原作前日常編
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少年視点
潜水艦は今日も海の中を行く。シャチがロープの結び方や船の上での洗濯の仕方、悪魔の実の能力者である船長が海に落ちた時の対処法を一通り教わった頃、次の島へ着くという話を聞いた。
「シャチの武器や服を買わなけりゃなんないね。着の身着のままで連れて来られたし、今の服はイルカ達のお下がりなんだろ?」
「別にお下がりでもいいのに。充分着れるじゃん」
「馬鹿だねぇ。買ってもらえるんだから盛大にねだりゃいいのに」
バンダナはオッサン臭い話し方だけど聞いていて嫌じゃない。小さくない声は聞き取りやすくて好きだ。それに特徴的な話し方をしてくれるから、聞けば一発で『バンダナが喋っている』と判断できる。
そうやって判断しやすい相手にはアイツもいたけれど、シャチはアイツが嫌いだからどうでもいい。足音がしなくて何処かへ立ち止まっていたり座ったりしている時でも、アイツは癖なのかいつも音を出している。
テーブルを指先で叩いたり、靴のつま先で地面を蹴ったりという行動で、アイツが何処にいるのかはいつも分かった。だからそれを頼りに避けて、アイツと話した事なんて無い。
「それとも、買物でもペンちゃんと一緒に歩くのは嫌かい?」
「……嫌なのはアイツだろ。一度も話し掛けられたことないし」
「ペンちゃんは忙しいからねぇ」
次の島でシャチの生活用品を買いに行く時は、アイツことペンギンと行く事になっている。理由としてはアイツが副船長だからなのと、この船の帳簿を管理しているからだ。
船長がシャチをこの船へ連れて来た時、シャチは自分の物なんて着ていた服と掛けていた汚いサングラスと、正式名称は果物ナイフという欠けた小さい刃物しか持っていなかった。これから先、この船へ乗り続けるならそれ以外にも私物が必要な事くらいシャチにだって分かっている。でも少し、『アイツと一緒に出歩くくらいならいらないかな』とも思ってしまう。
アイツだって、嫌いなヤツと歩きたくないに違いない。
「バンダナやワカメとじゃ駄目かなー。船長でもいいんだけど」
「久しぶりの外に子連れはねぇ。ああでも、ワカメには頼んでみたらどうだい? あいつは服選ぶの好きだから他人のものでも喜んで選んでくれるよ」
「そしたらアイツと一緒じゃなくていい?」
「……なんでそんなに嫌いなんだか。ペンちゃんは――」
「バーンーダーナー! お前また飲んだ酒瓶放置しただろ!」
クルーに呼ばれてバンダナがシャチの前から去っていく。だから何を言おうとしたのかは分からなかった。
潜水艦は今日も海の中を行く。シャチがロープの結び方や船の上での洗濯の仕方、悪魔の実の能力者である船長が海に落ちた時の対処法を一通り教わった頃、次の島へ着くという話を聞いた。
「シャチの武器や服を買わなけりゃなんないね。着の身着のままで連れて来られたし、今の服はイルカ達のお下がりなんだろ?」
「別にお下がりでもいいのに。充分着れるじゃん」
「馬鹿だねぇ。買ってもらえるんだから盛大にねだりゃいいのに」
バンダナはオッサン臭い話し方だけど聞いていて嫌じゃない。小さくない声は聞き取りやすくて好きだ。それに特徴的な話し方をしてくれるから、聞けば一発で『バンダナが喋っている』と判断できる。
そうやって判断しやすい相手にはアイツもいたけれど、シャチはアイツが嫌いだからどうでもいい。足音がしなくて何処かへ立ち止まっていたり座ったりしている時でも、アイツは癖なのかいつも音を出している。
テーブルを指先で叩いたり、靴のつま先で地面を蹴ったりという行動で、アイツが何処にいるのかはいつも分かった。だからそれを頼りに避けて、アイツと話した事なんて無い。
「それとも、買物でもペンちゃんと一緒に歩くのは嫌かい?」
「……嫌なのはアイツだろ。一度も話し掛けられたことないし」
「ペンちゃんは忙しいからねぇ」
次の島でシャチの生活用品を買いに行く時は、アイツことペンギンと行く事になっている。理由としてはアイツが副船長だからなのと、この船の帳簿を管理しているからだ。
船長がシャチをこの船へ連れて来た時、シャチは自分の物なんて着ていた服と掛けていた汚いサングラスと、正式名称は果物ナイフという欠けた小さい刃物しか持っていなかった。これから先、この船へ乗り続けるならそれ以外にも私物が必要な事くらいシャチにだって分かっている。でも少し、『アイツと一緒に出歩くくらいならいらないかな』とも思ってしまう。
アイツだって、嫌いなヤツと歩きたくないに違いない。
「バンダナやワカメとじゃ駄目かなー。船長でもいいんだけど」
「久しぶりの外に子連れはねぇ。ああでも、ワカメには頼んでみたらどうだい? あいつは服選ぶの好きだから他人のものでも喜んで選んでくれるよ」
「そしたらアイツと一緒じゃなくていい?」
「……なんでそんなに嫌いなんだか。ペンちゃんは――」
「バーンーダーナー! お前また飲んだ酒瓶放置しただろ!」
クルーに呼ばれてバンダナがシャチの前から去っていく。だから何を言おうとしたのかは分からなかった。