二年後編
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夢主視点
イルカに呼ばれていったシャチを見送って、シルビはシャチの言っていたことについて少し考えてみる。確かにミンク族と人間の挨拶は違い、ミンク族のそれは人間で言うと少しばかり過剰だ。
普通なら相手の匂いなど嗅がないし鼻先を舐めたりもしない。だがより動物に近しいところがあるミンク族にとっては、嗅覚や触覚は重要だ。
現にシルビだって、『白澤』の姿になれば前脚より鼻先を突っ込むことの方が多い。というか前脚は本当に歩くか物を踏むかの動作しか出来ないのだ。
そもそも偶蹄目の前脚で物を持つことは出来ない。自然と物を運んだり識別したりするのに使われるのは目や鼻、口になる。
だからだろう。動物同士の挨拶は大抵が顔面を駆使されるのは。
シルビがミンク族の挨拶を簡単に受け入れられたのは、別にミンク族へ会うのが初めてではなかった事と、シルビ自身も『獣の姿を持つ』者として顔面での挨拶に慣れていたからだろう。『白澤』の姿ではシルビだって相手の顔へ鼻先を近付けたり相手の毛並みへすり寄ったりする。
「……ハグは元からだなぁ」
自分の今までの言動を思い起こして一人ごちた。スキンシップが挨拶の国なんて今までの転生人生でもざらにある。あまり言ったことはないが息を吐くのと同義に女性を褒める言葉を出せるイタリアの生まれだし、ハグは元から好きだった。
実は思っている以上に自分は動物的なのではと考えて、シルビは首を振ってその考えを打ち消す。広義では人間も動物だ。きっと問題はない。
問題があるからシャチが疑問に思ったという事実は放り投げた。
「ペンギン、バンダナ見なかった? 探してるんだけど見つからないんだ」
「見てねぇなぁ。煙草じゃねぇの?」
バンダナを探し歩いてきたらしいベポが尋ねてくるのに頭を撫でてやりながら返す。ごく自然に撫でてやってから、コレが悪いのだろうかと首を傾げた。
「どうしたの?」
「俺ってスキンシップ過多?」
「? うん」
さも当然とばかりに肯定されて、どうしたものか。
「でもペンギンに撫でられるの好きだよ。あとね、白いモフモフの姿で毛繕いされるのも好き」
「……そういやベポは見たことあるんだったなぁ」
ハートのクルーの中ではベポだけが知っている『白澤』の姿。他の皆には船長にも内緒であるそれの分だけ、やはりシルビもミンク族に似通っているのかもしれない。
あの姿も嫌いとはいえ自分の一つではあるのだけれど。
「人間の舌じゃ毛繕いは難しいから、あんまりしてやれねぇよ」
「そうなの?」
「動物のそれほど荒くねぇんだよ。あと毛玉も吐けねぇから困る」
イルカに呼ばれていったシャチを見送って、シルビはシャチの言っていたことについて少し考えてみる。確かにミンク族と人間の挨拶は違い、ミンク族のそれは人間で言うと少しばかり過剰だ。
普通なら相手の匂いなど嗅がないし鼻先を舐めたりもしない。だがより動物に近しいところがあるミンク族にとっては、嗅覚や触覚は重要だ。
現にシルビだって、『白澤』の姿になれば前脚より鼻先を突っ込むことの方が多い。というか前脚は本当に歩くか物を踏むかの動作しか出来ないのだ。
そもそも偶蹄目の前脚で物を持つことは出来ない。自然と物を運んだり識別したりするのに使われるのは目や鼻、口になる。
だからだろう。動物同士の挨拶は大抵が顔面を駆使されるのは。
シルビがミンク族の挨拶を簡単に受け入れられたのは、別にミンク族へ会うのが初めてではなかった事と、シルビ自身も『獣の姿を持つ』者として顔面での挨拶に慣れていたからだろう。『白澤』の姿ではシルビだって相手の顔へ鼻先を近付けたり相手の毛並みへすり寄ったりする。
「……ハグは元からだなぁ」
自分の今までの言動を思い起こして一人ごちた。スキンシップが挨拶の国なんて今までの転生人生でもざらにある。あまり言ったことはないが息を吐くのと同義に女性を褒める言葉を出せるイタリアの生まれだし、ハグは元から好きだった。
実は思っている以上に自分は動物的なのではと考えて、シルビは首を振ってその考えを打ち消す。広義では人間も動物だ。きっと問題はない。
問題があるからシャチが疑問に思ったという事実は放り投げた。
「ペンギン、バンダナ見なかった? 探してるんだけど見つからないんだ」
「見てねぇなぁ。煙草じゃねぇの?」
バンダナを探し歩いてきたらしいベポが尋ねてくるのに頭を撫でてやりながら返す。ごく自然に撫でてやってから、コレが悪いのだろうかと首を傾げた。
「どうしたの?」
「俺ってスキンシップ過多?」
「? うん」
さも当然とばかりに肯定されて、どうしたものか。
「でもペンギンに撫でられるの好きだよ。あとね、白いモフモフの姿で毛繕いされるのも好き」
「……そういやベポは見たことあるんだったなぁ」
ハートのクルーの中ではベポだけが知っている『白澤』の姿。他の皆には船長にも内緒であるそれの分だけ、やはりシルビもミンク族に似通っているのかもしれない。
あの姿も嫌いとはいえ自分の一つではあるのだけれど。
「人間の舌じゃ毛繕いは難しいから、あんまりしてやれねぇよ」
「そうなの?」
「動物のそれほど荒くねぇんだよ。あと毛玉も吐けねぇから困る」