ロビン視点

死告シャイタンと別れて宴もお開きになった後。ロビンがナミ達と合流すると、ルフィ達は城から盗まれた財宝を取り返しに行ったようで居なかった。
財宝は取り返したら貰っていいらしく、ナミがルフィを心配しているしらほし姫の手の上で機嫌良さそうにしている。ロビンも大して心配する必要はないと判断したところで、ウソップとチョッパーが寄ってきた。

「どうしたの？」
「ロビン『死告シャイタン』って奴に会ったか？」
「ええ、会ったわよ」
「なんか死の宣告とか受けてねーだろーな！？」

ウソップの怯え方は謎だが、もしかしたら彼はシャイタンの二つ名である『死告』について、そういう勘違いをしているのだろう。確かに『出会ったら死ぬ』という伝説もシャイタンにはあった筈である。
けれどもその伝説が本当だというのなら、ロビンだけではなくルフィやジンベエだって死んでいる筈だ。だからその伝説も、正しくは彼より先に死ぬことが歪んで伝えられた可能性がある。

「ヨホホホ。懐かしいお名前ですね。ワタシの生きてた頃にも聞いたコトありますよ」
「じゃあやっぱり不老不死ってホントかよ」
「どーなんでしょうねぇ。生きていたらワタシより年上でしょう。骨になってませんでした？ その方」
「骨はオマエだろ」
「フード被ってて顔は見れなかったぞ。ロビンは見たか？」

チョッパーに聞かれて、正直に答えていいものかどうか悩む。転生しているらしいので、ブルックがまだ肉体を持っていた頃は『以前のこと』だったのかも知れない。
フードの下の見た目はロビンよりも若かったが、そういえば何歳なのか訊くのを忘れた。魂の年齢は千年を越えているとしても、肉体年齢はきっとロビンより若い。

「ウソップ達だって話したでしょう？」
「ああまぁ……だけどなんつーか、普通だったぜ。全然賞金首っぽくなかったっつーか」
「オレドクターって言われたんだ！」
「あら、良かったわね」

嬉しそうなチョッパーの頭を撫でる。何処かの海賊団に正体を隠して加わっていると言っていたし、ロビンと話していた彼のアレが本性だとは限らないが、少なくとも平時は落ち着きのある穏やかな人と考えていいのだろう。
出来ることならもっと時間をかけて色々尋ねてみたかった。

「彼のことなら私よりルフィへ訊いたら？ ルフィの方が親しいはずよ」
「訊いて後から怒られたらどーすんだよ！？ 相手は史上最高額の賞金首だぞ！ さっき調べたら億越えどころじゃなかったぞ！」
「え！？ アイツそんなスゲーのか！？」