魚人島編
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夢主視点
海藻とサンゴ、廃船の残骸が茂る海の森に、その巨大な船は安置されている。だが以前に見た時とは置き方と破損具合の変わってしまったそれに、シルビは黒い外套のフードの縁を軽く摘んで船を見上げた。
海王類程の大きさのものでなければ引くことの出来ない船である。傍に来た魚の話では、この船が動かされあわや魚人島を崩壊するところだったらしい。
慌ててゾウへやってきた海鳥の訴えでシルビはそれを知り、バンダナとシャチに頼み込んでゾウを抜け出して来たのだ。誰にも言わずに来るよりはいいと思うが、帰ったら絶対に言及されそうで怖い。
こういう時に仕事へ理解のある仲間が欲しいと思う。とはいえ『死告シャイタン』の役割は別に仕事ではないが。
困ることに変わりはないのでやはり組織へ属するのは苦手だなと思いながら、巨船『ノア』の船底へと近付いて撫でる。頭上ではまだ海王類が『ノア』を守るように遊泳していて、そのうちの一匹が不安げにシルビへ顔を近付けてきた。
数百年の年月を放置され、今を以て破壊されかけた船は既に苔も生えてしまっていてボロボロだが。
「……大丈夫だぁ。このくらいなら時間は掛かるけど直るだろぉ。後で『ポセイドン』へも教えておく」
シルビの何倍もの大きさをした海王類がそれを聞いて安堵した様に去っていく。そして再び『ノア』の上を遊泳する。
『ノア』が動かされたのは悪魔の実の能力によるものだったらしいが、無知ほど怖いものはない。とはいえシルビもあまり介入するつもりはないので、黙っていることと無知の果たしてどちらが罪深いのかは分からなかった。
そして、そのノアを壊して止めようとしたのは『麦藁のルフィ』だという。
再結成したばかりだというのに、よくもまぁこんな騒動へ巻き込まれるものである。二年前の勢いは船員達の分散を経ても未だに健在と言うところか。
魚人島の中心部からは喧噪とは違う騒ぎの声が聞こえていた。殺伐とした雰囲気も無く、ただ騒動の余韻か違う何かで騒いでいるのだろう。近くを遊泳していた魚から『×××』を使って聞くに、麦藁の一味は魚人島を救ってくれた恩人として魚人達の宴に参加しているらしい。
ということはまだルフィもそこへいるのだろう。外套のフードを深く被り直し、シルビは腰へ提げていたランタンを持ち直した。
「ルフィ君に会えるのは嬉しいけど、どうなんだろうなぁ」
今は亡き王妃オトヒメの墓が近くへあるというので、そこへ墓参りをしてから宴の中心地である竜宮城へ向かうことにして歩き出す。
新しい『ポセイドン』の名前はしらほしと言うらしい。
海藻とサンゴ、廃船の残骸が茂る海の森に、その巨大な船は安置されている。だが以前に見た時とは置き方と破損具合の変わってしまったそれに、シルビは黒い外套のフードの縁を軽く摘んで船を見上げた。
海王類程の大きさのものでなければ引くことの出来ない船である。傍に来た魚の話では、この船が動かされあわや魚人島を崩壊するところだったらしい。
慌ててゾウへやってきた海鳥の訴えでシルビはそれを知り、バンダナとシャチに頼み込んでゾウを抜け出して来たのだ。誰にも言わずに来るよりはいいと思うが、帰ったら絶対に言及されそうで怖い。
こういう時に仕事へ理解のある仲間が欲しいと思う。とはいえ『死告シャイタン』の役割は別に仕事ではないが。
困ることに変わりはないのでやはり組織へ属するのは苦手だなと思いながら、巨船『ノア』の船底へと近付いて撫でる。頭上ではまだ海王類が『ノア』を守るように遊泳していて、そのうちの一匹が不安げにシルビへ顔を近付けてきた。
数百年の年月を放置され、今を以て破壊されかけた船は既に苔も生えてしまっていてボロボロだが。
「……大丈夫だぁ。このくらいなら時間は掛かるけど直るだろぉ。後で『ポセイドン』へも教えておく」
シルビの何倍もの大きさをした海王類がそれを聞いて安堵した様に去っていく。そして再び『ノア』の上を遊泳する。
『ノア』が動かされたのは悪魔の実の能力によるものだったらしいが、無知ほど怖いものはない。とはいえシルビもあまり介入するつもりはないので、黙っていることと無知の果たしてどちらが罪深いのかは分からなかった。
そして、そのノアを壊して止めようとしたのは『麦藁のルフィ』だという。
再結成したばかりだというのに、よくもまぁこんな騒動へ巻き込まれるものである。二年前の勢いは船員達の分散を経ても未だに健在と言うところか。
魚人島の中心部からは喧噪とは違う騒ぎの声が聞こえていた。殺伐とした雰囲気も無く、ただ騒動の余韻か違う何かで騒いでいるのだろう。近くを遊泳していた魚から『×××』を使って聞くに、麦藁の一味は魚人島を救ってくれた恩人として魚人達の宴に参加しているらしい。
ということはまだルフィもそこへいるのだろう。外套のフードを深く被り直し、シルビは腰へ提げていたランタンを持ち直した。
「ルフィ君に会えるのは嬉しいけど、どうなんだろうなぁ」
今は亡き王妃オトヒメの墓が近くへあるというので、そこへ墓参りをしてから宴の中心地である竜宮城へ向かうことにして歩き出す。
新しい『ポセイドン』の名前はしらほしと言うらしい。