同時に自身へ襲い来るジャックの手下達をも相手にしていた。しかしその場から殆ど動こうとはしない。
動けないのだろう。ジャック達を拘束する鎖を引き寄せているので精一杯なのだ。
この鎖が超人系悪魔の実によるものだとすれば、ただの拘束にだけ使っている時点で男の能力を使っての実力は知れる。そしてジャックは動けないだけで疲労を重ねるわけでもない。ただ動けないだけ。
だとすれば不利なのは男と畜生共だ。
ジャックはただ手下の誰かが男を倒すか、男が疲弊して倒れる瞬間を待てばいい。犬と猫はともかく他の奴らは大した事もないのだ。
既に畜生共と戦い始めて四日が経過している。その間畜生共と違って男は飲まず食わずに加え睡眠も摂っていなかった。
能力を微細に操り続け四日。そう屈強でもなさそうな男だがよくやる。だが限界は近い筈だ。男の手元からは鎖によって締め付けられでもしたのか血が滴っている。そうでなくとも確実に疲弊しているだろう。
男が倒れた瞬間。それはジャックが楽しむ時間に変わる。
自由を奪っている鎖が締め付けられ、男を見れば男は防寒帽の下からジャックを睨んでいた。おそらくジャックの考えに気付いたのだろう。
小さくてよく分からないが、男はどうやら紫の眼をしているらしい。
「名前を覚えておいてやろう」
周囲の喧噪も気にせず話しかければ、男は両手を握りしめた。
「――ハートの海賊団副船長。ペンギン」
名前までふざけている。
変な奴がいる。
悪魔の実の能力者なのかどこからともなく鎖を出現させ、ジャックや部下のジンラミーやシープスヘッドを拘束していた。鎖はジャック達へ絡みついている部分だけが太く頑丈そうになっており、男の手元はネックレスのチェーンほどに細い。
そんな鎖がこのミンク族どもの建造物の陰や樹の上から伸びてきてきた。用意していたとは思えない。だがそもそもこんな何重にも大量に長い鎖を用意出来るとも思えず、故にジャックはその男を悪魔の実の能力者だと判断した。
丸くデフォルトされたペンギンの付いた、ペンギンの様な防寒帽を被って見る者全てをバカにしているような男である。しかし帽子の陰から覗く視線の鋭さは、なるほど十億の懸賞金が懸けられているジャックへ刃向かう度胸を抱えているようで。
あんなのを配下に置いている点はこの畜生風情ながらに賞賛出来る。あれはこんな象の背中なんて場所で動物の世話をしているのに相応しくない。
あれは、ジャック同様破壊や殺戮を好む者の眼だ。
男は両手に絡めて伸びる鎖を操ってジャック達の身を拘束し続け、同時に自身へ襲い来るジャックの手下達をも相手にしていた。しかしその場から殆ど動こうとはしない。
動けないのだろう。ジャック達を拘束する鎖を引き寄せているので精一杯なのだ。
この鎖が超人系悪魔の実によるものだとすれば、ただの拘束にだけ使っている時点で男の能力を使っての実力は知れる。そしてジャックは動けないだけで疲労を重ねるわけでもない。ただ動けないだけ。
だとすれば不利なのは男と畜生共だ。
ジャックはただ手下の誰かが男を倒すか、男が疲弊して倒れる瞬間を待てばいい。犬と猫はともかく他の奴らは大した事もないのだ。
既に畜生共と戦い始めて四日が経過している。その間畜生共と違って男は飲まず食わずに加え睡眠も摂っていなかった。
能力を微細に操り続け四日。そう屈強でもなさそうな男だがよくやる。だが限界は近い筈だ。男の手元からは鎖によって締め付けられでもしたのか血が滴っている。そうでなくとも確実に疲弊しているだろう。
男が倒れた瞬間。それはジャックが楽しむ時間に変わる。
自由を奪っている鎖が締め付けられ、男を見れば男は防寒帽の下からジャックを睨んでいた。おそらくジャックの考えに気付いたのだろう。
小さくてよく分からないが、男はどうやら紫の眼をしているらしい。
「名前を覚えておいてやろう」
周囲の喧噪も気にせず話しかければ、男は両手を握りしめた。
「――ハートの海賊団副船長。ペンギン」
名前までふざけている。