空白の二年間編2
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夢主視点
「……SADの破壊は、上手くいくと思うか」
一つしか答えない情報源だというのに、それは情報を求める言葉ではなかった。けれどもシルビはそれを『欲しい情報』だと判断してこめかみへ手を押し当てる。
もっと違う事を聞けばいいのにとは思った。何処まで世間的に知られているか知らないが、曲りなりにも世界政府から敵認定されている賞金首直々の情報提供である。もっと有益な情報の聞き出し方だってあっただろう。
けれども船長はそれをしなかった。ということは本当は、情報が欲しいのではなく何か応援の言葉が欲しかったのか。もしかしたら単に欲しい情報が多すぎて空回りしたのかも知れない。
それはそれで滑稽だなと考えながら鈍い頭痛に眉を潜める。それから閉じていた目を開けて微笑んだ。
「……上手く、上手くいきますよ」
「なんで笑ってんだ」
「ふふ、内緒です」
船長が何か言いたげな顔をするがこれは流石に教えられない。何故ならシルビが見たのは“未来”だったからだ。
未来も過去も遠くの現在進行形で起こっている物事も、シルビがやろうとすれば何も問題なく全て知ることが出来るという事実は話せないし、こと未来に関しては絶対に言わない。今日の日付を思い出して『もう二年経つのか』と感動する。
『麦わらの海賊団』が再結成するのだ。しかもパンクハザードへ立ち寄る未来が見えた。
もちろん未来など不確定で、些細な違いでどんな未来へ変わってしまうのかも分からない。パンクハザードへ立ち寄るという未来だって、可能性の一つであって確定ではなかった。途中で死んでしまうかも知れないしパンクハザードへ寄らないかも知れない。
なのにシルビの“勘”は彼等と船長がパンクハザードで出会うだろう未来を確信していた。そして出会ったなら、この船長は絶対にルフィへ巻き込まれる。
相手はシルビでさえタラシこむ程に魅力的な少年なのだから。
「やっぱり船長と一緒に行きてぇですねぇ」
「……今ちょっと思ったんだが、お前未来予知してないか?」
「アハハハ」
「おい誤魔化すな! してんのかっ」
「アハハハハハ」
間にテーブルがあって良かった。無かったら笑って誤魔化す前に逃げ出していただろう。
「ハハー。それはどうでもいいんですよ」
「良くないだろっ」
「大切なのは貴方が作戦を成功させられるかでしょう? ならどうでもいいんです」
「……結局有益な話が聞けてない気がするんだが」
「それは貴方の聞き方が悪ぃんですよ。ほんと駆け引きとか取引下手ですねぇ」
「お前のは取引じゃなくて脅迫だ!」
「そりゃ相手が対等じゃねぇから仕方ねぇでしょう」
だがそんな事を言ったら、シルビと対等な相手というのは一体どういう者なのか自分ですらちょっと分からない。
「……SADの破壊は、上手くいくと思うか」
一つしか答えない情報源だというのに、それは情報を求める言葉ではなかった。けれどもシルビはそれを『欲しい情報』だと判断してこめかみへ手を押し当てる。
もっと違う事を聞けばいいのにとは思った。何処まで世間的に知られているか知らないが、曲りなりにも世界政府から敵認定されている賞金首直々の情報提供である。もっと有益な情報の聞き出し方だってあっただろう。
けれども船長はそれをしなかった。ということは本当は、情報が欲しいのではなく何か応援の言葉が欲しかったのか。もしかしたら単に欲しい情報が多すぎて空回りしたのかも知れない。
それはそれで滑稽だなと考えながら鈍い頭痛に眉を潜める。それから閉じていた目を開けて微笑んだ。
「……上手く、上手くいきますよ」
「なんで笑ってんだ」
「ふふ、内緒です」
船長が何か言いたげな顔をするがこれは流石に教えられない。何故ならシルビが見たのは“未来”だったからだ。
未来も過去も遠くの現在進行形で起こっている物事も、シルビがやろうとすれば何も問題なく全て知ることが出来るという事実は話せないし、こと未来に関しては絶対に言わない。今日の日付を思い出して『もう二年経つのか』と感動する。
『麦わらの海賊団』が再結成するのだ。しかもパンクハザードへ立ち寄る未来が見えた。
もちろん未来など不確定で、些細な違いでどんな未来へ変わってしまうのかも分からない。パンクハザードへ立ち寄るという未来だって、可能性の一つであって確定ではなかった。途中で死んでしまうかも知れないしパンクハザードへ寄らないかも知れない。
なのにシルビの“勘”は彼等と船長がパンクハザードで出会うだろう未来を確信していた。そして出会ったなら、この船長は絶対にルフィへ巻き込まれる。
相手はシルビでさえタラシこむ程に魅力的な少年なのだから。
「やっぱり船長と一緒に行きてぇですねぇ」
「……今ちょっと思ったんだが、お前未来予知してないか?」
「アハハハ」
「おい誤魔化すな! してんのかっ」
「アハハハハハ」
間にテーブルがあって良かった。無かったら笑って誤魔化す前に逃げ出していただろう。
「ハハー。それはどうでもいいんですよ」
「良くないだろっ」
「大切なのは貴方が作戦を成功させられるかでしょう? ならどうでもいいんです」
「……結局有益な話が聞けてない気がするんだが」
「それは貴方の聞き方が悪ぃんですよ。ほんと駆け引きとか取引下手ですねぇ」
「お前のは取引じゃなくて脅迫だ!」
「そりゃ相手が対等じゃねぇから仕方ねぇでしょう」
だがそんな事を言ったら、シルビと対等な相手というのは一体どういう者なのか自分ですらちょっと分からない。