二年後編
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
シャチ視点
ミンク族の挨拶は『ガルチュー』といって身体を擦り付けてきたり甘噛みとはいえ噛みついてきたりと、シャチ達人間には少し抵抗のあるものだった。
国によってはハグを挨拶に用いるところもある。更に言うならハグして頬へキスするところまでが挨拶になっているところもあるらしいが、生憎シャチやハートのクルー達の殆どがその国へ赴いたことがなかった。
だからシャチ達の『常識』では、あまりミンク族の挨拶であるガルチューは気恥ずかしくもあり、同時に慣れ難いものであったのだが。
ペンギンとベポだけはその例に倣わなかった。
ベポは本人も知らなかったとはいえ元々ミンク族らしいから、鼻先を相手の顔へ押しつけるなどの行為は、別に抵抗のあるものではなかったらしい。後から聞いたら『慣れたら楽だよ』とシャチは言われたが、シャチが慣れることはないと思う。
けれどもベポは見た目からしてシロクマだし、思い返せば鼻先を突っ込んでくることはそれなりにあった。海賊の船で人間に囲まれて育っても、やはり種族的な本能とかそういうことだろう。そう考えればベポは解決する。
解決しないのはペンギンだ。
ペンギンはハートの海賊団がゾウへ上陸して、ミンク族に遭遇した瞬間からごく普通に挨拶を返した。相手が鼻先を近づけてくるのに、驚くこともなく相手の鼻を舐め返したのである。
驚いたシャチ達を余所にペンギンはさっさとミンク族と話を通してしまった。
「でもさ、いくら挨拶だからってよく相手の鼻舐められるな」
「……。郷に入っては郷に従えって言うだろぉ」
ハートの海賊団に侠客団の手伝いとしての地位を確立させて、何故かベポよりも先にミンク族との関係を円満に築いていたペンギンは、今も侠客団の一員であったミンク族と話を終えて何も問題なく戻ってきたところだ。舐めはせずハグだけ返していたペンギンのツナギが、相手の体毛で毛だらけになっている。
「それに故郷の島じゃ動物が普通に闊歩してた訳だし、毛だらけとか顔中涎まみれはもう慣れたかなぁ」
「ああ、ライガーだっけ。でも動物扱いしたら怒るだろ?」
「ベポに飛びつかれたと思えばぁ?」
「ベポは仲間だろ! それにベポでもオレ舐めるのは無理だわ」
ツナギに付いた毛をはたき落としながら首を傾げるペンギンにとっては、ミンク族も仲間のベポも大差ないらしい。ベポもミンク族なので正しいと言えば正しいのだろうが。
「……人間の舌は毛並みを整えるのに適してねぇからなぁ」
「種族の違いじゃなくてさ、なんてーの? 感性の違い?」
「文化の違いかなぁ。舐めるのは無理でもハグはしてやれよぉ」
「オスに懐かれてもなー」
ミンク族の挨拶は『ガルチュー』といって身体を擦り付けてきたり甘噛みとはいえ噛みついてきたりと、シャチ達人間には少し抵抗のあるものだった。
国によってはハグを挨拶に用いるところもある。更に言うならハグして頬へキスするところまでが挨拶になっているところもあるらしいが、生憎シャチやハートのクルー達の殆どがその国へ赴いたことがなかった。
だからシャチ達の『常識』では、あまりミンク族の挨拶であるガルチューは気恥ずかしくもあり、同時に慣れ難いものであったのだが。
ペンギンとベポだけはその例に倣わなかった。
ベポは本人も知らなかったとはいえ元々ミンク族らしいから、鼻先を相手の顔へ押しつけるなどの行為は、別に抵抗のあるものではなかったらしい。後から聞いたら『慣れたら楽だよ』とシャチは言われたが、シャチが慣れることはないと思う。
けれどもベポは見た目からしてシロクマだし、思い返せば鼻先を突っ込んでくることはそれなりにあった。海賊の船で人間に囲まれて育っても、やはり種族的な本能とかそういうことだろう。そう考えればベポは解決する。
解決しないのはペンギンだ。
ペンギンはハートの海賊団がゾウへ上陸して、ミンク族に遭遇した瞬間からごく普通に挨拶を返した。相手が鼻先を近づけてくるのに、驚くこともなく相手の鼻を舐め返したのである。
驚いたシャチ達を余所にペンギンはさっさとミンク族と話を通してしまった。
「でもさ、いくら挨拶だからってよく相手の鼻舐められるな」
「……。郷に入っては郷に従えって言うだろぉ」
ハートの海賊団に侠客団の手伝いとしての地位を確立させて、何故かベポよりも先にミンク族との関係を円満に築いていたペンギンは、今も侠客団の一員であったミンク族と話を終えて何も問題なく戻ってきたところだ。舐めはせずハグだけ返していたペンギンのツナギが、相手の体毛で毛だらけになっている。
「それに故郷の島じゃ動物が普通に闊歩してた訳だし、毛だらけとか顔中涎まみれはもう慣れたかなぁ」
「ああ、ライガーだっけ。でも動物扱いしたら怒るだろ?」
「ベポに飛びつかれたと思えばぁ?」
「ベポは仲間だろ! それにベポでもオレ舐めるのは無理だわ」
ツナギに付いた毛をはたき落としながら首を傾げるペンギンにとっては、ミンク族も仲間のベポも大差ないらしい。ベポもミンク族なので正しいと言えば正しいのだろうが。
「……人間の舌は毛並みを整えるのに適してねぇからなぁ」
「種族の違いじゃなくてさ、なんてーの? 感性の違い?」
「文化の違いかなぁ。舐めるのは無理でもハグはしてやれよぉ」
「オスに懐かれてもなー」