故郷の話
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ロー視点
九代目の秘書を名乗る男から、今夜屋敷でお詫びの一環として宴会を開かせて欲しいと言われて、クルー達は喜びそうだと了承した。それを伝える為に港の船へ戻ればクルー達は宴会と聞いて喜んでいたが、同時に不安げな表情を見せる。
「ペンギンって、やっぱりここで船降りちゃうんですかね?」
懸念内容はやはりそれだった。ここはペンギンの故郷でペンギンはそこの相談役で、本来島にいなければならない役目を担っている。ハートのクルーになる前から好き勝手一人旅をしていたようだが、こうして戻ってきてロー達へ相談役である事がバレて、更には領主後継者候補の一人が居なくなった今は相談役としての役目が有るだろう。
それなのにペンギンは再び船へ戻ってくるのか。
もちろんローは戻ってきて欲しいというか、むしろ戻ってくるべきだと思っている。だがペンギンの考えが分からない今、それをいう事すら出来ないのだ。
「ペンギンが降りたら大変だよね」
誰かが呟いたその言葉が嫌に耳へ残る。自室へ一度戻ろうとするとベポが帰ってきたところらしく通路を歩いてきた。
「キャプテン! あのね、バイザクに空飛ぶサメとエイとカンガルーと小さいライオン見せて貰ったんだ!」
水族館なのか動物園なのか分からないそれらは、やはりライガーや犬と同じく屋敷で飼われているのだろう。空を跳ぶ、という部分の意味は分からないが。
ロボットとはいえ友達が出来て嬉しいらしいベポの頭を撫でて、ふと尋ねてみる。
「バイザクと一緒にいたいなら、船を降りるか?」
「え! ヤダよ絶対降りないよ! オレキャプテンにずっとついてくんだから!」
「ペンギンが降りるって言ってもか?」
「……ペンギン、降りるの?」
「どうだろうな。降りるかも知れねえだろ。ここはアイツの故郷なんだし」
「うーん。ペンギンは降りないと思うよキャプテン」
ベポは言葉を選ぶように唸ってから、ローを真っ直ぐに見つめてきた。
「だってペンギン、船長やハートの事好きじゃん」
ごく当たり前のことをさも当然とばかりに言うベポに、ローは無言でもう一度頭を撫でる。どうして撫でられているのか分からないものの、気持ちよさげに目を細めるベポはおそらく一番ペンギンに近い。
ペンギンに育てられたも同然の『子供』がそう言うのだから、そうであればいいとは思った。
「駄目でもキャプテンが『船長命令』使えばいいんだよ!」
「……『船長命令』ってなんだか分かってるか?」
「うん。『船長に許される堂々と甘える方法』だってペンギンが言ってた!」
九代目の秘書を名乗る男から、今夜屋敷でお詫びの一環として宴会を開かせて欲しいと言われて、クルー達は喜びそうだと了承した。それを伝える為に港の船へ戻ればクルー達は宴会と聞いて喜んでいたが、同時に不安げな表情を見せる。
「ペンギンって、やっぱりここで船降りちゃうんですかね?」
懸念内容はやはりそれだった。ここはペンギンの故郷でペンギンはそこの相談役で、本来島にいなければならない役目を担っている。ハートのクルーになる前から好き勝手一人旅をしていたようだが、こうして戻ってきてロー達へ相談役である事がバレて、更には領主後継者候補の一人が居なくなった今は相談役としての役目が有るだろう。
それなのにペンギンは再び船へ戻ってくるのか。
もちろんローは戻ってきて欲しいというか、むしろ戻ってくるべきだと思っている。だがペンギンの考えが分からない今、それをいう事すら出来ないのだ。
「ペンギンが降りたら大変だよね」
誰かが呟いたその言葉が嫌に耳へ残る。自室へ一度戻ろうとするとベポが帰ってきたところらしく通路を歩いてきた。
「キャプテン! あのね、バイザクに空飛ぶサメとエイとカンガルーと小さいライオン見せて貰ったんだ!」
水族館なのか動物園なのか分からないそれらは、やはりライガーや犬と同じく屋敷で飼われているのだろう。空を跳ぶ、という部分の意味は分からないが。
ロボットとはいえ友達が出来て嬉しいらしいベポの頭を撫でて、ふと尋ねてみる。
「バイザクと一緒にいたいなら、船を降りるか?」
「え! ヤダよ絶対降りないよ! オレキャプテンにずっとついてくんだから!」
「ペンギンが降りるって言ってもか?」
「……ペンギン、降りるの?」
「どうだろうな。降りるかも知れねえだろ。ここはアイツの故郷なんだし」
「うーん。ペンギンは降りないと思うよキャプテン」
ベポは言葉を選ぶように唸ってから、ローを真っ直ぐに見つめてきた。
「だってペンギン、船長やハートの事好きじゃん」
ごく当たり前のことをさも当然とばかりに言うベポに、ローは無言でもう一度頭を撫でる。どうして撫でられているのか分からないものの、気持ちよさげに目を細めるベポはおそらく一番ペンギンに近い。
ペンギンに育てられたも同然の『子供』がそう言うのだから、そうであればいいとは思った。
「駄目でもキャプテンが『船長命令』使えばいいんだよ!」
「……『船長命令』ってなんだか分かってるか?」
「うん。『船長に許される堂々と甘える方法』だってペンギンが言ってた!」