故郷の話
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夢主視点
そりゃいつかは来るだろうと思っていたが、流石に宴会を抜け出してくるとは思っていなかった。なので何も考えていなかったのだが、ローはシルビが先陣を切って尋ねても直ぐには返してこない。
その沈黙が怖いのだが言える訳も無く、ベスターの頭といわず背中といわず撫でていたら、流石に撫でられるのが嫌になったのか立ち上がって宴会のほうへと戻っていった。ザンザスに呼ばれたのかも知れない。
「あのライガーはお前によく懐いてるな」
「えっ、ああ、小せぇ頃はアイツとアイツの飼い主が俺の世話係みてぇなモンにされてましたから」
正確にはシルビがザンザスの怒りを抑える役目だったのかも知れないが。
去っていくベスターが暗闇と茂みの向こうに見えなくなる。それを視線で追いかけていたローがシルビを見るのにぐ、と身構えた。
「ビャクランって奴がいるだろ」
「は? うん」
「アイツ何者だ?」
「俺の好きな人の一人」
「……同性愛者だとは知らなかったな」
「違げぇよ! 好きだけど精神的にっていうか自己愛とも違うんだけど、子供可愛がるんでもねぇし、俺の事を一番理解できる奴っていうのも変だけど、複雑なんだよアイツとの関係は!」
「挨拶しておけよ。ログが溜まったら出港だからな」
ローの言葉へ呆然としているシルビを無視して、ローが立ち上がる。思わず手を伸ばして腕を掴めば、立ち上がりかけていた中途半端な体勢でローがシルビを見下ろした。
「なんだ」
「え、いや、それコッチの台詞って言うか、他に聞く事は無ぇんですか?」
「聞いてほしいのか?」
言葉に詰まるとローはそんなシルビを見つめた後、顔を背けて手を口元へ当てる。笑っているのだとは分かったが笑われる理由が分からなかった。
「じゃあ二つ聞くが、お前が今隠している事を、オレはいつか必ず聞けるんだな?」
座り直しもせずに聞いてきたローに言い返そうとして、結局何も言い返せないまま頷く。
いつかは話そうと思っている。それだけは絶対に決めていた。だがそれがいつになるかは分からないし『今この場で』とはいかない。
自分が『世界政府の宿敵』であることは、『Dの意志』も知らなければ『Dの一族』でもないだろうローへは言っても関わりが無く、ただ重荷に感じさせるだけだと思っている。
だから、『いつか』なのだ。
「約束します」
「あと一つ。オレに願うことはあるか?」
「――貴方の船へ乗せてください。これからもずっと」
「じゃあ一生降りられないな」
そりゃいつかは来るだろうと思っていたが、流石に宴会を抜け出してくるとは思っていなかった。なので何も考えていなかったのだが、ローはシルビが先陣を切って尋ねても直ぐには返してこない。
その沈黙が怖いのだが言える訳も無く、ベスターの頭といわず背中といわず撫でていたら、流石に撫でられるのが嫌になったのか立ち上がって宴会のほうへと戻っていった。ザンザスに呼ばれたのかも知れない。
「あのライガーはお前によく懐いてるな」
「えっ、ああ、小せぇ頃はアイツとアイツの飼い主が俺の世話係みてぇなモンにされてましたから」
正確にはシルビがザンザスの怒りを抑える役目だったのかも知れないが。
去っていくベスターが暗闇と茂みの向こうに見えなくなる。それを視線で追いかけていたローがシルビを見るのにぐ、と身構えた。
「ビャクランって奴がいるだろ」
「は? うん」
「アイツ何者だ?」
「俺の好きな人の一人」
「……同性愛者だとは知らなかったな」
「違げぇよ! 好きだけど精神的にっていうか自己愛とも違うんだけど、子供可愛がるんでもねぇし、俺の事を一番理解できる奴っていうのも変だけど、複雑なんだよアイツとの関係は!」
「挨拶しておけよ。ログが溜まったら出港だからな」
ローの言葉へ呆然としているシルビを無視して、ローが立ち上がる。思わず手を伸ばして腕を掴めば、立ち上がりかけていた中途半端な体勢でローがシルビを見下ろした。
「なんだ」
「え、いや、それコッチの台詞って言うか、他に聞く事は無ぇんですか?」
「聞いてほしいのか?」
言葉に詰まるとローはそんなシルビを見つめた後、顔を背けて手を口元へ当てる。笑っているのだとは分かったが笑われる理由が分からなかった。
「じゃあ二つ聞くが、お前が今隠している事を、オレはいつか必ず聞けるんだな?」
座り直しもせずに聞いてきたローに言い返そうとして、結局何も言い返せないまま頷く。
いつかは話そうと思っている。それだけは絶対に決めていた。だがそれがいつになるかは分からないし『今この場で』とはいかない。
自分が『世界政府の宿敵』であることは、『Dの意志』も知らなければ『Dの一族』でもないだろうローへは言っても関わりが無く、ただ重荷に感じさせるだけだと思っている。
だから、『いつか』なのだ。
「約束します」
「あと一つ。オレに願うことはあるか?」
「――貴方の船へ乗せてください。これからもずっと」
「じゃあ一生降りられないな」