空白の二年間編2
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ロー視点
『世界政府の宿敵』である『死告シャイタン』という正体を持つペンギンに、修行をつけてくれるように頼んだのは今のままじゃ何も出来ないような気がしたからだ。
最近のペンギンが無自覚にだろうがローのトラウマや嫌な記憶を掘り出してきた事も、理由の一つかも知れない。声が出なくなったり糸で人を解したり、武装色の覇気をハリセンへ纏わせたり。最後の一つは竹刀であったならもっと嫌な気分になっただろう。
お陰でトラウマの上塗りをされてもいる気がするが、上塗りをされただけで過去の蟠りに変化があった訳ではない。精神的にマシになったか思い出しただけで、克服も何も出来ていなかった。
だから、『修行をつける』ように頼んだのだ。
他のクルー達が来ない様に停泊している場所から距離のある砂浜で、防寒帽を脱いだペンギンと対峙した。
「――……『Può parlare』……ぁ、あ。言っておきますけど、コレ喉だけじゃなく負担掛かってますからね」
「なら無理に出せるようにしなくていいだろ。つか、どうなってんだ」
どうやってか分からないが声を出せるようにしたペンギンへ、前々から気になっていることを尋ねるが、ペンギンは曖昧に誤魔化すだけである。ペンギンの故郷特有の能力である『炎』の事といい、そもそも『死告シャイタン』であること自体秘密が多い奴だ。
左手首の腕輪を撫でながら対峙するペンギンは、これから手合わせするという雰囲気すら感じられない。
「とりあえず“死ぬ気”で頑張ってもらいます。船長はトラウマとかありませんね?」
「あったらどうするんだ」
「泣いたらごめんなさい?」
何をするつもりなのか。ペンギンに頼んだのを後悔しかけた。
「そういえば船長。貴方『死告シャイタン』についてどのくらい知ってます?」
「殆ど知らねえ。不老不死って噂くらいか」
「まぁソレは半分ガセネタなんですけれど、そうですね……」
ペンギンが左手を伸ばして指を鳴らす。藍色の炎が盛大に燃え上がったかと思うとペンギンの目の前にはシャボンディ諸島で戦った、『バーソロミュー・クマ』の姿。
思わず後退りして身構えるローとは違い、ペンギンはそのクマを見上げて“出来栄え”に眉を潜めている。棒立ちのクマがぎこちなく腕を動かすのを見上げていたかと思うと、こめかみへ手を当てて更に指を鳴らしていく。
間接部分で藍色の炎が燃え上がる度にクマの動きが滑らかになっていき、ソレを見てペンギンの故郷であるボンゴレで会ったクロームを思い出した。
『霧の炎はこうして幻覚を作り出せるの』
つまりこのクマは『幻覚』か。
やっと満足のいく出来になったらしいクマから離れたペンギンがローを見る。
「記憶からこんな風に幻覚を作り出せるんです。とりあえず三分で一体、くらいのペースにしましょうかぁ」
ペンギンに頼んだのは間違いだったかも知れない。
『世界政府の宿敵』である『死告シャイタン』という正体を持つペンギンに、修行をつけてくれるように頼んだのは今のままじゃ何も出来ないような気がしたからだ。
最近のペンギンが無自覚にだろうがローのトラウマや嫌な記憶を掘り出してきた事も、理由の一つかも知れない。声が出なくなったり糸で人を解したり、武装色の覇気をハリセンへ纏わせたり。最後の一つは竹刀であったならもっと嫌な気分になっただろう。
お陰でトラウマの上塗りをされてもいる気がするが、上塗りをされただけで過去の蟠りに変化があった訳ではない。精神的にマシになったか思い出しただけで、克服も何も出来ていなかった。
だから、『修行をつける』ように頼んだのだ。
他のクルー達が来ない様に停泊している場所から距離のある砂浜で、防寒帽を脱いだペンギンと対峙した。
「――……『Può parlare』……ぁ、あ。言っておきますけど、コレ喉だけじゃなく負担掛かってますからね」
「なら無理に出せるようにしなくていいだろ。つか、どうなってんだ」
どうやってか分からないが声を出せるようにしたペンギンへ、前々から気になっていることを尋ねるが、ペンギンは曖昧に誤魔化すだけである。ペンギンの故郷特有の能力である『炎』の事といい、そもそも『死告シャイタン』であること自体秘密が多い奴だ。
左手首の腕輪を撫でながら対峙するペンギンは、これから手合わせするという雰囲気すら感じられない。
「とりあえず“死ぬ気”で頑張ってもらいます。船長はトラウマとかありませんね?」
「あったらどうするんだ」
「泣いたらごめんなさい?」
何をするつもりなのか。ペンギンに頼んだのを後悔しかけた。
「そういえば船長。貴方『死告シャイタン』についてどのくらい知ってます?」
「殆ど知らねえ。不老不死って噂くらいか」
「まぁソレは半分ガセネタなんですけれど、そうですね……」
ペンギンが左手を伸ばして指を鳴らす。藍色の炎が盛大に燃え上がったかと思うとペンギンの目の前にはシャボンディ諸島で戦った、『バーソロミュー・クマ』の姿。
思わず後退りして身構えるローとは違い、ペンギンはそのクマを見上げて“出来栄え”に眉を潜めている。棒立ちのクマがぎこちなく腕を動かすのを見上げていたかと思うと、こめかみへ手を当てて更に指を鳴らしていく。
間接部分で藍色の炎が燃え上がる度にクマの動きが滑らかになっていき、ソレを見てペンギンの故郷であるボンゴレで会ったクロームを思い出した。
『霧の炎はこうして幻覚を作り出せるの』
つまりこのクマは『幻覚』か。
やっと満足のいく出来になったらしいクマから離れたペンギンがローを見る。
「記憶からこんな風に幻覚を作り出せるんです。とりあえず三分で一体、くらいのペースにしましょうかぁ」
ペンギンに頼んだのは間違いだったかも知れない。