二年後編
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シャチ視点
ペンギンは普段からツナギも殆ど着崩さない。せいぜい腕まくりをしたりファスナーを少し下げたりする程度。私服の時も長袖に腕の入れ墨は包帯を巻いて隠していたりするし、なんというか、防御力が高い。
それが今はどうだろうか。
「んだぁ? どうしたぁ?」
「……んー」
お代わりを運んできてくれたペンギンを眺めて、シャチは今の気分をどう説明すればいいのか言葉を選ぶ。隣に座ってカレーを食べているバンダナは何も言わない。
「チラリズム、的な?」
「ぶふっ」
「うわっ、バンダナさん水、水ぅ!」
噴き出しかけたバンダナへペンギンが慌てて水の入ったコップを渡し、バンダナがそれを一気に飲み干した。空になったコップを勢いよくテーブルへ戻したバンダナが睨んだのは当然だがシャチである。
「シャチ!」
「ご、ごめん。いや、オレ謝る必要あった!?」
「いきなり変なこと言い出したら誰だって吹き出すだろうよ! せめて飯食ってる時は止めてくれ! 言いたいことは分かるけど!」
「あ、分かるんだ」
空になったコップへ水を注いだペンギンは、バンダナとシャチの会話を極々不思議そうに聞いていたが、ワカメに呼ばれて席を立っていった。原因である当人が居なくなって落ち着いたのか、バンダナが息を吐いてカレーとライスをかき混ぜる。それを見ながらシャチは、自分の言葉で噴き出しかけたということはバンダナも少しは思っていたんだろうなと思う。
野郎が帽子を脱いだ程度でチラリズムも何もあったものではない。そもそもそういうのはシャチも可愛い女の子相手に思いたいものだ。ニーハイとスカートの隙間で素肌が晒される太股とか。
「言いたいことは分かるよ。ペンちゃんの帽子だろ」
「うん。女顔だからって隠す為に被ってたんでしょ? 船長があんまり脱ぐなって言ったらしいのも知ってるけどさ。でも今になって脱ぐのも変じゃない?」
船長が居なくなってから脱がれた帽子。船長との約束も誰も言わなければバレないと判断したのか。それとも。
ペンギンが注いでいった水を半分ほど飲み、今度は手酌で水を注ぎ足したバンダナが頭のヘアバンドの位置を直す。シャチは笑っているイルカの元で何故かひっくり返った皿を片付けていたペンギンを見た。
本当は高額賞金首であることを隠している男だ。帽子を脱いだ行動にも理由があるのかも知れない。
「蒸れるんだとさ」
「は?」
「年がら年中防寒帽被ってたら頭が蒸れて、将来禿げるかも知れないってんで、船長の居ぬ間に風にさらしとくんだとさ」
「……くっだらな!」
前言撤回。理由なんて無かった。
ペンギンは普段からツナギも殆ど着崩さない。せいぜい腕まくりをしたりファスナーを少し下げたりする程度。私服の時も長袖に腕の入れ墨は包帯を巻いて隠していたりするし、なんというか、防御力が高い。
それが今はどうだろうか。
「んだぁ? どうしたぁ?」
「……んー」
お代わりを運んできてくれたペンギンを眺めて、シャチは今の気分をどう説明すればいいのか言葉を選ぶ。隣に座ってカレーを食べているバンダナは何も言わない。
「チラリズム、的な?」
「ぶふっ」
「うわっ、バンダナさん水、水ぅ!」
噴き出しかけたバンダナへペンギンが慌てて水の入ったコップを渡し、バンダナがそれを一気に飲み干した。空になったコップを勢いよくテーブルへ戻したバンダナが睨んだのは当然だがシャチである。
「シャチ!」
「ご、ごめん。いや、オレ謝る必要あった!?」
「いきなり変なこと言い出したら誰だって吹き出すだろうよ! せめて飯食ってる時は止めてくれ! 言いたいことは分かるけど!」
「あ、分かるんだ」
空になったコップへ水を注いだペンギンは、バンダナとシャチの会話を極々不思議そうに聞いていたが、ワカメに呼ばれて席を立っていった。原因である当人が居なくなって落ち着いたのか、バンダナが息を吐いてカレーとライスをかき混ぜる。それを見ながらシャチは、自分の言葉で噴き出しかけたということはバンダナも少しは思っていたんだろうなと思う。
野郎が帽子を脱いだ程度でチラリズムも何もあったものではない。そもそもそういうのはシャチも可愛い女の子相手に思いたいものだ。ニーハイとスカートの隙間で素肌が晒される太股とか。
「言いたいことは分かるよ。ペンちゃんの帽子だろ」
「うん。女顔だからって隠す為に被ってたんでしょ? 船長があんまり脱ぐなって言ったらしいのも知ってるけどさ。でも今になって脱ぐのも変じゃない?」
船長が居なくなってから脱がれた帽子。船長との約束も誰も言わなければバレないと判断したのか。それとも。
ペンギンが注いでいった水を半分ほど飲み、今度は手酌で水を注ぎ足したバンダナが頭のヘアバンドの位置を直す。シャチは笑っているイルカの元で何故かひっくり返った皿を片付けていたペンギンを見た。
本当は高額賞金首であることを隠している男だ。帽子を脱いだ行動にも理由があるのかも知れない。
「蒸れるんだとさ」
「は?」
「年がら年中防寒帽被ってたら頭が蒸れて、将来禿げるかも知れないってんで、船長の居ぬ間に風にさらしとくんだとさ」
「……くっだらな!」
前言撤回。理由なんて無かった。