故郷の話
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夢主視点
「シルビチャン。インク零れてる」
「――へっ? え、あ、うぁ」
ボンヤリしていたらしく書類の上にインクをボタボタと零していた。まだ最初の数行を書いた程度だったのでまだやり直しが効くのでいいが、実のところコレが最初ではない。
手伝ってくれていた白蘭が、呆れた様子で既にインクの染みが出来ている雑巾を投げて寄越した。わざわざ違う島であるミルフィオーレから来てくれたというのに、ハートの船が出港する前にと溜まっていた書類を片付けるのでまともに相手も出来ていない。
それ自体は別に構わないと言ってくれているので、シルビのほうが少し寂しいものの助かっているのでいいのだが、問題はボンヤリしてしまう理由だった。
「そんなにあのトラファルガーセンチョーに嫌われるのイヤなんだ?」
「白蘭も好きだよ」
「それはどうでもいいかな、知ってるし。そんなにイヤなら『船を下ろさないでください』ってワガママ言っちゃえばいいんじゃないの?」
「他人事だと思ってぇ……」
タルボ爺さんと話していたらしいローは機嫌が悪そうで、その後のシルビへの接し方からして原因はシルビなのだろう。思い当たる事もあったといえばあった。
ボンゴレの相談役という役職のこととか、死ぬ気の炎やバイザクのことなど、この島へ来てから色々知られて絶対に変だと思われたに違いない。それらを詳しく話すとなれば、自分が『死告シャイタン』だという事も話さなければならなくなる。
そうなればきっと、ローはシルビを船へ乗せておくのは嫌がるのではないか。
「どうせならさぁ、船を降ろされるか降りる直前とかに教えるのが一番後腐れも何も無くていいと思ってんだよ。船へ乗り続けてる間に言うにしたって、タイミングは大事だろうし、まだ四億だぜぇ? そんな低い賞金首の船に『死告シャイタン』が乗ってると海軍へ知られてみろよぉ。迷惑以外の何物でもなくねぇ?」
「シルビチャン。メンドクサイ」
「うっ……」
「シルビチャンメンドクサイ。うだうだ煩いし根暗だしウジウジ鬱陶しいしメンドクサイ」
「ね、根暗ってのは」
「嫌がられたら帰ってくればいいだけの話でしょ? それともボクだけじゃイヤなの?」
執務机へ身を乗り出して尋ねてくる白蘭に、貶されているというのににやけてしまうのは致し方ない。白蘭に限った事ではないが、好かれているなと思える事は嬉しくてどうしようもないのだ。
「ま、あのセンチョーサンなら平気そうダケドネ」
「? 何か言ったかぁ?」
聞こえなくて聞き返すと白蘭はニコリと笑うだけだった。
「シルビチャン。インク零れてる」
「――へっ? え、あ、うぁ」
ボンヤリしていたらしく書類の上にインクをボタボタと零していた。まだ最初の数行を書いた程度だったのでまだやり直しが効くのでいいが、実のところコレが最初ではない。
手伝ってくれていた白蘭が、呆れた様子で既にインクの染みが出来ている雑巾を投げて寄越した。わざわざ違う島であるミルフィオーレから来てくれたというのに、ハートの船が出港する前にと溜まっていた書類を片付けるのでまともに相手も出来ていない。
それ自体は別に構わないと言ってくれているので、シルビのほうが少し寂しいものの助かっているのでいいのだが、問題はボンヤリしてしまう理由だった。
「そんなにあのトラファルガーセンチョーに嫌われるのイヤなんだ?」
「白蘭も好きだよ」
「それはどうでもいいかな、知ってるし。そんなにイヤなら『船を下ろさないでください』ってワガママ言っちゃえばいいんじゃないの?」
「他人事だと思ってぇ……」
タルボ爺さんと話していたらしいローは機嫌が悪そうで、その後のシルビへの接し方からして原因はシルビなのだろう。思い当たる事もあったといえばあった。
ボンゴレの相談役という役職のこととか、死ぬ気の炎やバイザクのことなど、この島へ来てから色々知られて絶対に変だと思われたに違いない。それらを詳しく話すとなれば、自分が『死告シャイタン』だという事も話さなければならなくなる。
そうなればきっと、ローはシルビを船へ乗せておくのは嫌がるのではないか。
「どうせならさぁ、船を降ろされるか降りる直前とかに教えるのが一番後腐れも何も無くていいと思ってんだよ。船へ乗り続けてる間に言うにしたって、タイミングは大事だろうし、まだ四億だぜぇ? そんな低い賞金首の船に『死告シャイタン』が乗ってると海軍へ知られてみろよぉ。迷惑以外の何物でもなくねぇ?」
「シルビチャン。メンドクサイ」
「うっ……」
「シルビチャンメンドクサイ。うだうだ煩いし根暗だしウジウジ鬱陶しいしメンドクサイ」
「ね、根暗ってのは」
「嫌がられたら帰ってくればいいだけの話でしょ? それともボクだけじゃイヤなの?」
執務机へ身を乗り出して尋ねてくる白蘭に、貶されているというのににやけてしまうのは致し方ない。白蘭に限った事ではないが、好かれているなと思える事は嬉しくてどうしようもないのだ。
「ま、あのセンチョーサンなら平気そうダケドネ」
「? 何か言ったかぁ?」
聞こえなくて聞き返すと白蘭はニコリと笑うだけだった。