ドレスローザ編
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シャチ視点
「ウチの子の大事な故郷、滅茶苦茶にしねぇでもらえますぅ?」
辛うじて敬語ではあるが、けれども完全に舐めきった態度でペンギンが笑みを浮かべる。防寒帽を被っているので表情の全部が分かる訳ではないが、きっと帽子の下では笑ってもいるのだろう。
ペンギンは船長よりも強い。ハートの皆にも隠しているその正体は史上最高額を持つ伝説の賞金首『死告シャイタン』で、更に言うならペンギンは悪魔の実とは違う能力を持つ島の出身だった。
この四方八方から出所も分からないまま伸びて、敵達に絡み付いている鎖もその能力『死ぬ気の炎』の応用なのだろう。普段はハリセンを作り出す事が多いがそれ以外も作れることは、シャチだけではなく船長やバンダナも知っていた。
ミンク族や襲撃してきた四皇カイドウの手下達は面白いくらいに驚いている。敵の何人かは必死になってジャックの全身へ巻き付いて自由を奪っている鎖をどうにかしようとしているが、それがそう簡単にどうにか出来る訳がない。
ミンク族でもないくせに体の一部を動物化させてくるジャックの部下を切り倒して、シャチは両手へ何重にも何本あるか分からない鎖を巻き付けているペンギンの元へと走った。
「ペンギン!」
「ネコマムシの旦那達に伝えろぉ。ジャックの拘束をしている内に雑魚を」
「ペンギンは平気なのかよ!?」
「ある程度はなぁ。ただ、俺の意識が途切れたらこの鎖も消える」
ペンギンはジャックと睨み合っていて視線をシャチへ向けることはない。それだけ本当は拘束し続けているのが辛いのかも知れなかった。
鎖を巻き付けた指をペンギンが曲げる。次の瞬間増えた一本の鎖がまっすぐに走ってしなり、ペンギンへ襲いかかろうとしていた敵を打ち払った。
「でもジャックとその腹心を止めておけばこの戦局はだいぶマシになるだろぉ」
ペンギンが今度はぐいっと腕を引っ張る。途端ジャックへ絡み付く鎖が揺れて拘束がキツくなっていた。
「襲撃に対する防衛戦ってのは、敵の戦意喪失を狙うのも手なんだぜぇ。戦意喪失の条件には時間の経過に……」
「あーあー今そーいう勉強いいから!」
「そうかぁ?」
そう言っている間にもペンギンが腕や指を動かす度に、鎖で鞭の様に打たれて敵が倒れていく。まるで操り人形の糸を操っているかのような指先に、けれども絡み付いているのは糸よりも太い鎖だ。これが『幻覚で出来ている幻』だなんてきっと誰にも理解できないだろう。
実のところシャチも未だに信じられなかった。
「ウチの子の大事な故郷、滅茶苦茶にしねぇでもらえますぅ?」
辛うじて敬語ではあるが、けれども完全に舐めきった態度でペンギンが笑みを浮かべる。防寒帽を被っているので表情の全部が分かる訳ではないが、きっと帽子の下では笑ってもいるのだろう。
ペンギンは船長よりも強い。ハートの皆にも隠しているその正体は史上最高額を持つ伝説の賞金首『死告シャイタン』で、更に言うならペンギンは悪魔の実とは違う能力を持つ島の出身だった。
この四方八方から出所も分からないまま伸びて、敵達に絡み付いている鎖もその能力『死ぬ気の炎』の応用なのだろう。普段はハリセンを作り出す事が多いがそれ以外も作れることは、シャチだけではなく船長やバンダナも知っていた。
ミンク族や襲撃してきた四皇カイドウの手下達は面白いくらいに驚いている。敵の何人かは必死になってジャックの全身へ巻き付いて自由を奪っている鎖をどうにかしようとしているが、それがそう簡単にどうにか出来る訳がない。
ミンク族でもないくせに体の一部を動物化させてくるジャックの部下を切り倒して、シャチは両手へ何重にも何本あるか分からない鎖を巻き付けているペンギンの元へと走った。
「ペンギン!」
「ネコマムシの旦那達に伝えろぉ。ジャックの拘束をしている内に雑魚を」
「ペンギンは平気なのかよ!?」
「ある程度はなぁ。ただ、俺の意識が途切れたらこの鎖も消える」
ペンギンはジャックと睨み合っていて視線をシャチへ向けることはない。それだけ本当は拘束し続けているのが辛いのかも知れなかった。
鎖を巻き付けた指をペンギンが曲げる。次の瞬間増えた一本の鎖がまっすぐに走ってしなり、ペンギンへ襲いかかろうとしていた敵を打ち払った。
「でもジャックとその腹心を止めておけばこの戦局はだいぶマシになるだろぉ」
ペンギンが今度はぐいっと腕を引っ張る。途端ジャックへ絡み付く鎖が揺れて拘束がキツくなっていた。
「襲撃に対する防衛戦ってのは、敵の戦意喪失を狙うのも手なんだぜぇ。戦意喪失の条件には時間の経過に……」
「あーあー今そーいう勉強いいから!」
「そうかぁ?」
そう言っている間にもペンギンが腕や指を動かす度に、鎖で鞭の様に打たれて敵が倒れていく。まるで操り人形の糸を操っているかのような指先に、けれども絡み付いているのは糸よりも太い鎖だ。これが『幻覚で出来ている幻』だなんてきっと誰にも理解できないだろう。
実のところシャチも未だに信じられなかった。