二年後編
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ロー視点
頂上戦争の後に行なわれた大将同士の対決により、半永久的に極寒と灼熱の大地と化してしまったパンクハザード。その矛盾した島の極寒側へ造られた研究所内で、ローはしみじみと自分が甘やかされていたことを実感した。
甘やかされていた、というよりは至れり尽くせりだったというべきか。
隠れて非合法的研究を行なっているシーザーの元では、食料の自給率は島の気候のお陰でゼロに等しい。更に言うなら他の島も遠く、多くいる研究職員や関係者、実験被験者達の食事に関しては買い溜めをしておいた食料で賄われている。
よって新鮮な野菜というのは殆ど出されない。たまに研究員が土地の一部を開拓して出来た畑からの収穫物が料理に使われる程度である。肉も乾物が多く全体的に保存食に近い物が多かった。
つまり保存の利く食料は多いが、好きな物を好きなときに食べられるかと言ったらそうではない食事情なのである。
無論ローだって覚悟はしてきた。ハートの船での航海中も買い溜めや保存食が出ることはあるし、幼少期に故郷を失ってからはまともな食事を食べられなかったとこだってあったのだ。食べ物があるだけマシだろう。
けれどもやっぱり、パンと梅干しは駄目だ。
大体どうして乾パンと梅干しなんて組み合わせを平然と出してくるのか。乾パンで口の中の水分が無くなったところを、梅干しを食べて唾液で補えという考えだとしてももう少し何かあるだろうと思う。第一それでは外からの水分補給が少なすぎる。梅干しに含まれる水分など含まれる塩分でマイナスだ。
そもそも両方ローの嫌いな食べ物である。
結局食べないままあてがわれている部屋へ戻り(決して逃げた訳ではない)、一目散に飛びついたのはペンギンから他のクルー達に内緒で渡されていた電伝虫だった。
ペンギンの故郷である島『ボンゴレ』を出る時にペンギンが私物として持ち込んだそれは、どういう原理かどうか分からないが盗聴も割り込みも出来ない仕様の電伝虫なのだという。原理を訊いたらベルベットルームがどうの心の海がどうのと言っていたが、要は『科学的な説明の出来ない代物』らしい。
その電伝虫をペンギンが持っているもう一台にしか通じないようにして、渡してきたのである。
『愚痴を吐きてぇ時もあるでしょう』
敵地へ赴くにあたり、弱点を知られるような物は持って行きたくないと思っていたのだが、荷造りを手伝ったペンギンはそういってローの反対を無視して突っ込んでいた。今になってそれをありがたいと思う。
受話器を手に取ると電伝虫の目が開かれる。ペンギンと同じ紫の目が不思議な色合いを見せてローを見上げてきた。
『……どうしました?』
「飯がまずい!」
頂上戦争の後に行なわれた大将同士の対決により、半永久的に極寒と灼熱の大地と化してしまったパンクハザード。その矛盾した島の極寒側へ造られた研究所内で、ローはしみじみと自分が甘やかされていたことを実感した。
甘やかされていた、というよりは至れり尽くせりだったというべきか。
隠れて非合法的研究を行なっているシーザーの元では、食料の自給率は島の気候のお陰でゼロに等しい。更に言うなら他の島も遠く、多くいる研究職員や関係者、実験被験者達の食事に関しては買い溜めをしておいた食料で賄われている。
よって新鮮な野菜というのは殆ど出されない。たまに研究員が土地の一部を開拓して出来た畑からの収穫物が料理に使われる程度である。肉も乾物が多く全体的に保存食に近い物が多かった。
つまり保存の利く食料は多いが、好きな物を好きなときに食べられるかと言ったらそうではない食事情なのである。
無論ローだって覚悟はしてきた。ハートの船での航海中も買い溜めや保存食が出ることはあるし、幼少期に故郷を失ってからはまともな食事を食べられなかったとこだってあったのだ。食べ物があるだけマシだろう。
けれどもやっぱり、パンと梅干しは駄目だ。
大体どうして乾パンと梅干しなんて組み合わせを平然と出してくるのか。乾パンで口の中の水分が無くなったところを、梅干しを食べて唾液で補えという考えだとしてももう少し何かあるだろうと思う。第一それでは外からの水分補給が少なすぎる。梅干しに含まれる水分など含まれる塩分でマイナスだ。
そもそも両方ローの嫌いな食べ物である。
結局食べないままあてがわれている部屋へ戻り(決して逃げた訳ではない)、一目散に飛びついたのはペンギンから他のクルー達に内緒で渡されていた電伝虫だった。
ペンギンの故郷である島『ボンゴレ』を出る時にペンギンが私物として持ち込んだそれは、どういう原理かどうか分からないが盗聴も割り込みも出来ない仕様の電伝虫なのだという。原理を訊いたらベルベットルームがどうの心の海がどうのと言っていたが、要は『科学的な説明の出来ない代物』らしい。
その電伝虫をペンギンが持っているもう一台にしか通じないようにして、渡してきたのである。
『愚痴を吐きてぇ時もあるでしょう』
敵地へ赴くにあたり、弱点を知られるような物は持って行きたくないと思っていたのだが、荷造りを手伝ったペンギンはそういってローの反対を無視して突っ込んでいた。今になってそれをありがたいと思う。
受話器を手に取ると電伝虫の目が開かれる。ペンギンと同じ紫の目が不思議な色合いを見せてローを見上げてきた。
『……どうしました?』
「飯がまずい!」